林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

2007-01-31 | 高麗便り

 
 市会議員の選挙が近いのか、やたらに顔写真のポスターが増えた。
みんなにこにこと、県知事や国会議員と握手していて、こっちが笑ってしまう。
もっと別の手、考えられないの?。
石頭、化石のような狸議員なら仕方が無いが、若手まで同じだから困ったものだ。

 顔写真ポスターの中で、特に幼い顔が出てきた。
特に若い「候補者」は、あまりにも頼りない顔で、オイオイ頼むぜ、ダイジョウブかい?、と思ってしまう。
 森男は頭から馬鹿にしていたら、なんと近所のお兄さんだ。大学を出たばかりのようである。この子の抱負や「プロフィール」を書いたちらしが郵便受けに入った。家族に囲まれて、滑り台の上でお手々をふっている記念写真付きである。流行の仕事も少し体験している。
 ご他聞に漏れず、この子も「福祉」を掲げている。この福祉や環境や人権が曲者である。
誰もが反対出来ない。しかし候補者にとってのこれらの言葉は、ほとんど中身が無い。「美しい国」と同じである。

 近所の子だから、市会議員程度に出るなら、露店の骨董品市長の家来になってしまった近所の古狸に変えて、応援してやりたい。
しかし、これまでの市の仕事で何を止め、何を始め、財政状況は良いのか悪いのか、等々について、幼いなりに考えを示して貰いたいものだ。
 本当は、もしやる気があるなら、もう少し実社会を体験してから出てきて欲しい。議員になってから、実際の政治や行政を勉強するなら、給料を返上してくれ。
幼い人が、今の市議会議員の仲間に入れば、簡単に狸顔に染まってしまいそうである。
 もっと、苦労をして、頼れそうな顔になってから、立候補して貰いたい。
そのためには、家族から自立しようよ。

 そのまんま東が東国原知事になって、いい顔になった。
TVで見る限り、発言はまともで、好感が持てる。態度や風采は田中ヤッシーよりずっといい。案外上手くやるのではないか。

 昔から 「男の顔は履歴書で、女の顔は請求書」 という。
これ、柳沢伯夫の「箴言」です。


目標

2007-01-31 | 高麗便り

  川端康成書 川端康成記念会蔵

安倍さんの「美しい国」は優れた目標である。
色々に解釈できて、老獪である。また、ロマンチックでヨンさま好みでもある。
川端康成先生も脱帽だろう。

わが町、清流文化都市の先生たちも、安倍さんに負けず劣らずの目標を掲げて、ご活躍しようとしている。
惰眠を貪っているとか、水面下で暗躍中とか言うのは、無礼千万な言いがかりである。
町を歩いて目についた、先生方の目標を紹介する。

 ・文化の香り高いまちにしたい
 ・日高のビタミン
 ・「ふ」だんの「く」らしの「し」あわせ を実現するために
 ・高い福祉 良い環境
 ・ゆとりと豊かさのある街づくり
 ・実績そして挑戦
 ・市長 県議 知事「信頼と実務」 新たな流れで日高市づくり

十二分以上に正しく働いているから、政務調査費の返上や領収書提出など次元の低い目標は、決して掲げない。
立派な先生たちが頑張っている。先が楽しみだ。
長生きしよう。

                  ▲旧川端邸の掛軸の部分(芸術新潮2月号掲載頁から切り抜き)


待てVista

2007-01-30 | じゃじゃ馬馴らし

  金剛力士像吽形 興福寺蔵

VISTAの発売を待って夜中から行列が出来た、とTVが騒いでいる。

森男の買ったばかりのパソコンをONにしたら、いつもの画面でなく、全部英文の画面が出た。中学生英語で判読すると、トラブルが起きたのでああせい、こうせいと書いてあるらしい。
訳が分からないからOFFにして、もう一度ONにしたら、今度は日本語の画面が出た。
しかし、何をどうするのか、指示がさっぱり分からない。
しばらく放っておいたら、自然にいつもの画面になったり、「深刻なエラーから回復しました」と出て、深刻な事故の理由が3行列記してある。
読んでも意味は不明の日本語である。
更に、この説明が役に立ったか、間違いか、分からぬか、回答をMS社に送信せよ、とあり、追加意見記入枠が出た。
当然「いい加減にしなさいよ」という意見を記入して、送信ボタンを押したら、「ページが開けません」というHP行方不明の画面が出た。
2回試したが送信出来ない。
結局、何も書かないで送信ボタンを押したら、やっと送信できた。
始めから、顧客の意見など聞く気は無いのである。

TVによると、VISTAの機能はXPより格段に進化した、とロクに使いもしないのに見栄を張って、MS社の提灯を持っている。
森男はパソコンを弄りながら、音楽を聴いたり、TVを見たり、時計を見たり....、というようなパソコン漬けのミジメな生活をしようとは思わない。
今までの機能をもっと使い易く、専門用語を統一したり、ヘルプを分かりやすい日本語に代えれば十分だ。
MS社は進化の袋小路に嵌っている。一般に使うパソコンやソフトは、そんなに欲張った機能も、進化の速度も要らない。MS社は独占的な地位を謳歌して、世界中を、自社の奴隷にしようと企んでいる。
こういう恐竜企業は早く絶滅した方がいい。

