林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

言い替える

2022-02-02 | 先輩のお言葉

脚本家三谷幸喜さん、60歳▲
5年前に、前立腺癌を摘出してたんですね。

生検から摘出、摘出後のおむつの悩みや、ぼっき障害について。
等々をあけすけに話しています。
詳しくは朝日新聞をどうぞ。(1月31日朝刊)

じじぃがお伝えしたいのは、以下のところです。

  癌という言葉のイメージが良くない。暗いと思います。
  癌のことを「ぽん」と呼ぶのはどうでしょうか。
  みんな「国立ぽんセンター」なら行きたくなるんじゃないかな。
  ついでに癌患者は「ガニー」。

    「おれ実はガニーなんだ」

  かっこいいでしょ。

       ***

  早期発見が大前提ですが、前立腺ぽんは怖い病気じゅあない。
  もし見つかって手術室に行く時は、会社に行く時と同じように、

     「行ってくるね」

  と言いましょう。悲壮感はいりません。

  

ね、いいでしょ。
三谷幸喜さんの提案に、大賛成します。

  なお、朝日の紹介ですが、近著に「ボクもたまにはがんになる」があるそうです。

  挿絵は和田誠作品です。

  220202  


バ・カ・タ・レ

2021-08-13 | 先輩のお言葉

嚥下障害が始まったようだ。
以前は、ルル3錠くらいは水無しで飲めたのが、近頃は......。

毎朝毎晩、食後、薬局が出す薬に、サプリメントを加えて服用する。
2~3回に分け、水と共に飲み下しても、数錠が口中に残ることがある。
喉に引っ掛かった時には、激しく噎せたりする。

朝、パン食の時、飲むつぶつぶコーンスープ。
とろとろ部分は飲み干しても、つぶつぶコーンが口中に残る。
現在、歯が無い所為もあるけれど、これは明らかに嚥下障害だ。

嚥下障害にはアイウエオがいいと、どこかで聞いたことがある。
聞いた当座はやってみるものの、即効性がないので、3日坊主だった。

ところが、いい対策があった。

  バ・タ・カ・ラ

と言うことです。

これは93歳になった大先輩が、ブログに書いた嚥下障害改善策
なるほど、と思ったけれど、森生はこれを、

  

に改変したい。感情を込められるし、口を横に開けるから。
ついでに、

  イーッ ウーツ オーッ

などを加えれば、もっと有効な舌と口角の運動になる。

うつむきながら、虚ろな目で原稿を読むアイツ。
銀ブラするぼったくり男爵。
渋谷で、路上飲みする若者たち。
幼児を、送迎バスに置き忘れた園長。
金メダルを齧った市長。

こいつらを見るたびに、

  イーッ

  と毎日、何度も言える今日この頃です。

  210813


第2第3の敗戦

2021-08-02 | 先輩のお言葉

朝日新聞朝刊に連載中の小説「また会う日まで」を読んでいる。
小説の主人公は、艦長を務めたこともある元海軍軍人で、実在した人物だ。
昭和天皇から直接、理解と励ましの言葉を賜ったこともある。
小説は主人公の回想形式になっている。

354回目を転記します
(見易くするために、改行と漢字を増やし、難解な語句は変更しました)

今、私はこの2年半のことを思い出している。
今やこの国は次第に濃くなる敗色の中で暮らしている。
確かに真珠湾では勝った。
しかし僅か半年後のミッドウェイでは大きな敗北を喫し、兵学校以来の友人である加来止男を失った。
その後の日米の海戦の多くに我が海軍は敗れた。
拠点を次々に失い狭い海域に追い込まれた。
その理由は軍としての練度や戦意不足ではなく、物量の差、並びに失敗から学ぶ姿勢の欠如であった。
海軍に身を置く私は凡その事実を知っている。
だから今はもう勝ち目がないことも分かっている。
昨日、サイパンの陥落について東條首相の談話が発表された。▼

 

 正に帝国は重大局面に立つに至った。
 しかして今こそ敵を撃破し、勝を決する絶好な機会である。
 この時に当たり皇国護持のため我々の進むべき道はただ一つである。
 心中一片の妄想なく、眼中一介の死生なく、幾多の戦友と同胞の鮮血によって
 得たる戦訓を活かし全力を挙げ速やかに敵を撃破し、
 勝利を獲得するばかりである。

