猪突猛進 鈴木研究室へようこそ

関西医療大学大学院 教授である鈴木俊明研究室の紹介や鈴木が日頃考えている教育・臨床・研究への思いを熱く語ります。

臨床評価実習での質問 

2010-10-07 22:11:13 | 教育
現在3年生が臨床評価実習でがんばっています。
いろんな質問がありました。みなさんにQAで紹介します。


右膝OAの患者さんで右下腿外旋筋筋緊張亢進と右下腿内旋筋筋緊張低下を検査したいのですが静止時筋緊張検査となにをしたらいいでしょうか。
外旋筋は大腿二頭筋で内旋筋は半膜様筋・半腱様筋を考えています。
・・・・・・筋緊張低下は、筋力でも評価できますので、MMTをする必要があります。MMTで正常域と判定したら筋緊張検査です。基本的には静止時筋緊張検 
     査(触診)でよいと思います。
     筋緊張亢進とはMMTでは判定できませんので、最初から触診でよいと思います。
     中枢神経疾患のようにMASは使えませんが、方法は触診と伸張での抵抗感で亢進か否かを決めてください。


実習先で脳梗塞発症2週間の患者を担当症例とさせて頂く事になりました。
月曜日に40分程時間を頂いて、自分の好きな様に評価してみなさい。と言われました。
カルテからの情報は頂いています。
患者は、まだあまり話す事ができず、弛緩期であるため、動作をすることが困難な為、変則トップダウンをしようと考えました。
そこで、まず端座位をとる事を目標にして、そのために必要な筋の筋緊張とROMを評価して行こうと考えています。
・・・・・・・・・・基本的にはそれでよいですが、なぜ、座位かを考えましょう。寝返り、起き上がりはどうなの??というところです。
       もし、リスク管理もできて他動的に座位をとれるならば(SVに聞いてください)、他動的に座位姿勢をととらせてその状態から筋緊張を判断することも
        大事です。姿勢の反応もわかりますしね。


足関節の脱臼骨折をして現在、両松葉で免荷中の患者を担当させていただくことになりました。
この患者さんは若く、仕事復帰を目標にされており、今日は荷重ができるようになったときの問題点の予測をするためにDtestをさせていただきましたが、動作が見れない場合、これからどのように評価を進めていけば良いのでしょうか。また、足関節の術後、術前の画像もいただいたのですがそれをどのように反映させたらよいのでしょうか。
・・・・・・・・・まずは、Dtestは学生の間ではする必要のない検査です。
       どのような基本動作を改善させる必要があるか否かを考えて、それに関連する問題点を考えることが必要です。
       立位保持であれば、立位をとらせることに必要な条件がありますので、たとえば、足関節背屈角度とか筋力ですね。
       他の部位の機能も必要ですね。それを想像して、検査してください。
       術前・術後の画像は問診とあわせて受傷機転やどのように治療されたかわかれば、問題点の予想につなげることができます。


アキレス腱断裂術後約3ヶ月の患者さんを評価させて頂くことになりました。
バイザーの先生からアキレス腱が断裂して、縫合したことで固有受容器の感受性が低下していて、それが1番の問題だと教えていただきました。明日深部腱反射と位置覚検査をさせて頂くつもりです。まだ検査はしていませんが、位置覚はopenでは正常で立位でのcloseで低下しているであるだろうとのことです。この場合レポートでは機能障害はどのように記載していけばいいですか?
・・・・・・・・まず、大切なことは、もし、位置覚の障害がある場合には、CloseよりOpenがわかります。その理由は、Closeは筋収縮をともなうからです。
      筋収縮は固有受容器感覚を賦活させますので、できるだけOpenでおこなうわけです。しかし、Openで正常域であった場合にはどのようなことが考え
      られるかです。体幹筋、骨盤周囲筋の筋力・筋緊張はどうですか? 足底部の表在感覚はどうですか?内側は離れますね。
      運動覚はどうですか?
      また、深部腱反射の異常はそのままでは問題点になりません。筋緊張異常の検査項目として、深部腱反射がありますからね??



運動器疾患で大殿筋の筋力低下が考えられる場合ですが、股関節伸展可動域が全くない場合にはどうしたらよいですか?
・・・・・・・・まず、股関節中間位で空間保持が出来ているかをみましょう。要するに股関節から末梢をベッドの外にだして空間保持ができるかをみたらMMT3が 
      あるか否かがわかりますね。もし、充分にあるのであれば、少し屈曲位で保持させて抵抗をかける方法があると思います。
      検査は教科書では出来ない人にどのようにするか考えなければいけませんね。