今度の「深刻なエラー」は、VISTAに買い換えさせるための、脅迫ではないかと邪推している。
XP新発売の時も大騒ぎで行列が出来たが、昼過ぎには山積みの売れ残りがあった。
VISTAを買うのに、徹夜で行列する馬鹿はいないはず。並んだのはヤラセである。
「あるある」を叩いているマスコミは、知っていて尻馬に乗っている。
または毒饅頭を食らわされているのである。
MS社の爆走を止める「手」は無い。


従兄弟の家

2007-01-29 | 遠い雲

  谷戸にあった従兄弟の家

同い年の従兄弟の家は、母の生まれ育った家である。
子供の頃はよ出かけたし、泊まることも多かった。
昨年の春、叔母が亡くなって葬式に行った。50年ぶりの従兄弟の家をなかなか探せなかった。
あたりは田畑だった。しかし今は家が犇き、山の上にはマンション群が万里の長城のように並んでいる。

谷戸の奥の従兄弟の家のあたりは、僅かに昔の面影を残していた。
母屋、離れ、風呂小屋などは昔のままの配置で建っていたが、母屋は大きな茅葺屋根を外して、2階を付け足し、何の変哲も無い家になっていた。
それでもまだ土間があり、1階部分は昔のままの間取りだった。
子供の頃、1階の隅の部屋に泊まった朝、目が覚めると、深い庇が掃き出し窓の中ごろまで下りていて、いつも不思議な景色を見た気がしたものだ。

庭にある井戸は、釣べや手漕ぎポンプで水を揚げ、竹樋を通って母屋の台所の水がめと、風呂小屋の五右衛門風呂に流れるようになっていた。水が流れるのが面白くて、従兄弟と競争で水を汲み上げた。
水道を引いたため、井戸は今は使われていない。
神社の下の岩壁の矢倉の灰置き場はただの穴倉になった。
母屋の便所は祖父と客用で、家族は屋外の便所小屋を使っていたが既に無い。
今は日向の便所の匂いさえ懐かしい。

幼い頃は母に手を引かれて、山崎の北大路魯山人邸の前の暗い切り通しを過ぎ、長い道を深沢の谷戸まで歩いた。鎌倉山の別荘地に行く乗合バスがあったが、乗った記憶は全く無い。
小学校の高学年になってからは、梶原の山伝いに神社まで歩いて、岩壁の下の従兄弟の家に行った。
その山道は探そうとしても、山は切り崩されて、団地になってしまった。

母の次弟にあたる叔父と、叔母さんのおかげで、森男の兄弟姉妹は、戦後の食糧難を辛うじて生き延びた。おおらかな叔父と、気丈な叔母さんには深く感謝している。
叔母さんの葬式が済んで、叔父は折り畳み椅子を100脚、お寺に寄付した。
叔父は家を本当は甥にあたる従兄弟に任せ、住職とカラオケの夜を楽しんでいるらしい。

雪椿


自然観察会で煽られた

2007-01-28 | お節介

  藪椿

山野草、環境学習、雑木林等3班合同の「自然観察会」に参加した。
公園側によるボランティアサービスの行事である。
参加者は27人と、講師の話を聞くのには丁度良い人数だった。
講師は、公園内の「都市緑化植物園」の園長氏。前任の園長さんは「居眠り熊さん」とオバサンたちに評されて、専用の園長室で寝てばかりいたが、今度の園長さんは行動派。いつも気さくに声をかけて回る。
期待どおりの名解説が2時間半。職員が制止しなければ、もっと延長したかもしれない。

冬の雑木林の木々や、足元の野草の冬越し戦術を、参加者の年金生活に即して、からかってみたり、挑発したりと、決して立て板に水とはいえない語り口ながら、分かり易く楽しくてタメになる貴重な解説だった。
こういう仕事は、園長のように人生経験豊かで、専門知識、現場経験の豊富な人でないと勤まらない。
雑木林班の連中、来なくてソンしたな。

  梅園

暖かい日が続いたので、梅園の梅が咲き揃っているかと思ったら、ミジメ。
今冬は本格的な寒さが来ないので、開花ホルモンが活動しないのそうだ。
梅は飛鳥時代の舶来品。万葉集では歌われたが、新古今では花といえば桜。梅は遠ざけられた由。舶来好き、新しもの好きは現代人と同じ、日本人の特徴の模様。
梅の花は、蕾が綻びかけた頃が見頃で、満開は野暮。鴛鴦、月宮殿、鶯宿、西王母、幾夜寝覚......。ご大層な命名は、見頃の形状や、伝説が深く関わっている、等々沢山の知識を披露して下さった。  
→◎梅の品種図鑑(Papyrus)

  椿苑登り口

椿苑は、まだ開花していないようだが、園路を外れて椿林の奥に入ると、名花、珍花の花盛り。園長さんの気炎、ますます燃え上がって、オペラ椿姫まで引用する熱の入った解説が続き、職員が止めに入るほどだった。
渋くて、あまり好きでなかった侘助系の鑑賞のしかたは、感心、納得。
世界の三大名花木は、薔薇(ばら)、椿、石楠花(しゃくなげ)。日本原産椿の欧米での人気と交配進化は目覚しく、真に目出度い限り。
但し、花の豪華絢爛だけを愛でる欧米流鑑賞法はいかがなものか、と。全く同感。
園長さんは、古来日本では、葉っぱの形状、艶なども鑑賞対象にしていたことを強調されていた。
森男は名古屋の茶碗咲き名花「紅妙蓮寺」の、華やかで深い赤色と黄色の花芯に惚れ惚れした。欧米人が賛嘆したという「太郎冠者」の青を秘めた桃色は、どうも、だった。   
→◎椿の品種一覧(石川林業試験場樹木園)

