竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

今日のみそひと歌 金曜日

2013年05月31日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 金曜日

集歌3780 古非之奈婆 古非毛之祢等也 保等登藝須 毛能毛布等伎尓 伎奈吉等余牟流
訓読 恋死なば恋ひも死ねとや霍公鳥物思ふ時に来鳴き響(とよ)むる
試訳 和歌が死ぬのなら和歌を慕う気持ちも死ねと云うのか。過去を乞う霍公鳥は私が和歌を思って物思いにふけるときに、その過ぎ去った過去を求める鳴き声を響かせる。

集歌3781 多婢尓之弖 毛能毛布等吉尓 保等登藝須 毛等奈那難吉曽 安我古非麻左流
訓読 たひにして物思ふ時に霍公鳥もとなな鳴きそ吾(あ)が恋まさる
試訳 多くの歌の牌の万葉集を思って物思いするときに、霍公鳥よ、頼りなくに過去を乞うて鳴くな。私の和歌を慕う気持ちが増してくる。

集歌3782 安麻其毛理 毛能母布等伎尓 保等登藝須 和我須武佐刀尓 伎奈伎等余母須
訓読 雨隠(あまごも)り物思ふ時に霍公鳥我が住む里に来鳴き響(とよ)もす
試訳 雨の日に家にこもって物思いするときに、霍公鳥が私の住む里に来鳴きて、その過去の時代を乞う鳴き声を私の心の中に響かせる。

集歌3783 多婢尓之弖 伊毛尓古布礼婆 保登等伎須 和我須武佐刀尓 許欲奈伎和多流
訓読 たひにして妹に恋ふれば霍公鳥我が住む里にこよ鳴き渡る
試訳 多くの歌の牌を編纂した万葉集を恋しく思うと、あの人が霍公鳥の姿に身を変えて私の住む里にやって来て過去を乞うて鳴き渡っていく。

集歌3784 許己呂奈伎 登里尓曽安利家流 保登等藝須 毛能毛布等伎尓 奈久倍吉毛能可
訓読 心なき鳥にぞありける霍公鳥物思ふ時に鳴くべきものか
私訳 無常な鳥だよなあ、霍公鳥は。私が物思いするときに鳴くだけだろうか。

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今日のみそひと歌 木曜日

2013年05月30日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 木曜日

集歌2857 菅根之 惻隠ゞゞ 照日 乾哉吾袖 於妹不相為
訓読 菅(すが)し根し惻(いた)み隠(こも)るる照れる日し乾(ひ)めや吾が袖妹し逢はずして
私訳 菅の根がたくさん大地に隠れている。その言葉のひびきではないが、わびしく同情してしまう。さて、照る太陽の日で乾くでしょうか。涙に濡れた私の袖は。貴女に逢わないでいて。

集歌2858 妹戀 不寐朝 吹風 妹経者 吾与経
訓読 妹し恋ひ寝(い)ねぬ朝明(あさけ)し吹く風し妹にし経(ふ)れば吾さへに経(ふ)れ
私訳 貴女に恋して眠れぬ夜の朝明けに吹く風が、貴女の住む方向から来るのなら、私にもその貴女からの風を触れさせよ。

集歌2859 飛鳥川 高川避紫 越来 信今夜 不明行哉
訓読 明日香川高川(たかかわ)避(よ)けし越(こ)え来(き)ししまこと今夜(こよひ)し明(あ)けず行かぬか
私訳 明日香川の土手の高い川辺を避けて、たそがれ時にその川を越えて来て、本当に今夜は日を開けることなく貴女の許に行きましょう。

集歌2860 八鈎川 水底不絶 行水 續戀 是比歳
訓読 八釣川(やつりかは)水底(みなそこ)絶えず行く水し続(つ)ぎてぞ恋ふるこの年ころを
私訳 八釣川の川底を絶えず流れ行く水が次々と流れ下るように、ひたすらに貴女に恋しているこの年月です。

集歌2861 磯上 生小松 名惜 人不知 戀渡鴨
訓読 礒(いそ)し上(へ)し生(お)ふる小松し名し惜しみ人し知らえず恋ひわたるかも
私訳 石上の岩の上に生える小松のような貴方の名を慈しみ、ひたすら慕っていることをその御方に知られずに私は恋心を抱いています。

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今日のみそひと歌 水曜日

2013年05月29日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 水曜日

集歌2008 黒玉 宵霧隠 遠鞆 妹傳 速告与
訓読 ぬばたまし夜霧に隠(こも)り遠(とほ)くとも妹し伝へは早く告(つ)げこそ
私訳 漆黒の夜霧に閉じ込められ隠れていて遠くても、恋人への逢えなくなった連絡は早く告げるべきです。

集歌2009 汝戀 妹命者 飽足尓 袖振所見都 及雲隠
訓読 汝(な)し恋ふる妹し命(みこと)は飽き足らに袖振る見えつ雲隠(くもがく)るまで
私訳 貴方が恋している恋人の御方は、貴方との別れに飽き足らなくて袖を振っているのを見える。雲に姿が隠れるまで。

