なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腸閉塞

2015年12月07日 | Weblog

 気管支拡張症で在宅酸素療法を受けている67歳男性は、直腸癌・肝転移・肺転移もあるが、手術できず過観察になっていた。昨日から腹痛・腹部膨満感が続き、今日救急搬入された。腹部単純X線で小腸の拡張があるが、大腸は拡張していなかった。直腸癌そのものによる閉塞で起きたわけではなかった。腹部手術の既往はない。腹部造影CTで内ヘルニアは指摘できなかった。腸間膜動脈の閉塞もない。小腸自体の絞扼性腸閉塞を疑ったが、明らかに絞扼性とはいえなかった。癌の腹膜播種や非閉塞性腸間膜虚血が考えられたが、画像のみではわからない。

 外科医に相談したが、なにしろ低肺機能で癌の進行状況から、手術はできないと判断されて経過をみていた方だ。イレウスチューブで保存的に明日まで経過をみて、改善しなければ開腹することになったが、相当な命がけの処置になる。身寄りがなく、直接本人に訊いて決めるしかない。外科医が厳しい病状であることを伝えた。手術が必要になるかもしれないが、手術すれば人工呼吸管理のまま死亡する可能性が高いがどうするかと訊くと、先生の好きなようにしてくれと答えた。

 

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