  南口広場

午後からは、新任の管理センター長の独演会。この方の話は刺激的で、公園は大いに進化するのではなかろうか。
大体、ここへ来始めて5~6年経ったが、管理センター長がボランティアの前に姿を現したことが無かった。その点でも画期的なことである。

公園は「客商売」、閑散期の「集客増」を図りたい。
能動的なボランティア活動を期待したい。ついては組織、活動内容、規約等について素案を作るから意見を欲しい、などとこれまでの無風状態から大転換を目論んでおられる。
既に各旅行会社への花散策の売り込み、近隣各施設や町村との提携、公園にあるものの商品化、ボランティア活動原資の確保、等々久し振りに血沸き肉踊る話だった。
他の国営公園でのスマップや北島三郎ショウの話も面白く、お主、なかなかやるのう。
ここは日本一の山百合の群生地。ボランティアの皆さんの活動の成果と持ち上げる。よいしょ、とは知りながら、悪い気はしないや。
山百合の香水の試作、百合根の季節限定料理の開発、団体客の集客の目処がついたので、ボランティアガイドを募集したい由。
大いに気が動くが、自宅から片道1時間もかかって、ガソリン代がねぇ.....。この話を10年前に聞いたら、近くに引っ越したかもしれない。
なお、小川和紙で作ってみた山百合の造花は素晴らしい。だが、山百合の香水の試作品は、香りが甘過ぎて清涼感が無い。あと一工夫、必要です。

これからも「里山公園」としての特徴は維持したい、ここは立川の「昭和記念公園」とは違う、と頼もしいお考えだった。
生え抜きでライバルの大幹部二人の登場で、森林公園はこれから先、大いに活性化しそうである。
ここは雑木1本、カブトムシ1匹も、国有財産だと、本省からは言われるらしい。
国土交通省、補助金減らしたんだから、余計な口出すなよ。


エロス的こころ

2007-01-27 | 拍手

  「弁財天妃の柵」 棟方志功

TBSラジオの「大沢悠里の悠々ワイド」が好きです。中でも金曜日の「お色気特集」は大変面白い。
偽名で投書したシモネタ話を、大沢さんが一流の話術で読み上げるアレです。
たいしたことの無い話を、上等の艶笑譚に仕立て上げる話術は、まさに名人ですね。

相方の迫美千代さんの合いの手が、実に上手い。
美千代さんの明るい声で、大沢さんの話が一層引き立っている。
本業の演歌があまり売れてないことを、大沢さんがからかっているけれど、森男は売れて忙しくならないように願っています。歌は上手いと思いますが。

この番組の中の「小沢昭一の小沢昭一的こころ」も、面白い。
文庫本が発売されているが、本を読むより、小沢さんの話を直接聞いた方が、断然可笑しい。
これもシモネタが多く、中年以上のオトウサン、オカアサンの生態が、始めクスクス次ぎ爆笑、やがて哀しくなり、人生の真実と深淵を感じさせてくれる。

先週は、裸、スッポンポンについて、色々な角度から考察に及び、大いに楽しみました。

小沢さん、大沢さんと「新婚さんいらっしゃい」の三枝さんの3人は、ともすると下品になるロコツな話を、洒落た笑い話に変える名人です。

話は突然変わります。
面白い囲み記事(朝日新聞)があったので、下にそのまま掲載します。
へ~、そうなんだ!、でしょ? 貴方さまの教養にどうぞ。

また突然話が変わります。高尚にね。
森男はブログに出会ってから、実は相当深い仲になっております。
これが人間ならわくわくほかほかするのだけれど、相手が機械だから、目がしょぼしょぼして、肩が凝る。
その心境を表す名歌を思い出しました。

・・ 逢ひみての後のこころにくらぶれば むかしはものを思はざりけり ・・

この歌、本来のイミは、かなり「エロス的こころ」ではないでせうか。

  


からだであそぼ

2007-01-26 | 拍手

 「からだであそぼ」

朝、みの・もんた氏の毒気にあてられると、NHK教育TVの子供向き番組を見る。
子供番組だが、出演者は一流。人形、アニメ、衣装、背景など実に丁寧。
出演の子供たちは、子役にありがちなヒネたところが無く、元気溌剌で気持いい。

番組はそれぞれ10分程度の内容で構成されている。
忙しい時間のつまみ食い視聴に最適である。

◎特に面白いのは「からだであそぼ」である。
小学生の「たいき君」、幼稚園児の「せいしろう君」が、様々な運動に挑戦。
ダンスもすれば、ヨガも座禅や侍の作法もやる。

 左たいき君 右せいしろう君

二人ともその辺にいる低い鼻の男の子である。算数が苦手なのがいい。
そして運動能力は抜群で、ヤル気はマンマン。笑い声が可笑しく可愛い。
たいき君にテニス、バスケット、ボクシング、マラソン、柔道、空手等に挑戦。
指導するのは全て元一流選手である。

