Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

恋の歌ときりえ

2017年03月18日 18時47分21秒 | 読書
   

 本日図書館でふと手に取ったのが「安野光雅きりえ百首-俵万智と読む恋の歌より-」(NHK出版)。なんとなく若返ったつもりになってパラパラとページをめくってうちに借りてきた。
 私などよりは上の世代には懐かしい作家も並んでいる。

 私の眼に最初に映ったのが、次の歌。
★美しき誤算のひとつわれのみが昂ぶりて逢い重ねしことも   岸上大作
 この一首に添えられたきり絵がなかなかいい。歩道橋だろうか、跨線だろうか、はたまた駅舎の階段だろうか。半分欠けた月が似つかわしい。



 もう一首は、巻頭の一首。
★全存在として抱かれいたるあかときのわれを天上の花と思わむ   道浦母都子
 この一首には花が溢れている。そして結局は女性の気持ちは男には永遠に謎であるようだ。



 当分は若返った気分でこの本とお付き合いをしてみよう。



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4 コメント

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なつかしい (shiseian1130)
2017-03-19 05:39:57
岸上大作とは懐かしいね!切り絵もシンプルで和歌の鋭さと相俟っていますね。こう云う本を造ってみたいですね。道浦母都子さんは2015年8月30日のあの熱い夏の国会包囲網の時一緒にデモをした後みんなで有楽町の中華料理屋で夜中の12時ごろまで話し込み、おかげで最終電車に乗り遅れるところでした。歌人としては激しい方ですが、通常は面白く当日は大阪へ帰るはずであったが2回も新幹線を取り直していましたが、結局最後は電車が無くなり東京に泊まりました。2人とも歌人として、「青春」に対して想像を超えた激しいものを感じます。
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われのみが昂ぶりて (通りがかり人)
2017-03-19 07:20:10
この歌はいいですな。この絵の下り階段と、すごくマッチしていて、わたしもよく誤算しました。えっ、今も、‥いまはご破算になりにけり。なんちって、いい本、ですな。管理組合は大変そう。からだ大事にされよ。
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shiseian1130様 (Fs)
2017-03-19 13:00:15
道浦母都子さんの歌では
★催涙ガス避けんと秘かに持ち来たるレモンが胸で不意に匂えり
★炎あげ地に舞い落ちる赤旗にわが青春の落日を見る
などを多くの人がじっと噛み締めましたね。
「無塩の抒情」は、俵万智、寺山修司に次ぐ売り上げでした。
岸上大作も
★花かざる明日ねがわねばこの坂は鋭し<よし子>のなかなる女
などに惹かれました。
自治労の文芸賞の選者を道浦さんは勤めています。以前に俳句で応募しましたが、まったく引っ掛りももしませんでした(T_T)
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通りがかり人様 (Fs)
2017-03-19 13:02:57
御破算とはとても思えませんが‥。
誤算するのは間違いなく「男」の方だと思っていましたが、そうではないのでしょうか。
間違い人生と悔やみ続けるのはさびしい。
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