その2   『会員施設障害者虐待事件に係る検証活動等の報告書』発行

2017年07月15日 | 日記・エッセイ・コラム

 私がその代表を務めている協会組織(一般財団法人 山口県知的障害者福祉協会)の会員事業所での利用者虐待がテレビ報道により発覚して2年余りが経った。
 このたび2年かけて事件の検証結果を報告書として冊子にまとめることが出来た。自分たちの身内のことを自ら褒めるのはいかがなものかと思うが、事件報道後、組織内に立ち上げた人権・倫理委員会を中心にして事件の徹底検証に力を注いで来た我が組織は、よくやったと思う。
 報道直後、組織内外からの委員による人権・倫理委員会を立ち上げ、およそ2ヵ月の準備ののち、当該事業所への立ち入り調査、当該法人の責任者を始めとした管理者、職員、利用者、保護者、当該行政関係者等への徹底した聞き取り調査。各種書類の閲覧、協会組織内の会員施設・事業所の全職員(約2,500名)への「不適切な支援に関する意識調査」の実施(回収数1,701、回収率約68.6%)、その結果分析。そして検証結果の分析、総合的考察、人権・倫理委員会委員の見解、障害者虐待防止への提言、事例紹介等々。
 この『会員施設障害者虐待事件に係る検証活動等の報告書』が全国の障害者施設・事業所で障害者虐待防止・根絶に役立つことを何より期待している。
 ここ10年に亘り、我が協会の支援スタッフ研究会を中心に、障害者の人権問題や成年後見制度、障害者虐待問題等に関して、真摯にまた熱意を持ってご指導いただいている○○弁護士のご尽力もあり、今後の早い時期に、私たちは山口県内の知的障害者に対する虐待を防止することを目的として、山口県弁護士会と連携・協力に関する協定を締結する予定である。○○弁護士への感謝の思いは言葉では言い尽くせない。
 これからが大事だ。
 私たちはこれからも社会に開かれた組織として、社会に問いかけながら、与えられた使命を全うしていきたいと思う。

 
 このたび社会福祉法人さつき会のホームページを開設しました。皆様に親しまれるホームページ作りに努力いたしますので、是非、ご意見ご感想をお寄せください。ホームページへのアクセスは下記へお願いいたします。
  アクセス ⇒ http://satsukikai-oshima.com/
  なお、ホームページ内のさつき園のページからこのブログ『園長室』を覗くこともできます。


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その1   「○○さん」「□□さん」と呼び合おう

2017年07月15日 | 日記・エッセイ・コラム

 きっと彼らは、自分が働いている施設の利用者である障害者の名前を、「○○!」「おい、○○!」と呼び捨てにしていたと思う。例え、表向きは「○○さん」と呼んでいたとしても、裏では「おい、○○!」と利用者の名字か名前を吐き捨てるように呼んでいたと思う。
 彼らとは、一人は津久井やまゆり園での入所者殺傷事件の犯人。もう一人は、この13日に利用者死亡事故が起きた埼玉県上尾市の障害者施設で働く彼らだ。
 言葉遣いを軽く見てはいけない。思いは言葉に出る。そして態度に出る。
 だから、言葉遣いを改めれば、態度が変わる。そして関係が変わる。
 名前の呼び方はその最たるものだ。
 利用者と職員、お互いに「○○さん」「□□さん」と呼び合おう。
 神奈川県相模原市の津久井やまゆり園での入所者殺傷事件から1年が経とうとしている。
 そんな時、「利用者虐待だ」と言いたくなるような事件が起きてしまった。埼玉県上尾市の障害者施設の朝の利用者送迎便の車内で、19歳の男性利用者が熱中症で亡くなっていたのだ。何と、送迎便の園到着から発見まで約6時間半もの時間が経っていたという。送迎担当の運転者や添乗員は何をしていたのだ。どうして車から降りていないことに気が付かなかったのか。報道によると、昼食時に彼がいないことに気が付いた職員もいたというのに、どうして他の職員とそのことを確認しなかったのか。何をやっているんだ! おそらく施設内、職員間に職務のマンネリ化や上司や先輩職員へのあきらめがあるものと思う。そこでの職員間、利用者間、そして職員と利用者のお互いに対する言葉遣いはどうなのだろうか。気になる。
 送迎便には運転者と添乗員が乗ることと定めてありますと言っていても、実行することがなければ形だけのことで、詐欺行為ではないか。報道によれば、その日は特別支援学校の生徒の受入れがあり、運転者一人だけで送迎を行ったという。
 だから? だから何だというのか。
 私の怒りが収まらない。
 

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