御宿かわせみ(下) | ||
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読了日 | 2005/2/18 |
著 者 | 平岩弓枝 | |
出版社 | 文藝春秋 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 278 | |
発行日 | 1980/8/30 | |
ISBN | 4-16-362600-X |
上巻のところで書いたが(といってももう3年も前のことになる)、本書はその上巻とともに木更津駅前にあった松田屋書店で1990年頃に購入したものだ。
ドラマ化されたものを見て、原作を読んでみようと思って買ったまま、10年も積んだままにしておいたのは、単にゆっくり読書をするような気持ちに余裕がなかったのである。僕の読書は、目標を立てて読む様になってからでさえ、まことに気ままな読み方をしているから、この様に上巻を読んでから下巻を読むまで3年もおくような始末だ。
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今回はドラマについて少し。
NHKのドラマは、第1第2シーズンを通して、47作が放送され、(前回46作と書いたが誤り)その後10年ほど前に、再々放送だったか?BS2で放送された時、ビデオに録画して殆どの作品を保存しておいたのだが、VHSテープが場所をとるため、つい廃棄処分してしまったのだ。その後あることがきっかけで、平岩ドラマを見直すことになり、テープを捨てたことを大いに悔やむことになる・・・。
本作は民放でもシリーズや、単発で何度かドラマになっているが、なんと言っても最初(正確にはTBSの日曜劇場枠で制作された「秋の蛍」(若尾文子、仲谷昇主演)が最初のドラマ化)のNHKドラマのキャスティングがあまりにもはまり役で好演だったため、それほど話題にならなかったと記憶している。NHKでも2003年になり全く新しいスタッフとキャストで、再びドラマ化されて、8話が放送された。昔と違い今では番組のホームページも完備され、掲示板では、視聴者の番組に対する意見がリアルタイムで、賛否両論渦を巻いたが、否定的な意見は、先のドラマの印象が残っており、新しいキャスティングに馴染めないという人が大半であった。それほど初回のドラマが良かったということか!
さらに2004年には前年に続き同じスタッフ、キャストで第2章と称して続編が10話放送された。今度は大分新しい視聴者の意見も増えて、番組に対する評価も好意的なものに変わっていたようだ。
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さて本書を買った頃は、僕もまだ現役でもあり、本は単行本で買うことが多く、この本も単行本なのだが、その帯には、惹句の終わりに〈完結編〉となっている。この作品集(上巻も含め)は、昭和48年から52年にかけて小説サンデー毎日に随時掲載されたものらしいから、本書が刊行された頃には、物語が今日までも長く続けられるとは、考えていなかったのだろう。現在は、およそ何話くらいが書かれているのだろう?平成13年2月号のオール読物に掲載された「辰巳屋おしゅん」というエピソードが222話目だというからそれから年5話としても240話を超えているだろう。
捕物帳というよりは、どちらかといえば人情話といった形式が多いが、江戸時代の末期を描いた大河ドラマのようだ。本書上下卷合わせて33話が収録されておりいずれもドラマのほうを先に見ているので、初めて読むような気がしない。しかし平易な文章で、何気なく描かれた人情の機微には判っていながら泣かされる。ドラマとの相乗効果?だろう。江戸時代を背景に捕物帳と名づけられた物語は数限りなくあるようだが、先駆けとなったのは、何と言っても岡本綺堂氏の「半七捕物帳」だ。二番手は野村胡堂氏による「銭形平次」か。だが、本作はその2作に負けず劣らずの質量と人気を誇っている。
今回本書を読みながら考えたが、NHKで放送されたドラマを思い起こし、ドラマが好評だったのは、勿論原作が優れていたからに他ならないが、同時にこの原作の持ち味を生かした脚本も秀でていたからなのだと思った。その上で、演ずる役者や、それを支えるスタッフが脚本や原作の行間に潜む味までもかもし出すうまさが加わり、見ごたえのあるドラマを形成しているのだろう。ドラマも映画と同様総合芸術だから、どれがかけても見るものを感動させる作品は生まれない。(と思う)
近頃量産されるミステリードラマ(と称する)を見ると、ドラマ作りの原点に立ち返って欲しいと思うものが多すぎるような気がする。ちょっと理屈っぽくなったか?
# | タイトル |
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18 | 江戸の初春 |
19 | 湯の宿 |
20 | 桐の花散る |
21 | 水郷から来た女 |
22 | 風鈴が切れた |
23 | 女がひとり |
24 | 夏の夜ばなし |
25 | 女主人殺人事件 |
26 | 山茶花は見た |
27 | 女難剣難 |
28 | 江戸の怪猫 |
29 | 鴉を飼う女 |
30 | 鬼女 |
31 | ぼてふり安 |
32 | 人は見かけに |
33 | 夕涼み殺人事件 |
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