  「いざやかぶかん」

◎「いざやかぶかん」という歌舞伎体操も面白い。
市川染五郎が歌舞伎衣装で、多勢の子供たちと踊りまくる。
子供がちょっとよろけるのはご愛嬌。

◎「ほねほねワルツ」は全身に206もある骨の勉強が出来る。女の子たちは同じ顔。

◎「のむらさんちのたいそう」は脱力系。家族の体操に全く無関心の犬が可笑しかった。
今日はベトナムロケだったが、周囲の子供たちが全く無関心で、これも面白い。
森山開次という金髪の男のくねくねダンス。実は気味悪く、嫌い。

◎夕方が本放送で、朝は短縮版だが「夕焼けクインテット」が愉快だ。
相当にひねっていて、人形世界は人間世界に通じている。

  「夕方クインテット」の多芸な出演者

人形5人によるクラシック、演歌、ジャズ、童謡、民謡、クラシック曲......。
どんなジャンルでも演奏する。時々「雑唱」と謙遜しながら見事な合唱を披露する。
人形と軽く見てはいけない。5人は楽器はなんでも可。身振り手つきは正確。
本番前の楽屋で、時々いざこざを起こすが、本当はみんな仲良し。

  アキラさん

編曲・作曲・指揮・ピアノ演奏はアキラさん。「マツケンサンバ」の宮川彬良さんだ。

  
      左からスコア、フラット、アリア、シャープ、チーボーの皆さん

スコアは藤村俊二、フラットは水泳の北島康介、アリアは山瀬まみ似。
後の二人に誰にしようか、悩んでいる。(チーボーは竹下元総理かな)。
フラットさんは話し方が丁寧で、ありゃ、オカマさんではなかろうか。

◎その他、野村万作、KONISHIKI、神田山陽、柳屋花録が出る「にほんごであそぼ」。          
古典文学や芸能、諺、方言などが勉強できて、今どきの大学生は必見。

◎オランダ生まれの兎ちゃん「ミッフィー・別名うさこちゃん」は優しくなれる。
  ミッフィー(うさこちゃん)

◎「ピタゴラスイッチ」や「おじいちゃんスイッチ」は真似して作れば、孫に喜ばれる。

とにかく、面白さ一杯。
本当は夕方からの放送だが、朝これを見ればドリンク剤5本くらいの力が出ます。

  「旦那ハイケナイ」(1/9)の記事に、間違いがあったので訂正します。
    簡潔な手紙の例に、「一筆啓上仕る......」と書いたが、正しくは「一筆啓上火の用心おせん泣かすな馬肥やせ」です。
    にほんごであそぼを見て、森男の記憶違いに気付かされました。


カタカナをどうぞ

2007-01-25 | 床屋放談

森男と殆ど同意見の記事があった。

カタカナを不用意に使うのは考え物だ。
厚生労働省が導入を図った「ホワイトカラー・エグゼンプション」(WE)のあっけない結末をみてそう思った。
WEはカタカナのままで世に出回り、多くの人の疑念をかき立てることに......。
意味のはっきりしないカタカナには、どうしてもうさんくさい感じがつきまとう。
そういえば安倍首相もカタカナ好きだ。
......昨年の初の所信表明演説ではやたらにカタカナが並んだ。
今国会では慎んだ方がいいのでは。

といった内容だ。(1/22朝日夕刊。詳しくは画像をご覧下さい。)
殆ど賛成だが、一部はそう思わない。

防衛省に昇格した式辞で安倍さんは、「戦後レジームからの脱却を図り、美しい国を目指す」、と言った。
戦後のレジーム(枠組みという意味か?)の中には確かに脱却しなければならないことがある。例えば談合、議員特権、役人の無責任、行過ぎた権利主張.......等々だ。
だが、安倍さんの「レジーム」とは何か?それが問題なのだ。例によってカタカナを使いアイマイモコにしている。
防衛庁が防衛省に昇格したことを祝う式典での発言だけに、なにやら空恐ろしい予感がする。だから、安倍さんはもっともっと、お得意のカタカナを使って、国民を煙に巻いて、参議院選挙に臨むといい。
いくら脳天気な国民でも、そろそろ安倍さんの危険な思想に気付くはずである。

因みにシャープの電子辞書のカタカナで引く英和辞典で、「レジーム」は、「該当語なし」だ。「脇組み」「仕組み」等で和英辞書で引いても「レジーム」は無い。
「レジーム」の本当の意味は何か、未だに分からない。
ますます怪しく、空恐ろしい。

NHKはアップ、ダウン、トラブル、トップ、ストップと基本的な日本語をカタカナ英語に言い換えて、日本語を壊している。そのNHKは「エクゼンプション」を「イグゼンプション」、「戦後レジーム」を「戦後体制」と言い換えている。何故だろうか?