この男は何を言っているのだ。
私は巷間に流布している愛国行進曲の替え歌を思い出した。

 見よ東條の はげ頭
 旭日高く はげ頭
 天地の正気 はげ頭
 希望は踊る はげ頭

最後の一節は「大八洲」と「はげ頭」の響きの呼応が見事。
やけっぱちである。

ご同輩は、この354回目をどう読みますか?
菅義偉首相ほか日本人全体は、決して失敗に学びませんね。
主人公が会った山本五十六も、日本人の弱点を的確に指摘しています。

日本はIOCに敗れ、次はコロナウィルスにも破れそうです。

  なお、主人公は敬虔なクリスチャンです。
  妹・妻・次女・長男を亡くしている。戦前、肉親の死は普通のことでした。
  その死に際し、深く悲しみながらも、主に召されたことと受け止めている。
  だから取り乱したりはしない。
  キリスト教徒の死生観についても、大いに勉強になりました。
  単行本になったら購入し、再読したい小説です。

  

  210802


コロナウィルスの逆襲

2021-06-02 | 先輩のお言葉

動的平衡説で名高い福岡伸一先生は朝日朝刊に「新・ドリトル先生物語」を連載中です。
しかし一昨日、連載を1回休み「ドリトル的平衡」を書きました。

内容は、いま、人類が閉口している新型コロナウィルスの今後の見通しです。
以下、ドリトル先生と靴屋の息子スタビンズ君との会話を、かいつまんで転記します。

  スタビンズくん
  先生、このパンデミックは一体どうなっていくのでしょうか?

  ドリトル先生
  うむ、難しい問題だね。

  でも、人類と病原体のせめぎあいは、過去、幾度となく繰り返されたものだよ。
  そもそも病原体は好き好んで人間を病気にしたり、困らせたりはしていない。
  なんとか自分たちの居場所を求めて、さまよっているだけなんだ。

  生物と生物の関係は、弱肉強食とか適者生存とか言われるけれど、
  一方が他方を完全に滅ぼしたり、凌駕しつくすことはない。
  そんなことをしたら、結局は自分も滅んでしまうからね。

  だから生物たちはせめぎあいながらも、たえず共生を目指している。
  ところで、病原体にとって理想的な宿主との関係はどんなものだろうか。

  スタビンズくん
  それは.....程よいバランスを保つ状態でしょうか。

  ドリトル先生
  そうだね。さらに言えば、宿主に殆ど気付かれないまま居候することだね。
  なまじ宿主に病気を引き起こすから、見つけられたり、退治されたりする。

  だから病原体にとって安定的に存続する方法は、どんどん弱毒化、無毒化していき、
  しまいには気配を消すことだよ。そして実際、自然はそうなっている。
  流行が終息するということはそういうことなんだ。

