本学4年生の特別講演の感想文を読ませてもらいました。この講義は私の部下に神経疾患の理学療法に関する特別講演をしてもらっています。
その講義は、患者さんの手記を読んで考えたことを書くというものです。4年生の多くは、「患者さんの機能障害だけでなく、患者さんの心理的なことも考えることのできる理学療法士になる必要がある」という内容で、その新鮮で熱い感想には感動するもでした。
しかし・・・私の新人PTのことを考えます。私は大学生のころから、「神経疾患に対して適切な理学療法ができるようになりたい」とおもっていました。最初に赴任した病院は、本当に神経疾患が多く、毎日多くの患者さんに接することができました。
でもなかなか思うように改善しないときに、新人である私は、若さを武器にして明るく元気で患者さんと理学療法をさせていただきました。患者さんの喜んでくださりましたが・・・私が「なかなか良くなってくれないな」と思っている患者さんが人生の最後を迎えるときに私に「先生と毎日リハビリできて幸せでしたよ。でも、もう最後と思います。正直、死ぬのが怖いです」とお話いただきました。私はそのとき、24歳、患者さんは60歳くらいと記憶しています。
自分の子供のような私に、心の叫びを伝えていただき、私はなにも話すことができずに、患者さんと一緒に泣いたことを鮮明に覚えています。
その経験から・・・・
「私は、理学療法士、患者さんの障害されている動作を改善することで幸せにしたい。自分の実力のなさを笑顔でカバーすることがないようにしたい。」と考えるようになりました。
学生は、「技術だけでなく、精神的にも改善できるセラピストを目指す」といいますが、・・・それは、間違ったことではないですが
でも・・私は理学療法士 と思う今日、このごろでした。