竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻14 歌番号1064から1068まで

2024年03月25日 | 後撰和歌集 現代語訳
歌番号一〇六四
原文 堂以之良寸
読下 題知らす

原文 与三飛止毛
読下 よみ人も

原文 飛止奈美尓安良奴和可三八奈尓者奈留安之乃祢乃美曽志多尓奈可留々
和歌 ひとなみに あらぬわかみは なにはなる あしのねのみそ したになかるる
読下 人並みにあらぬ我が身は難波なる葦の根のみぞ下に泣かるる
解釈 貴女から人並みに相手にされない我が身は、難波の潟に生える葦の根のその下には水が流れる、その言葉の響きのように、音(ね)のみを上げて、貴女に気が付かれないように泣いています。

歌番号一〇六五
原文 堂以之良寸
読下 題知らす

原文 与三飛止毛
読下 よみ人も

原文 志良久毛乃由久部幾也万者佐多万良寸於毛不可多尓毛可世者与世奈无
和歌 しらくもの ゆくへきやまは さたまらす おもふかたにも かせはよせなむ
読下 白雲の行くべき山は定まらず思ふ方にも風は寄せなん
解釈 白雲が流れ行くべきの山は定まっていない、でも、あちらに流れ行くと思う方向には風が吹き寄せるでしょう、そのように、貴女への恋焦がれる思いは、貴女の許へと吹き寄せて欲しいものです。

歌番号一〇六六
原文 堂以之良寸
読下 題知らす

原文 与三飛止毛
読下 よみ人も

原文 与乃奈可尓奈保安利安个乃川幾奈久天也美尓万与不遠止八奴川良之奈
和歌 よのなかに なほありあけの つきなくて やみにまよふを とはぬつらしな
読下 世の中になほ有明けの月なくて闇にまどふを訪はぬつらしな
解釈 空には有明の月が出ていますが、世(貴方と私との関係)の中には闇夜を照らすような有明の月が出ていなくて、貴方との関係に戸惑う私を尋ねて来ないのは辛いものがあります。

歌番号一〇六七
原文 佐多万良奴己々呂安利止於无奈乃以日多利个礼八徒可八之个留
読下 定まらぬ心あり、と女の言ひたりければ、つかはしける

原文 於久留於保萬豆利古止乃於保萬豆岐美
読下 贈太政大臣

原文 安寸可々者世幾天止々武留毛乃奈良波布知世止奈留止奈止可以者礼无
和歌 あすかかは せきてととむる ものならは ふちせになると なとかいはれむ
読下 飛鳥河せきてとどむる物ならば淵瀬になるとなどか言はれん
解釈 貴女は私のことを一途では無いと言いますが、もし、あの飛鳥河が堰き止められるものでしたら、後は淵となり、瀬となると、どうして、歌に詠われるでしょうか。世(男女の関係)には移り変わりがあるものです。
注意 古今和歌集「世の中はなにか常なる飛鳥河昨日の淵ぞ今日は瀬になる」を引用する。

歌番号一〇六八
原文 飛佐之宇満可利可与八寸奈利尓个礼八可武奈川幾者可利尓
由幾乃寸己之布利多留安之多尓以比者部利个留
読下 久しうまかり通はずなりにければ、十月ばかりに、
雪の少し降りたる朝に言ひ侍りける

原文 宇己无
読下 右近

原文 三遠徒免者安者礼止曽於毛不者川由幾乃布利奴留己止毛多礼尓以者万之
和歌 みをつめは あはれとそおもふ はつゆきの ふりぬることも たれにいはまし
読下 身をつめばあはれとぞ思ふ初雪の降りぬることも誰れに言はまし
解釈 我が身に年が積みゆくと痛ましいものと感じられます、今年もまた初雪が降る、その言葉のように我が身が古く年を取り、貴方に振られてしまったことを、さて、誰に相談しましょうか。

コメント
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