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トロトロ層の続き

2009-08-04 04:14:03 | 稲作
2009年の6月7月は例年の日照が半分である。気温も低め。もし、8月もこの調子だと稲作に影響が強まる。今からでも夏らしい天候になればいいのだが。昨日は大豆を定植した。8月3日になっての定植だから少々遅い。大豆の会の為に準備したあまり苗なので、実験と思ってやって見る。270本ぐらい植えた。1本100グラムとして、27キロがトラタヌの目標である。
トロトロ層を引き続き考えてみたい。ぐるぐる周辺を巡ってばかりいて、一向に核心に近づけないのは、核心がわからないからである。周辺を固めれば何が分からないかが、つかめるかもしれないと思っている。トロトロ層は実はふわふわ層であると前回も書いた。10ミリ程度の土が、指で触ると、煙のように舞い上がる。柔らかく、すべすべ。多分、かなりの部分が生き物の糞で出来ている。表面はミジンコが先ず発生して、噴火口を沢山作る。次にイトミミズが出てくる所もある。ミジンコを追うように、大量のおたまじゃくしや、水生昆虫が大繁殖をする。田んぼに水を入れて、早ければ3日目、遅ければ10日目辺りに形成される。但し代かきで物理的に作り出す、トロトロ層は違う。抑草効果は似たものがあるようだが、微生物と小さな生き物たちで作り出す、フワフア層は違う。

何故か、生き物が湧き出すように発生する田んぼと、全く人っ子一人いない田んぼとがある。何故いないかは、多様な原因があるとしかいえないが、発生する要因は少しづつ見えてきた。一番は腐食質である。土壌の中に腐食が多くないと、生き物は出てこない。腐食にも様々な状態があって、長年の蓄積による腐食の量が大切。さらにその年の冬に育てた、腐食予備軍とも言える。緑肥の存在。藁は他の理由もあり、田んぼに入れない。理由は、田んぼ雑草はイネ科の腐食に反応する可能性がある。稲藁には越冬する昆虫、稲にとってまずい昆虫が多数存在する。緑肥は多いいほどいい。多ければ多いほどいい。外から、落ち葉や、草堆肥を持ち込むのも同じようにいい。緑肥は枯らしてから漉き込んだ方がいい。以前は生がいいと考えていたが、枯れていた方が、総合的にいいようである。土の腐敗とか、生き物の発生とか。

これだけで、トロトロ層ができるかと言えば、完成された土壌なら起こるのだろうが、一般には、発生のスターターのようなものを、加えてやるほうが無難である。これが、米ぬかや、油粕や、ソバカス、と言う事になる。散布は田植え直後がいい。もちろん事前のそこまでの準備もある。先ず緑肥を充分に育てるために、田植え直後に蒔くものがソバカスなら、ソバカスを冬にも、緑肥が育つように撒く。これは緑肥によって、タイミングが難しい。散布量は障害のない最大量を考える。1反100キロを二度程度か。田植え直後に蒔くのは、早く生き物を発生させたいからだ。生き物の引き金のエサになる。土が発酵型になっていれば、これも規定が難しいが、米糠をまいても腐敗方向に行かない土壌の型になっていれば、かなりの量、100キロを蒔く事ができる。緑肥も大量に漉き込む、ソバカスも入れるで、肥料が多すぎないかは、土壌の状態による。あるいは気候による。暖かい所では違った問題が出てくる。

代かきは田植えの前日に行う。水入れからの日にちを短縮したいからだ。浅い代かきを心掛ける。出来る限り浅く、できる限り丁寧と言う、矛盾した代かきを行う。畦塗りも丁寧に。水持ちが悪い田んぼだが、減水深をせめて50ミリぐらいを目指したい。生き物の発生には、水温が影響するからだ。ともかく田植え後は水を暖める。1週間は流しださない。この頃の入水温は16度。23度以上に上げないと駄目。だから田植えも可能な限り遅らせたい。今の時期の入水温で18度。入水口の保温水路のお陰で、20度で入水している。下の方の平野部の田んぼなら、早めでも大丈夫。田植えと同じ日に、水をしっかり張ってから、ソバカスが表面全てを覆うように、丁寧に撒く。このときから深水である。だから苗は大きくなければ駄目。田んぼも出来る限り平らでなければ駄目。長くなったが、さらに続く。
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