  スタビンスくん
  でもそれには時間がかかります。

  ドリトル先生
  そう。短兵急に戦おうとすれば逆襲にあう。これも生命現象の常だね。
  病原体が共存体になるまで、待つしかないことになる。

  
         ▲福岡伸一先生

..............うーむ。

英国型・インド型・インド×ベトナム型は、コロナウィルスの逆襲か。
スカ首相が「東京五輪のために」強引に進めるワクチン接種は、まさに短兵急です。

あと半年くらい待つことで、弱毒化無毒化すなるなら我慢しよう。
それに再び囁かれている武漢ウィルス研究所創出流出疑惑もある。
だととすると.........。

  ドリトル先生つまり福岡伸一先生は、何を仰りたいのだろうか。

  冒頭写真は、5月31日付連載に添付された写真を転写しました。

  210602


養老先生と猫

2021-03-19 | 先輩のお言葉

NHKBS放送で、偶然、養老特集を見ました。
題して「まいにち養老先生、ときどきまる」であります。

養老先生とは「バカの壁」がバカ売れした、解剖学者の養老孟司氏83歳です。
まるとは、先生の家に来て以来18年、人間にすると90歳の老猫です。

養老さんは鎌倉生まれの鎌倉育ち。いまも鎌倉の閑静な谷戸にお住まいだ。
生まれ育ちと年齢は森生と同じだけれど、随分差がついたもんだ。
それでも、

  いつも眠い・胃が小さくなった・杖が必要・手に深い皺・墓地好き

等々は森生と同じで、誇らしい(?)な。

テレビでは、鎌倉の風景が現実以上に綺麗に撮られていた。
建長寺・亀谷坂・東慶寺・材木座海岸など、全てが懐かしかった。

養老さんは森生とは異なり、飛び切りの秀才です。
まると毎日過ごしながら、さり気なく発するお言葉は易しそうで、よく分からない。

養老さんは、ご自分を不要不急な存在とおっしゃる。
解剖学なんぞ不要不急と、全学連に研究室から追い出された、虎馬があるらしい。

でもこれって、謙遜ですよね。
NHKの取材は定期的にあり、今も秘書がいて、箱根には別荘がある。
東慶寺の縁側に座れて、市内に住む昆虫学の権威も時々訪れる。

謙遜も、過ぎるといやらしい。

森生が多分理解できたと思うお言葉を二つ、記録しました。

  人はものを1割しか見ていない。9割は自分の脳が勝手に見たものだ。

  不安は消すものではなく、折り合うものである。それが成熟だ。

なお、放送の詳しい内容はこちらをどうぞ。
また、不要不急については昨年5月12日付朝日新聞朝刊に寄稿したご意見▼をどうぞ。
この放送に通じる内容で、最後列以外は分かり易く、面白く読めます。

3画像はテレビ画面を撮ったものです。

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憂国忌

2020-12-11 | 先輩のお言葉

50年前の11月25日。
三島由紀夫が防衛庁総監室で割腹自殺した日でした。
河童忌・桜桃忌・菜の花忌などがあるけれど、三島の場合は憂国忌。
おどろおどろしく、好きじゃありません。

  

朝日新聞は三島文学や生き様について、大勢の人に語らせました。
しかしながらじじぃには珍紛漢紛。さっぱり分かりません。

当時、後に都知事になった青島幸男の問題発言、

 おかまのヒステリー

が、今でもいちばん分かり易いですね。

  

しかし、三重県県議会議員だった森田治氏91歳の言葉に共感しました。
森田氏は三島の首を刎ねた後割腹した森田必勝、当時25歳の実兄です。
以下は朝日新聞11月13日付オピニオン&フォーラムから要約した。

 必勝は大学を占拠する左翼学生に反発、
 三島さんに大きく影響された。
 三島さんが立ち上げた「楯の会」の活動は、
 充実していたようです。

 事件後、三島さんの遺族が来て「弟さんを巻き込み申し訳ない」と。
 しかし私は「弟は主体的に行動した」と否定しました。
 でなければ、弟があまりに哀れです。

 弟と私は思想信条が違います。だから深い議論は無かった。
 でも日本のため、人々のため、という基本は相通じていたと思う。

 三島作品は難しく取っつき難く、読めていません。
 事件現場で播かれた檄文は読みました。
 戦後日本が真に独立していない事を嘆き、変わるべきだと訴えた。
 三島さんの問題提起は、半世紀を過ぎた今なお色褪せていません。

 隣国との関係改善は大切です。
 米国一辺倒から脱却しなければなりません。
 独立国に他国の軍事基地があるのはおかしいです。

 前回衆議院選挙の時、
 候補者にこの問題を国会で議論して欲しいと要望した。
 しかし彼は「難しい」と言葉を濁すだけでした。

 現代日本は効率や利潤追求に明け暮れ、
 経済第一主義が加速している。
 道義心は薄れ飽食と消費に明け暮れている。

 三島さんはそうした社会の荒廃に警鐘を鳴らしたのでしょう。
 弟が今の日本を見たら、ひどく嘆くに違いありません。

  

三島の作品で読んだ記憶のあるものは、
潮騒宴のあと午後の曳航仮面の告白複雑な彼
青の時代不道徳教育講座
どれもが面白かった。

流行語になった美徳のよろめきも読んだはずですが、
鏡子の家ははっきりしない。
金閣寺は難解でしたね。

最晩年の長編三部作は、三島の行動が奇怪で、読む気にならなかった。

  

  芸術新潮の今月号は三島特集です。
  こちらは図版が多く、執筆者は多士済々。
  年末年始はブログを休み、読もうか、と思っております。

  瀬戸内寂聴さんが12月10日朝日朝刊・残された日々に
      懐かしい。二人だけの思い出は自分が書き残しておくべきか
   と書いている。
期待しよう。

  挿絵は新潮文庫「yonada?」から。

  201218


てにをは

2020-10-27 | 先輩のお言葉

  

