民主党政権 失敗の検証

2024-05-16 19:06:46 | Book
民主党政権崩壊を感情論や偏見、決めつけではなく、事実に基づいて丹念に分析している良本。日本ではやってやりっぱなしで失敗を分析する文化に欠けるが、なぜ失敗したのかを冷静に振り返ることがいかに大切なことか。

本書でも指摘されているが、民主党崩壊の大きな理由は
・実現不可能なマニュフェスト
・稚拙な党運営と、党首の暴走
・そもそもが水と油の小沢と反小沢勢力
にあり、これらは相互に作用してにっちもさっちもいかなくなってしまった。

その背景となったのが、もともとは新自由主義に基づく党だったが、自民党が小泉改革で新自由主義に舵を切ったがゆえに、それに対抗するために小沢主導でバラマキ政策で自民党から支持基盤を切り取って政権を奪うことに成功したが、党の理念に矛盾が生じて迷走してしまったという指摘が鋭い。

しかし、鳩山が普天間基地問題を持ち出さなければ、政権を運営しながら少しづつ学習して軌道修正できた可能性もあるので、政治の世界で『一寸先は闇』とはよく言ったものだと思う。

 
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