画像はLEGOを楽しむ「馬鹿が戦車でやってくる」からお借りしました。
晋ちゃん、お遊びはREGOで済ませてね。


お昼は近為

2007-01-25 | 拍手

 

腹ぺこでたどり着いた時は、2時を過ぎていた。「近為」(きんため)は満席だった。
店の外の2台の床几も満席。倒れそうになったよ。
店内はお婆さんたちで溢れかえり、店外もお婆さん。ご婦人は元気がある。博物館も七福神巡りもお婆さんばかり。爺さんはどこへ行ってるのか。留守番だ。
深川不動尊の門前横丁はいつも人が多い。深川不動も、後ろに空を走る高速道路を控えて、なにやら巨大ソーラーシステム風の大きな本堂になり、読経の声が拡声器で流れてくる。有難いことです。

近為は簡単な食事専門だから、回転が速いかというと、むしろ遅い。
年寄りは防寒着の着脱に時間がかかり、お叱呼を済ませ、長いお喋りを楽しみ、ゆっくり漬物を噛み、お土産を慎重に選んで、財布をあちこち捜し、支払いを済ませて出て来るのだから、回転率は低い。繁盛しているようでも儲けが心配です。

やっとありついた昼食は「銀鱈の粕漬け」と味噌汁と、いくらでも出て来る漬物で1250円。腹が極端に減っていたので、大変に旨かった。
次々に追加される漬物が全て旨く、特に「柚子こぼし」が気に入った。
前歯だけで、もぐもぐ噛むのは辛かったが、ここで諦めるわけにはゆかないと、お茶を何杯も飲んで、漬物漬けになった。

相席になったお婆さん二人は随分打ち解けて、家庭の事情を洗いざらい話している。古くからの仲良しかと思ったら赤の他人。相席になって知り合ったばかり。
一人が先に出たら、残ったお婆さんが偏屈さんに話しかける。78歳には見えない。
偏屈さんは地元深川で育ち、戦事中は黒焦げの死体を跨いで逃げた人だから、深川界隈を大いに語って、嬉しそうだった。
森男は料理が出るのを待つ間に、お土産を選んでおいたから、一寸は回転率向上に貢献したつもりだ。宣伝するから、「近為」さん画像使わせてよ。

隣の富岡八幡宮へ巨大御神輿と、横綱記念碑を見に行った。
御神輿は佐川急便が寄進。確かに巨大だが、ダイヤモンドを散りばめるのは悪趣味。
横綱記念碑は、中心の碑は初代若乃花で終わり(だったかな)。右隣は朝青龍までで余白はまだ十分にあるが、後に続く横綱、いるのかね。
それにしても、中曽根康弘大勲位の字の下手なこと!。恐るべし、恥ずべし。

門仲(偏屈さんは門前仲町と言わないとご機嫌が悪い)で地下鉄に乗ってから、深川不動尊にお参りをしなかったことに気付いた。
だから、宝籤が当たらない。反省。


下谷七福神

2007-01-24 | 風に吹かれて

  

悲惨な七福神巡りとなった。
博物館を出た時、すでに正午だった。
森男は歯茎の調子が年末以来良くない。
鶯谷駅の傍に、まあまあの蕎麦屋があるから昼食はそこで、という偏屈さんの提案に従い、行ってみたら休業日。
大してお客の来ない店のようだから、休みは博物館に合わせろよ。

結局、昼飯抜きで下谷七福神巡りを敢行した。
寿老人(元三島神社)、福禄寿(入谷鬼子母神)、三面大黒天(英信寺)、毘沙門天(法昌寺)、朝日弁才天(弁天院)、恵比寿神(飛不動尊正宝院)、布袋尊(寿永寺)の1社6寺である。
結論からいうと、ダメだった。酷いものだった。

寿老人はラブホテル街の真ん中にいらっしゃる(はず)。社殿の真下(文字とおり真下)はウラブレた飲食店街になって、2階部分に社殿が乗っている。誰もおらず、寿老人像は拝めなかった。
感心したことがある。
各ラブホテルの入り口は工夫を凝らして、実にヨロシク出来ている。室内はもっと趣向を凝らしているだろう。入って見たかった。
それに、ラブホテル街は、意外に清潔なのだ。黒の上下でもみ上の長いオニイさんが殆ど無い煙草の吸殻を、歩きながら拾っている。団地住民は見習うべきである。

恐れ入谷の鬼子母神。台東区「下谷」にある「入谷」の鬼子母神の「鬼」の字にツノが無いのは発見だった。イワクはあるが、割愛。

三面大黒天。お顔が三つあり、黒くてイカニモ効き目ありそう。
ごく小さいお寺で、庇も低く、樋口一葉さんが現れそうな渋いお寺だった。正規の服装の植木職人さんが仕事中だったのも、良い感じだった。

毘沙門天。コンクリート作りが目立つ殺風景なお寺。
けばけばしく小さな毘沙門様は、浅草寺前の伝法院通りの古物商から昨日買ってきたようだ。

朝日弁財天。小公園の奥に情けないお堂がある。生意気に、弁天池があるが、コンクリ底の池の中には1円玉も見当たらなかった。木彫りの弁天様は小さ過ぎてよく見えない。

恵比寿様。「飛び不動」という別名があって、航空業界の贔屓のためか、割合整備されている。しかしジャンボじゃなくて、竹トンボだな。

布袋尊。最悪。お寺のくせに、拝観行為に対して拒絶「的」である。
背丈を遥かに越える周囲のコンクリ壁の上は鉄矢来。正面の鉄扉は閉じて脇の小さなくぐり戸から入る。奥のほうでは警報が鳴って、監視されている模様。
本堂も鉄扉が固く閉じてあり、石段下にメタボリック布袋尊が汚い腹を出してうじゃじゃけていた。脇の小さな賽銭箱には「警報付き」のカードがガッチリ貼り付けてある。
誰がお賽銭なぞ出すものか、だ。