   「言語に精通する」とか「日本語力を高める」などと言われるとき、それは得てし
  て、語彙を増やすことや、単語の意味をより深く理解することを指している。
  しかし重要なのは語彙だけではない。

  単語の並べ方、助詞や接続詞の使い方、読点の打ち方など、語彙同士を結び
  付ける様々な技法も、言語を形作る本質的な要素なのである。

  

こう書いたのは哲学者古田徹也先生であります。 (10月1日朝日 朝刊言葉と生きる)
なるほど。で、例えばどんな例があるか。先生がTVやネットで集めました。

  藤井二冠を殺害予告疑いで逮捕
  逮捕されたのは、藤井さんに対して殺害予告をした人物である。

  列車が人と接触して死亡
  死亡したのは、列車に接触した人である。

  14人感染、さいたまの中学生など1人死亡
  死亡者は、60代の男性だった。

  これらの見出しの問題は、いわゆる「てにをは」の基本がなっていない、ということだ。

  

ふ~ん、なるほどなぁ。
それで、どこをどう直したらいいのか。
それを考えていると、秋の一日、有意義に過ごせます。

と言えるかなぁ.........。

201027


次に来るもの

2020-06-03 | 先輩のお言葉

トーキョーアラートだと?

小池百合子はもぅ結構だっ、という方へ。
清水ミチコさんが、ステイホームを呼び掛けておられます。
先ずはご清聴くださいませ。

  stay home ( youtubeは壊れてませんよ)

ミチコさんは、仕事を全部キャンセルされてしまい、予定表は真っ白に。
街は赤信号で、気分はブルーとか。

毎日、台所に立っていると、自分は音楽より料理が好きだったんだ、と気付く。
そして世の中は変わる、どんな世界になるか見届けるまで、生きていたい由。
(5月4日付朝日夕刊、連載随筆「まぁいいさ」▼)

however。
じじぃは、コロナがジャパンを変える、とは考えられません。
アマゾン超巨大化、インバウンド全滅、テレワーク浸透、コロナ離婚蔓延・・・・・。
などという現象は見られるでしょうが、日本人のまぁいいさ気質は不滅です。

じじぃに残された時間は少なく、明後日のことを思い煩うヒマはありません。

  給付金もマスクもまだ来ない。
  だけど、何に使おうか、とワクワクしてます。
  6月は、希望あふれる初夏になるかも。

   広報HIDAKA6月号は来ました。

  震度4の地震が茨城県と鹿児島県で発生。
  このところ地震が多いですね。いよいよ来るかな?

  200603


1行27文字

2020-05-15 | 先輩のお言葉

コピーライター界で大活躍した糸井重里さんによると、

  ネット上の文章は、1行27文字以内でないと読まれない。

と言っておられます。
また、映画を輸入し全国に配給している東北新社の字幕担当者さんは、

  お客さんは映像に集中しているので、邪魔にならないように、1行14文字以内にする。

そうです。

そこで、ほぼ日刊イトイ新聞を覗いてみました。
糸井さんが「日替わりエッセイのような」としている「今日のダーリン」。
なるほど、確かに読み易い。
(敢えて注文を付ければ、行数を半分にしていただきたいものです)

なお、清水ミチコさんのブログ「4325」は1行の文字数は、糸井さんより少ないです。
コロナ以前から、行間をディスタンスしてるので、とても読み易く、本業同様に面白いよ。

  

  森生は長い記事が書けなくなりました。
  ネタ切れの所為もありますが。体力視力気力が衰えてきたからです。

  ひと様のブログも、長い記事は読む前に尻込みしてしまいます。

  ブログ界の諸先輩へ。
  記事は、なるべく短くしてくださいね。

  ペンネとマカロニの写真はこちら、キッチン鋏はこちらさまから拝借。

  200515


リーダーシップ

2020-04-17 | 先輩のお言葉

愚図愚図、もたもた、ふらふら。すべてが小出し、後手後手。
蹴飛ばしてやりたくなりますな。

 

