散歩者goo 

タイトルのgooは、同名のHPやブログと区別の為付けてます。HPの「散歩者」はこのブログ筆者の私とは全く無関係です。

「視覚の現場」と橋下府政

2011年10月24日 20時02分10秒 | 美術・工芸・デザイン・建築
「視覚の現場」10号が、関西の書店や画廊で販売されている。(500円)冒頭の3篇は、独裁発言した橋下府政の文化行政の実態を現場の視点から問いかけている。文化に関心のある方には是非お勧め。(3篇の執筆者:高橋亨、橋爪節也、天野和夫)

以下要約ですが正確さにかけるかもしれませんので、詳細は「視覚の現場」10号を参照ください。

高橋氏は「美術館をもっとつくろう」というタイトルで、6月20日の「美術館は、4館も必要ですか?」という大阪発行の産経新聞朝刊のコラムに対する批判から始まっている。美術館を、商品を扱う百貨店と同列に捉え、近代美術と現代美術の質の違いも分らずに批判するマスコミを批判し、これから作ろうとする大阪市立近代美術館の必要性を説いている。
(国立国際美術館は現代美術が中心の国立の美術館で大阪市の所有ではない。大阪市立天王寺美術館は中国・日本の古美術と貸し会場。サントリーミュージアムは映像中心の為改装に8億5千万円かかり、近代美術館として不適切との、外部委員会の評価が出ているという。)

橋爪節也氏は「独裁を主張する政治家の登場と 森村泰昌の<なにものかへのレクイエム(独裁者はどこにいる)>というタイトルで、冒頭に森村泰昌氏の上記作品に触れ、翻って「独裁」発言の橋下氏の政治姿勢を批判し、それを無批判に流すマスコミを翼賛会的と批判する。そしてやはり6月20日の記事に触れ、維新の会が「このクラスの美術館は、都で作ればよい」という趣旨のコメントに対し、府の美術館計画の挫折、児童文学館の廃止、センチュリー楽団への補助金カット、現美センターの移転遅れ、等の実態から、府の文化行政への姿勢と可能性に疑問を投げかけている。

天野和夫氏は、「大阪府とのパートナーシップを続けて28年――その出会いから別れまで」というタイトルで、今年で最終回になる「画廊の視点」の経緯をつづっている。「画廊の視点」は名称の変更はあるものの、毎年開かれていて、「第一回大阪現代アートフェアー」から数えると28回目となるという。その間の大阪府のトリエンナーレ開催を含む美術行政の裏側を明らかにし、ノウハウを持たない「官の論理」を批判している。そして大阪府の文化行政に対し美術の現場にあるものとして、怒りと落胆を持って、「ギャラリズム」を終えると述べている。(ギャラリズム:10月31日から11月12日まで 10:00-18:00ただし11/3・11/5は16時  11/6休み 11/12は15:30 大阪府立現美センター)
コメント (1)