ついでに「小野照崎神社」に寄った。この辺にしては広く、巨木もある。
戦災を免れた社殿は立派だが、境内は荒廃の極み。小野篁も泣いているだろう。
富士塚があるので登ってみたかったが、荒れ放題だ。神奈川県から来たという富士塚巡り中の高齢の二人のご婦人も是非、と言う。
バラック作りの社務所は電気をつけたまま、1時を過ぎても誰もいない。
門前で節分会準備中の職人親子に聞いたら、7月1日のお山開き以外は登れない由。
職人親子は髪の黒白以外はあまりにもソックリで、可笑しかった。チャキチャキの江戸弁が心地良かった。

下谷、竜泉、三ノ輪あたりは戦前からの味のある木造家屋がまだ残っている。
しかし、全体は安っぽくて、低層のビル群と木造モルタルの家屋が密集。飲食店が無く、あまり住みたくない不便な町であった。
昼飯を食う場所が見当たらず、不機嫌不幸な七福神巡りとなってしまった。
この後は、地下鉄三ノ輪駅から門前仲町へ。

◎七福神は、賑やかで楽しそうな「日本橋七福神」に来て頂きました。


古代中国と近代マオリ

2007-01-23 | 色めがね

  説唱俑/青銅七牛貯貝器

東京国立博物館へ「悠久の美・中国国家博物館名品展」を観に行った。
西暦紀元前4000年頃から、10世紀迄の5000年にわたる悠久の時間の中で作られた名品ばかりを集めた特別展だった。
驚くほど精巧で、趣味がいい意匠のものばかりだった。
日本製の工芸品が世界一の水準に達していると思っていたが、どうしてどうして、古代中国の工芸品は勝るとも劣らない、とびっくりした。
日本の工芸品は技術が高いため、ともすると冷たい印象を受けるが、中国の出土名品群は、愉快で暖かい。

  青磁騎馬俑


いつもは雑踏する特別展だが、空いていたため展示品が良く見えて、博物館の展示方法も近年随分良くなった。
おかげで、十分に名品を1点ずつ楽しめた。

  首長の杖  

広い平成館の半分は「マーオリ・楽園の神々」と題する「ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ名品展」が開催されて、今日が初日だった。
これにも驚いた。
古代中国の名品が青銅や陶製品であるのに対し、木や骨、植物繊維を使ったおよそ100年前に使われていたものだが、意外や意外、彫り物の意匠が中国のものによく似ているのだ。博物館の収蔵品だからかも知れないが、なかなか趣味がいい。
カヌーの舳先飾りや、集会所の破風の木彫りなど、どれも洗練されて、迫力がある。
認識を改めました。
民族の美的能力や文明文化の伝播と洗練について、柄にもなく考えてしまう有益な時間だった。

初日のため、広い休憩室の一角に簡単な舞台を作って、マオリ族の歌と踊りを、現地の人たちが見せてくれた。
男女7~8人の出演で、その美声と圧倒的な声量には恐れ入りました。
少しハワイ音楽に似ているが、もっともっと力強く、物凄かった。
鼻と鼻を擦り合わせる挨拶を、見物の人たちとやってくれたが、男女とも横綱曙級の大男大女で、あのひとたちに迫られたら、ちょっと怖い。
ひとり、キリ・テ・カナワ風の美形がいたが、写真でお見せ出来ない。
最後に、何故か「瀬戸の花嫁」を日本語で観客と一緒に歌い、大いに盛り上がって楽しかった。

  東京国立博物館「平成館」

ところで、皇太子ご成婚記念に建てた「平成館」は、すぐ前で眺めると、端正で簡素でなかなかいいが、本館の前庭から眺めると、大屋根が貧弱で巨大物流倉庫のように見える。
帝冠様式の代表作の本館、明治時代の代表的な洋式(ネオ・バロック様式)建築の表慶館、昭和寝殿造風の東洋館に比べると、大きさでは負けないが、どうも見劣りがする。
平成という時代の薄っぺらさを反映しているのかもしれない。

今日は保谷偏屈さんと一緒。
この後、偏屈さんのご案内で、「下谷七福神巡り」を敢行した。


ハゲていいとも

2007-01-22 | 拍手

  

 ハゲに憧れていた。
散髪代がかからないし、鬘(かつら)をいろいろ楽しめる。
長髪の鬘で音楽会、モヒカン刈の鬘でオートバイ、七三分けの鬘で歌会始、角刈りの鬘で植木職人.........。
それに、近頃よく見る増毛法には興味津々だ。

 行きつけの床屋さんに尋ねてみた。
相当高額で、頭に悪く.......。これ以上バラすと、鬘屋さんの営業妨害になるから止める。
床屋さんは本を貸してくれた。中村賢太郎著、95年洋泉社刊、1400円である。

 怪作であり傑作である。文章の巧みさ、可笑しさは第一級品で、修辞の見事さは三島由紀夫の「鹿鳴館」以上である。
中村さんは「ハゲ本」は売れないと書いていて、そのとおりの様だが、この傑作を埋もれさせておくのは社会的な損失である。
目次を読むだけでも面白いので、紹介する。

 (その1) ハゲの特異な存在様式について
 (その2) ハゲ損ないは「ハ・メ・マラ・ケ」
 (その3) マスコミのハゲ作りについて
 (その4) あのバーコードスタイルとカツラ使用者について
 (その5) ハゲ頭のおかし味は他社依存的である
 (その6) ハゲることの哀しさと辛さについて
 (その7) 社会的、歴史的存在としてのハゲについて
 (その8) 「わからない」存在としてのカツラについて
 (その9) 21世紀にもちこされたハゲ
 (その10)そして、私はハゲに安住した
  あとがき ハゲてうれしい花いちもんめ

