なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

groove pancreatitis?

2014年07月05日 | Weblog

 一昨日、63歳男性が心窩部痛・背部痛で受診した。過去3回アルコール性急性膵炎で入院していて、昨年は2回入院していた。膵に石灰化(膵石)を認めるので、アルコール性慢性膵炎の急性増悪ということになる。前回入院していから禁酒していたが、今年の5月に送別会で飲んだ。ふだん気管支喘息で通院しているクリニックを受診して処方を受けたが、入院にはいたらなかった。今回も先週の土曜日に泊まりがけの送別会で飲酒した。どのくらいと聴くと、色々飲んで量は覚えていないという。その後、火曜日から腹痛が出て持続するため木曜日に受診したという経緯だった。

 血清・尿アミラーゼの上昇を認めた。白血球数は正常域で、CRPは1.6と炎症反応自体は軽度だった。造影腹部CTで膵頭部の腫脹と主膵管の拡張があり、膵石は前回より大きさと数が増加していた。主膵管は尾部まで拡張している。それよりも十二指腸が下行脚から水平部にかけて全周性の壁肥厚を呈していた。内腔が狭窄している。放射線科の読影はgroove pancreatitis?だった。確かにそうだ。ただし、総胆管は拡張していなくて、肝機能障害もない。翌日の採血でも血清ビリルビンは上昇してこない。土日はそのまま絶食水分のみで経過をみて、月曜日に症状と検査結果か改善していれば、食事を開始することにしていたが、十二指腸の腫脹が改善しているかどうか確認する必要がある。上部内視鏡検査を行うことにした。

 とりあえず、groove pancreatitisの国内に文献を少しダウンロードした。上部消化管内視鏡検査と上部消化管造影検査で、十二指腸下行脚の狭窄像が記載されていた。狭窄と炎症が改善せず、手術になった症例もあった手術といっても膵頭十二指腸切除になってしまう。保存的にに治ってほしいものだ。

 

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