隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0694.オレたちバブル入行組

2006年01月27日 | 金融
オレたちバブル入行組
読了日 2006/1/27
著 者 池井戸潤
出版社 文藝春秋
形 態 単行本
ページ数 317
発行日 2004/12/05
ISBN 4-16-323600-7

 

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僕は、バブル期と聞いてもあまりピンとこないのだが、一時期自宅の位置する辺りも、土地の価格が高騰して、固定資産税が上がるのではないかと心配したことがあるくらいで、 他には大して影響を受ける事柄もなかったせいか。

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本書はそうしたバブルの時代に、大手都市銀行・産業中央銀行に入行した半沢直樹を主人公とする銀行サスペンスである。 周知のごとく著者も三菱銀行という大手の都市銀行勤めから流行作家へと華麗な転進をしており、作家活動の他企業コンサルタントもこなす多彩な活動を続けるエリートだ。
そうした著者が著す銀行ミステリーは、どれもフィクションとは思えないリアル感を以って読むものに迫る面白さがある。銀行に限らず、企業の縦割り組織の中では、 時として権力の横暴が、いわれのない圧力を末端の社員に及ぼすことがある。ことの大小の差はあるものの、サラリーマンなら誰しも経験のあるところだろう。 本書は、タイトルからうけるお気楽さの感じとは違う一行員の奮闘振りがカタルシスを味わえるサスペンスストーリーだ。

 


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