 何事も難しく言い換えたり、カタカナ英語で気取ったり、差別語として言葉狩をする昨今だから、ハゲと言ってはいけないかもしれない。ハゲは「男性型脱毛症」または「スキンヘッド」と言い換えるべきだ、と言う意見もあるだろう。
ところが、著者の堅太郎さんは「男性脱毛症」の「症」に反対している。
「症」は病気であり、病気は治療で治るか、治らなくても痛みや苦しみがある。だからハゲは病気ではない。ハゲを「....症」と言うなら、年増以上の女性の皺は「女性型多皺症」と言うべきだ。ハゲは始まったら止められない。ハゲは「男たちの健康な衰退」である、と書いて、「白濁化したハゲ損ないの頭」の持ち主を、少し軽蔑しているようである。

 また、鬘についても言及している。
若い女性たちにハゲの評判がよくないのは、「ハゲる→隠す→未練=ダサイ」と連想
するからだ。ハゲてもてなくなった、と嘆く男は、もともとハゲていなくとももてなかったのだ、と喝破している。そして、鬘が許されるのは、犯罪者、政治家、芸人、芸術家のように、虚実皮膜の間に折り合いを付け、嘘も方便でしのがざるを得ないアヤウイ職業の人たちだ。エコロジスト、宗教家、革命運動家、各種市民運動家は、たかがハゲごときに悩んではいないことを示すために、鬘を使用してはマズイ、と書いている。
鬘は使い始める時よりも、脱ぐ時の方に勇気がいる。
だから、一般大衆は要らざる精神的負担とかなりの経済的負担を背負い込まないために、鬘の使用は避け、ハゲ始めたら思い切って坊主頭にしてしまおう。残った髪への未練を捨てれば、もっとスッキリする。ハゲ隠しといういじましさを払拭して、堂々たるハゲ頭になれ、と説いている。

 なるほどね。「白濁頭」の森男は、灰色の脳味噌で考えた。
ハゲは諦めよう。だが、森男にとって鬘はハゲ隠しではない。広い世界へ進出するための装いの一部分なのだ。何でいじましいことがあろうか。
ハゲは林住期向きの髪型(というのもヘンだが)なのだ。
だが、床屋さんから聞いた鬘の値段は、年金生活者にとって耐えられない。
だから、頭を坊主刈にして貰って、池袋の街角で托鉢でもしながら、鬘代を集金しようかと考えている今日この頃なのだった。

 ところで、広告中のさくらパパに異議がある。
いくら孝行娘のさくらさんがOKしたとしても、こういう場面にさくらさんを出すのは慎んで欲しい。若くて美しい、われ等のさくらさんが可哀相です。
なお、床屋さんによると、パパの増毛法は毛を植え込んだマットを接着剤で地肌にくっつけたもので、月に数回貼り直すそうです。
人工芝より高いそうでした。

○シャープの電子辞書では、ハゲは英語で baldness 、ハゲ頭は bald head であり、
skinhead は「坊主頭の少年(若者)」でした。


寒い作業日

2007-01-21 | お節介

  

森林公園作業日。今日は雑木林組と山野草組の合同作業で落葉掃き。
重労働や危険作業が多い雑木林組は、軽作業中心の山野草組を軽んじていて参加者はいつもより少ない。その代わり山野草組は大勢の人が参加した。

  

結局雑木林組の作業は、周遊コースの柵の設置作業を行うことになった。
道具や材料が足りず、若い新任の職員さんは走り回って大変だったが、ボランティアは手持ち無沙汰。曇天下、寒い寒い。
今日の作業は、あまり役に立てなかったのでは......。
まぁ、そういう日もあるさ。

  

「梅園」の福寿草が咲き始めた。見ごろは2月だそうだが、これから先の温度次第。
120種600本の梅の蕾が膨らんできて、開花目前。
関東平野西部には、南から曽我梅林(神奈川小田原市)、吉野梅郷(東京青梅市)、越生梅林(埼玉越生町)、秋間梅林(群馬安中市)等があるが、環境はここが一番良い。

  

440種960本の椿は、ちらほら咲き始めた。
丘陵の尾根の南斜面にある「椿園」は、高い赤松の疎林下で日照と水はけが良く艶のある濃い緑の葉を茂らせて、これから大いに楽しめる。

  

ボランティアは作業日の入園は無料。花見は作業後の約1時間しかない。
だから、来週はボランティア限定「自然観察会」を実施してくれる。

▲▲▲▲写真を撮ってる暇が無かったので、「武蔵丘陵森林公園」HPから手折ってきました。
●四十雀(しじゅうから)は「さいたま緑の森博物館」から飛来しました。


夜色楼台図

2007-01-20 | 遠い雲

  「夜色町家図」とでも名付けようか 森男

20代の始めの頃は版画に熱中していた。
版画は棟方志向のもの以外は、小学生の版画の方が迫力がある。
東京大手町にある「逓信総合博物館」で毎年開催された小学生の版画展で、このことに気付いた。
素人でも出来るので、初めて雪の夜の寝静まった町並みを彫ってみた。年賀状に使ったのである。
誰も褒めてくれなかったが、いいな、と自画自賛して、会社勤めにのめりこむまで、版画をしばらく続けた。

