隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1556.ミステリー中毒

2015年10月24日 | エッセイ
ミステリー中毒
読 了 日 2015/10/10
著  者 養老孟司
出 版 社 双葉社
形  態 単行本
ページ数 301
発 行 日 2000/07/10
ISBN 4-575-23389-7

 

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日この記録をアップロードする予定が一日ずれた。ほかの雑用に紛れて、記事を投稿したと錯覚してしまったのだ。そんなことは日常茶飯事なのだが、ここ2か月ばかりは、一日おきにブログを更新しているので、忘れたことがちょっと不思議な気もする。
自分の中ではまだ若い気持ちを持ち合わせているつもりが、やはり歳には勝てないのか。せいぜい物忘れがひどくならないよう気を付けるしかない。

昨年のいつだったか(いや今年だったか?)、本当にしばらくぶりで神田の古書店祭りに行ってきた。若いころ僕が散々通った頃とは風景が変わったような気もしたが、何しろ半世紀以上も前のことだから、風景といっ てもはっきりと覚えているわけではない。
古書店祭りのせいだろう、人通りも多く歩道にテントを張って、店を出しているところも結構あって、祭りの気分が盛り上がる。僕の古書店巡りは珍しい本を探すわけでも、初版本を探すわけでもない。見るだけといったことが多いのだが、それでも雰囲気に酔って、余分な買い物をしないよう(もっとも金もないが)、気を付けなければ!。
しかし、そうはいっても何かしら見つければ、買わずにはいられなくなるのが僕の本性だ。一軒のというかそのテントの店を出している向かいの古い店で、ワゴンセールの単行本の中に本書と田村隆一氏の「書斎の死体」(アガサ・クリスティーの著作を思わせるようなタイトルだ)の2冊のエッセイを見つけた。
2000年と1978年発行の古い本だったが、外観はきれいで300円と200円という価格だったから、このくらいはいいだろうと、買い求めたのである。

子供と同じで、買い物を済ませたら後は用無しと、昼食をとる食堂を探しに行く。だいぶ昼食時を過ぎていたから、探し当てた食堂はすいていた。自宅での食事と同様に軽い食事をとって、お茶の水から電車に乗る。

 

 

昔は、何とか安く買おうと、古い探偵小説を捜し歩いたものだ。今よりもまだまだ知らない本がたくさんあったものだから、すぐには買えないまでも根気よく見て回ったものだ。あの頃の情熱は何だったのだろうと、今はちょっと不思議な気もするが、若さとは無限の可能性やバイタリティにあふれているものだと感じる。
テレビなどでもたまにお目にかかる養老孟司氏は、一時期「バカの壁」という著作で、テレビにも出演しておおいに世間をにぎわせたが、この解剖学の教授がミステリー好きだったことにちょっと意外な気がした。
でも解剖といえば検死にも関連するから、ミステリーに興味を持つのは当然のことか? いや、そう言えば学者の中には、ミステリーファンが多くいるらしいということを、どこかで聞いた気もする。単に僕の認識が足りなかったのかもしれない。
田村隆一氏にしても詩人で、ミステリーの大家ともいえるではないか。世の中には様々なミステリーファンがいることを忘れてはいけないか。

 

 

かしこの養老博士のエッセイは、実にいろいろな角度からのミステリーに関するエッセイで、面白い。
養老先生の読むミステリーはみな海外作品で、翻訳物もあるがほとんどは原書らしい。原書と言えば、高校時代クラスメイトに英語の達者な友人がいて、僕のミステリー好きを知って、アガサ・クリスティ女史の「Loed Edgware Dies」(エッジウェア卿の死)のペーパーバックを読めと言って、貸してくれた。
英語は得意でなかった僕も、彼の友情?に感謝する気も手伝って、辞書片手に数日かけて読んだことを思い出す。友人はほかにもクリスティ作品を、いくつか面白いといって読んだようだが、僕はそれ以来原書を読む機会はなかった。
だから、養老氏のように片っ端から原書、翻訳を問わずに読める人が羨ましくもある。まあしかし、今の時代主だった作品については、優秀な翻訳家の訳書が出ているから、全く不便は感じない。というのが負け惜しみでない本音だ。

養老氏の旺盛な読書量や、その作品や作者に対する薀蓄に面白さを感じて、あっという間に読み終わってしまうという感じだ。が、36篇にも及ぶエッセイは、短いものから少し長めのものまで、どこから読んでも面白く読めて、まあいろいろと多種多様な海外ミステリーが出てくるから、もう少し早く知っていれば本選びの参考になったと思うと、少し残念な気もする。

 

 

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