霧のソレア | ||
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読了日 | 2014/10/18 | |
著 者 | 緒川伶 | |
出版社 | 光文社 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 431 | |
発行日 | 2010/03/20 | |
ISBN | 978-4-334-74743-5 |
大分ブログの更新に間が空いてしまった。このところ、撮り溜めたテレビドラマを見ることに夢中になって、読書をすることが億劫になりその楽しさを忘れかけている。たまに記事を書くにしても、最近は、というか何時もと言うか、読み終わった本とは関係のない話しか書けなくなっている。
今回もそんなところから始まる。誰しも一つや二つのこだわり、あるいは思い入れがあるだろう。僕に限って言えば、これが一つや二つではないから、多少厄介なところだ。思い立つとそうしたことへのめり込むのが僕の悪い癖で、今やらなければならないほどではないことに夢中になる。
たくさんある思い入れの中に、以前聞いた歌や音楽がある。タイトルとか歌い手の名前もわからないので、もう一度聞きたいと思っても探すのは容易ではない。だからこそ聞きたいという欲求が募るのだろう。
特に気になっていた一つは、まだ10代後半の頃にラジオから流れていたコマーシャル・ソングで、「♪まみむめもりなが・・・」という歌詞で始まる森永乳業のドライミルクの歌だ。
房総の港町大原(現在は町村合併でいすみ市となっている)の海辺で暮らしていたころのことで、毎朝?まだ寝床の中でラジオから聞こえていたことが記憶に残っており、歌と同時に当時の暮らしを―8畳一間の間借りの部屋に家族6人が、肩寄せ合っていた―今考えると、貧しくも幸せだったかも、と切ない思いまでが湧いてくる。
歌と共に想い起すのは、おふくろの朝食の支度をするまな板の音や、みそ汁の匂いだ。
先だってAmazonのミュージックのカテゴリーで検索していたら、そのコマソンが偶然見つかった。
なんてことはない、タイトルは僕がおぼえていた歌の出だしの部分、「まみむめもりなが」そのもので、それに“の歌”とつくだけだった。
歌っているのは中島そのみ嬢(1930年代のことだからまだ若かった)で、彼女は女優さんだが、けっこうそっちこっちのコマソンを歌っていたと記憶している。
Amazonに出品されていたのは中古品で、TSUTAYAのレンタル落ちの中古商品だが外装もキレイな状態で、収録された46曲も昔のレコードと違い、スクラッチノイズもなくきれいな音だ。
僕は、念願かなって手に入れたCDの「まみむめもりながの歌」を何度も聴いて、ノスタルジックな気分を味わった。歌についてはもう1曲思い入れの曲があって、同様にAmazonで見つけたのだが、それについてはまた後日書くことにする。
て本についてだが、光文社の関連部門が主催する、「日本ミステリー文学大賞」の新人賞を受賞した作品だ。テロリストが仕掛けた爆弾の爆発により、飛行中のジャンボ旅客機で機長が死亡する。女性副操縦士・高城玲子(たきれいこ)の活躍場面が展開するのだが…
僕はこうした航空機パニックストーリーを読むと、過去に見たいくつかの映画を想い出す。もうすでにその大半は記憶から薄れているが、各部署のエキスパートたちのアクシデントへの冷静かつ適切なな処置や、メカニックの動作や音がよみがえってくる。
本書の前半で、離陸前の点検の模様や操縦士たちの点呼、整備士の合図、と言ったプロセス、加えて圧縮空気によるドアの開閉の音までが聞こえてくるようだ。航空機とテロと云えば9.11事件というフィクションをはるかに超えた恐怖がよみがえる。しかし本書の内容はそれとはまた違ったサスペンスを味わえる。
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