 
  「夜色楼台図」 与謝蕪村

その後、文人画の与謝蕪村を知った。
豊潤軽妙で,あれこれ見て歩くうちに、ますます好きになった。
江戸東京博物館での展覧会には圧倒された。
重要文化財の「夜色楼台図」を見たとき、森男の版画が似ているのに驚いた。
水墨画に対して版画、横長の画面に対して縦長、楼台のような立派な建造物は無くて平らな町並み、と全く対称的なのに、雪の夜の静まり返った雰囲気は共通している、と自惚れた。

 
  「年暮る」 東山魁夷 山種美術館蔵 三越本店ちらしより 

最近、文化勲章を受章した東山魁夷画伯の日本画に「年暮る」という絵があるのを知った。三越のちらしに載っていた。山種美術館所蔵とある。
この絵も与謝蕪村の「夜色楼台図」に似ている。
蕪村ほど横長ではなく、青くべったりと着色した夜に白い雪が降り、寺院らしい大屋根もあって、随分説明的な日本画だと思った。
東山画伯は人気日本画家だった。哲学的な随筆など、文章も上手かった。
日本画の定義は難しい。画伯の場合、絵の具や筆は日本画の材料を使っているが、絵の具を何度も重ね塗りして余白は無いし、線の美しさなどは無い。素人の感想だが、唐招提寺の襖絵を除いて、日本画の材料を使った洋画だと思っている。
画伯の作品は、蕪村のように数百年後にも残るのだろうか。

 
  (松風荘の滝 部分) 千住博  「よみタイム」HPより

ニューヨーク近代美術館に日本から寄贈した書院作りの「松風荘」があった。吉村順三先生の設計によるこの本核的な日本建築は、簡素な美しさと、大工や職人たちの技術水準の高さが、当時アメリカで評判になった。襖絵は東山魁夷画伯が描いた。
現在、フィラデルフィアに移築された「松風荘」の襖絵は、褪色が激しく、殆ど無くなってしまって、代わりに中堅の千住博さんが滝の絵を書き上げた。絵の具は褪色しないものを選び抜き、道具には毛筆に加えてエアブラシまで使っている。

東山画伯の作品は、画伯が亡くなったら、襖絵は無くなってしまった。
その点では、森男の版画も同じである。
だから、図々しくブログに掲載した。

◇山種美術館で、3月4日まで、松風荘の襖絵を中心に「千住博展」開催中。


ユーザー登録

2007-01-19 | じゃじゃ馬馴らし

ユーザー登録の分かり難さに怒っている。        

パソコンが壊れたので、富士通から東芝製品に買い換えた。
搭載済みの基本的なソフト、つまり「OfficePersonalEdition2003」の新規登録が必要と考えた。
「ユーザー登録のお願い」なぞと、しおらしいカードも入っている。「オンラインで簡単に登録いただけます」なぞと、殊勝なことも書いてある。

そこで、オンラインで「簡単に登録」しようとしたら、簡単ではない。
あちこっちたらい回しにして、訳の分からない設問をして、いいように愚弄する。
大体、搭載済みをプレインストール、組み合わせ(セット)製品をスウィート製品などなんでわざわざカタカナ英語に言い換えるのか。

富士通のパソコンで既にユーザー登録を済ませてあって、時々更新サービスがあったから、「登録済入り口」から入って変更登録をしようとしたが、難癖をつけて受け付けない。
それならば、「新規に登録」しようと始めても、これまた底意地の悪いたらい回し。
他のソフトや周辺機器などのユーザー登録や、通販会社の顧客登録は、割合素直に受け付けるが、MS社ほど分かり難く、悪意に満ちた、気が利かないユーザー登録は無い。
この登録の仕組みを設計した者は、お客のことを全く考えていない。
MS社の都合と責任逃れだけを考えている。

怒りを抑えて翌日再挑戦。今度は一応登録頁は出た。
ところが、プロダクトID、製品ID、使用者ID、○×IDと、用語がバラバラで、登録入力頁の用語との整合性に、全く配慮していない。
説明はうんざりするほどあるが、全く核心を突いていない。何のためにこんなに分かり難い説明をつけるのか。いっそ無い方がいい。
この登録の仕組みを設計した者は、利口のつもりのアホである。
それでも構わず入力してみたら、一応受け付けたとの挨拶が出た。しかし、登録には日数がかかって、また質問するかも、だと。

3日目、メールを開けたら、MS、MSカスタマーズサポート、WindowsLiveID等からメールが3件送信されている。どれも、メールアドレスを確認することで、正真正銘の本人が登録手続きをしたことを点検するものの「ようであった」。登録先は1社1箇所だったのに、何故3つも同じようなメールで確認を求めるのか。
それで、これから先どうなるのか、全く分からない。
 
5日経っても、MS社からは何の問い合わせも、連絡も無い。果たしてユーザー登録は完了したのだろうか。
この登録の仕組みを設計した者は、何を考えているのだろうか。
お客さまは神様だとまでは思わないが、すこしはお客の都合も考えるべきだ。
この難しい登録の仕組みを作ったヤツは、大馬鹿野郎だ。
ユーザーは諦めずに、不満を言おうぜ。

▲画像は東大寺十二神将立像のうち「持国天」像部分。