Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

井上雅之「光のかたち、その変容」展

2014年02月27日 11時05分52秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
         

 昨日訪れた、井上雅之「光のかたち、その変容」展で、短い時間であったがお話を伺うことができた。
 はじめの二枚は水の紋のイメージであるとのことであるが、私は勝手に宇宙の星の楕円軌道のイメージを頭の中に作り上げてしまっている。
 回転する強烈な磁場、ひょっとしたら表現されていないが上から下へ、画面の向こう側に力の作用が突き抜けていくイメージといったらいいのだろうか。そんな力を連想させてくれる楕円の重なりが気に入っている。
 赤と紫の楕円のズレがいい。これに着目するとこれは水面の波紋のイメージというのが理解できる。赤と紫の配合もいい具合に思える。とりわけ白い線とうっすらと浮かぶ黄色い線が美しい。

 後の2枚は朱の色が目に飛び込んでくる。なかなか刺激的だ。宇宙から飛来して人体も通り抜けていく光や宇宙線のイメージと思われる。白と朱の面の割合も惹かれるが、やはり白い線がこの二つの作品のポイントに見える。生きている生命体のイメージ、暗喩のような気がしている。画面の表面を不規則に、しかし一定のリズムをもって、何か意志を持つもののように動いている。
 うかがったお話の中で、黄色にポイントがありそうだ。描くうえでも最初にこの黄色の線というかポイントを描くとのこと。発色に苦労されているとのこと。そして色による遠近感というお話を伺った。
 色による遠近法という言葉を聞いて、何かとても大事なことを聞いたような気がした。確かにこの黄色ないしオレンジに近い色合いが画面に厚みを与えている。
 遠近というと、空気遠近法とか線遠近法しか知らない私にはビックリした。しかし寒色と暖色の配合などでさまざまな錯覚が生ずることなどを教わっている。それを応用すれば確かに画面上での工夫があると思った。
 ひょっとしたら具象の絵画でもそういう見方ができるかもしれない。今度絵を見るときにはそこもポイントで鑑賞してみようと思った。


井上雅之展[光のかたち、その変容]-雁皮紙によるコラージュ-
3月1日18時まで。銀座線銀座駅、松屋前井上商会ビル3階井上画廊にて。



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3 コメント

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なかなかです (通りがかり人)
2014-02-28 16:28:53
一枚の画用紙から、何かがにじみ出てますな。絵とは不思議な行為なんですな。なかなかの楕円ですな。絵もいいですが、なかなか的確なことを言っているような気がします。絵については音痴なので、そう思っただけなのですが。お疲れ様でした。
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氏の心のどこかに (通りがかり人)
2014-02-28 16:35:47
少年時代の天体望遠鏡とか、星座盤とか、宇宙に対する永遠あこがれの存在を感じていましたが、今回の絵も、そのこととつながっていますか? それとも別の観点からの感想ですかな? なあんちっち。
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通りがかり人様 (Fs)
2014-02-28 16:52:17
間違いなく繋がっています。遠い宇宙にある銀河系の回転するイメージ、人間には想像するのが困難な途方もない物理的空間を構成している星々、不可思議な磁場や重力場を形作っている空間、そこに飛び交う認識不能な粒子などなどのイメージをこの作品から受け取っています。
作者は楕円のイメージは水面の紋からとおっしゃっています。私がそのようなイメージを受けたといったとき、特に否定はされませんでした。
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