隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0080.上を見るな

2000年11月08日 | ハードボイルド
上を見るな
読了日 2000/11/8
著 者 島田一男
   
出版社 光文社
形 態 文庫
ページ数 286
発行日 1988/01/15
ISBN 4-334-70430-1

 

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談社から発行された"書き下ろし探偵小説全集"の1冊の文庫化。
余分な話だが、その当時は講談社の正式名称は、「大日本雄弁会講談社」だったということだ。黒一色の箱入りで、金色の表紙のしゃれた装丁だったこの全集にはいろいろと思い出や、思い入れがあった。
この全集の中には、江戸川乱歩氏の「十字路」や、高木彬光氏の「人形は何故殺される」等が含まれており、小遣いをやりくりして、全巻揃える予定だったが、叶わず、それでも八割方揃えたと思う。が、大分昔のことで総て散逸。

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本書は著者のシリーズキャラクターの一人、南郷次郎刑事弁護士の初登場作品だ。島田氏の作品は会話が都会的で、軽快でテンポの速いしゃれた文章が好きだった。
刑事弁護士が主人公ながら、法廷の場面はなく、専ら行動による事件調査で依頼人の期待に応えるという形式である。

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リー・メイスンのデラ・ストリートのように南郷弁護士にも可愛くて有能な秘書、金丸京子がついており、2人の関係がどうなるのかも興味を引くところである。この作品のタイトルは、連続殺人事件の被害者が上を向いた状態のときに殺されているところから、の警告を意味している。

 

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