隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0499.修羅の夏 江戸冴富蔵捕物暦

2004年07月03日 | 時代ミステリー
修羅の夏 江戸冴富蔵捕物暦
読 了 日 2004/07/03
著    者 新庄節美
出 版 社 東京創元社
形    態 単行本
ページ数 317
発 行 日 2004/01/30
ISBN 4-488-01294-9

 

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戸冴富蔵捕物暦-えどにさえしとみぞうとりものごよみ-というサブタイトルの付いた捕物帳である。
今年1月の刊行だからそれほど古くない単行本を手に入れた理由は、捕物帳ながら安楽椅子探偵だからだ。
東京創元社のメールマガジンで紹介されていたので、古書店かネットのオークションにでも出たら買おうと思っていた。幸い手ごろな価格でネットに出品されていたものを入手した。初めて読む作家なので、期待半分で読み始めたが、若竹七海氏のお勧めの解説文通りの読みやすく、謎解きの時代ミステリであった。

本書で活躍するのは、南町奉行所定廻り同心・門奈弥之助の十六になる娘・お冴と、弥之助の手先・わらび屋清五郎の下ッ引き・富蔵二十四歳。
富蔵は日本橋の水油問屋掛川屋の跡目を継ぐはずだったが、それを義弟に譲って、灯油の行商をしながら、清五郎の下で働いている。
一方、父親の弥之助と二人暮しのお冴は幼少の頃、疱瘡が原因で失明している。実は、この眼の不自由なお冴が富蔵から事件の成り行きや、捜査の行方を訊いて真相解明へと推理を進めるのである。
この二人を初めとする人物設定や、簡潔にして必要十分な周囲の環境描写等が読んで楽しい時代本格推理を作り上げている。是非ともシリーズ化をして欲しいところだ。

 

 

収録タイトル
# タイトル 読み
1 隠居殺卯月大風 いんきょごろしうづきのおおかぜ
2 母殺皐月薄雲 ははごろしさつきのうすぐも
3 後家殺水無月驟雨 ごけごろしみなづきのゆうだち

 

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