集歌2010 夕星毛 往来天道 及何時鹿 仰而将待 月人壮
訓読 夕星(ゆふつつ)も通ふ天道(あまぢ)をいつまでか仰ぎに待たむ月人(つきひと)壮士(をとこ)
私訳 夕星が移り行く天の道を、年に一度の逢う日をいつまでかと仰いで待っている月人壮士。

集歌2011 天漢 己向立而 戀等尓 事谷将告 麗言及者
訓読 天つ川い向ひ立ちに恋しらに事(こと)だに告(つ)げむ妻し言ふまでは
私訳 天の川に向い立って恋しいあまり、逢えないことだけでも告げましょう。直接逢って、貴女を妻と言うまで。

集歌2012 水良玉 五百部集乎 解毛不及 吾者于可太奴 相日待尓
試訓 みら玉し五百重(いほへ)集(あつ)めを解(と)きも得ず吾(あれ)は行(う)かたぬ逢はむ日待つに
試訳 天空の美しく輝く星がたくさん集まったのを散らすことが出来なくて、(天の川が流れるので)私は出かけることが出来ない。貴女が逢うでしょう、その日を待っているのに。

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今日のみそひと謌 火曜日

2013年05月28日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと謌 火曜日

集歌1126 年月毛 末經尓 明日香河 湍瀬由渡之 石走無
訓読 年月もいまだ経(へ)なくに明日香川湍瀬(せせ)ゆ渡しし石(いし)走(はし)も無み
私訳 年月もいまださほど経っていないのに、明日香川の速い流れを飛び渡っていた飛び石も、もう無くなってしまった。

集歌1127 隕田寸津 走井水之 清有者度者吾者 去不勝可聞
訓読 落ち激(たぎ)つ走井(はしりゐ)水し清(さや)あれば度(たび)しは吾は去(い)きかてぬかも
私訳 岩肌を落ち流れる走井の水の流れが清らかなので、旅路にある私も立ち去り難いことです。

集歌1128 安志妣成 榮之君之 穿之井之 石井之水者 雖飲不飽鴨
訓読 馬酔木(あしび)なす栄えし君し穿(ほ)りし井(ゐ)し石井(いはゐ)し水は飲めど飽(あ)かぬかも
私訳 馬酔木のように女盛りの貴女が手入れをした井戸の、その石井の水は飲んでも飽きることはありません。

集歌1129 琴取者 嘆先立 盖毛 琴之下樋尓 嬬哉匿有
訓読 琴取れば嘆き先立つけだしくも琴し下樋(したひ)に妻や匿(こも)れる
私訳 琴を手に取ると嘆きが先に出る。もしかして、その音からすると、琴の胴の中に妻が隠れているのでしょうか。

集歌1130 神左振 磐根己凝敷 三芳野之 水分山乎 見者悲毛
訓読 神さぶる磐根(いはね)己凝敷(こごしき)み吉野し水分山(みくまりやま)を見れば悲しも
私訳 神々しい磐根がごつごつと折り重ねっている吉野の水分山を眺めると、ため息が出てしまう。

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今日のみそひと歌 月曜日

2013年05月27日 | 万葉 みそひと謌
今日のみそひと歌 月曜日

集歌205 王者 神西座者 天雲之 五百重之下尓 隠賜奴
訓読 王(おほきみ)は神にしませば天雲し五百重(いほへ)し下に隠(かく)り賜ひぬ
私訳 王は神でいらっしゃるので、天雲の幾重にも重なった中にお隠れなされた。

集歌206 神樂波之 志賀左射礼浪 敷布尓 常丹跡君之所 念有計類
訓読 楽浪(さざなみ)し志賀さざれ波しくしくに常にと君しそ念(おも)ほせりける
私訳 楽浪の志賀のさざれ波が、しきりに立って絶え間が無いように、絶えることなく常のことと貴方だけは思われたことです。

集歌208 秋山之 黄葉乎茂 迷流 妹乎将求 山道不知母
訓読 秋山し黄葉(もみち)を茂み迷(まと)ひぬる妹を求めむ山道知らずも
私訳 秋山の黄葉の落ち葉が沢山落ちているので道に迷ってしまった。居なくなった貴女を探そう、山の道を知らなくても。

集歌209 黄葉之 落去奈倍尓 玉梓之 使乎見者 相日所念
訓読 黄葉(もみちは)し落(ち)り去(ゆ)くなへに玉梓し使(つかひ)を見れば逢ひし日そ念(も)ゆ
私訳 黄葉の落ち葉が散っていくように貴女がこの世から去っていったと告げに来た玉梓の使いを見ると、昔、最初に貴女に会ったとき手紙の遣り取りを使いに託した、そんな日々だけを思い出します。

集歌211 去年見而之 秋乃月夜者 雖照 相見之妹者 弥年放
訓読 去年(こぞ)見にし秋の月夜(つくよ)は照らせれど相見し妹はいや年(とし)放(さか)る
私訳 去年も見ていたように、今年の秋の月は夜を同じように照らすけれど、去年の月を二人して見たその貴女は、時間とともに想い出から離れていくようです。

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