 新型コロナウィルスが猖獗を極めている。
 地域封鎖も大量検査・徹底隔離もしてこなかった日本でも先週、遂に地域限定緊急事態宣言が出た。

 国民の命に関わる非常時に、政府は様々な強権措置を発動し、国民に忍耐を強いる。
 ある意味、民主主義の危機でもある。
 指導者は起こり得る事態を事前に説明し、国民の不安を最小限に抑え、政府への理解と協力を得なけ
 ればならない。  
 この時、試されるのは指導者の指導力・胆力、コッミュニケーション能力だ。

 ドイツのメルケル首相、英国のジョンソン首相、フランスのマクロン大統領は、みな動画で国民に直
 設メッセージを送っている。
 正面を見据え、自身の言葉で事態の深刻さを語り、国民に忍耐と協力を求め、前線の医療関係者に感
 謝し、先頭に立ち国民と共に戦う決意。そして全責任は自分が負う、と締める。
 言葉だけでなく表情や口調からも、強いメッセージが伝わる見事な会見だった。

 翻って我らが指導者はどうか。
 用意された原稿、事前に調整された質疑応答、修飾語の連続。視線は左右のカメラを行き来し、質疑
 時は下を向きメモを読む。
 巨額の経済対策を得々と説明するが、休業補償はやらない。
 医療崩壊阻止も、結局は国民の自粛頼み。
 経済も大事だが、今は命と医療を守る方が優先なはず。
 敢えて休業を決断した百貨店を非難するなど耳を疑う。危機感が無さすぎる。

 安心のメッセージが各世帯に布マスク2枚と、自宅で犬と寛ぐ動画ではいくら何でも酷すぎる。
 日本は本当に大丈夫なのか。(呉田)

以上は、14日付朝日新聞朝刊10頁「経済気象台」から、ほぼ全文転記しました。
このコラムは第一線で活躍している経済人・学者ら社外筆者が書いているそうです。

 

 同じ朝刊22頁文化文芸欄「多和田葉子のベルリン通信」も読ませます。
 筆者はベルリン在住の小説家・詩人です。

 疲労感を滲ませながらも、理性へ静かに訴えるメルケル首相と、ドイツ国民の対応が活写されています。
 ドイツでも当初、若者たちの多くはパーティに明け暮れていたそうです。
 是非お読みください。

  

 それから僭越ながら、林住記の過去記事「新・戦争論」もね。

 200417


売り切れ

2020-03-02 | 先輩のお言葉

  

スーパーの棚から、トイレットペーパーやティッシュペーパーが消えていました。
こんな田舎まちでも、デマで浮足立った人々が買い占めたらしいですね。

昔、オイルショックに見舞われた時、日本中の店からトイレットペーパーが無くなりました。
あの時も、買い占める人が続出したので、供給が追い付かなくなっただけでした。

  

当時、朝日新聞が、有名人に品切れ騒ぎについて質問しました。
いろいろあった尤もらしいご意見と感想の中で、一際目立ったお言葉がありました。
それは故・樹木希林さんのものです。

  もともと自分の身体の中にあったものでしょ。
  手で拭けばいいのよ、手で。

スバラシイ!
希林さんが亡くなってから、名言集がいくつも出版されています。
しかしこのお言葉が載ってる本は、多分ないと思います。

                        

あのころじじぃはね、商品を現場に供給する本社仕入部門にいました。
あっちこっちの現場から、突き上げられたので、希林さんのお言葉ははっきり覚えています。

ところで。
うちは消費増税前に、車でなくトイレットペーパーを買っておいたから大丈夫▲
ご同輩に分けてあげてもいいよ。

  オイルショックとトイレットペーパーの関係は忘れました。
  コロナウィルスとの関係は、あほらしい。
  熱いお湯を飲む、という信じ易いお人もおられるようで........。
  (石油ストーブはリンナイ、というお方も)

  200302


家事倹約

2019-11-12 | 先輩のお言葉

去る2日の朝のTBS-TVです。
新婚ほやほやの阿川佐和子さんと、山本海苔店の看板娘山本陽子さん。
お二人が対談をなさっておられました。

ポルシェで疾走する陽子さんは、ラップを使い回しするそうです。
佐和子さんは深~く頷かれました。

何を隠そう、15年前のダイハツでよたよた走るじじぃも、ラップを使い回します。
人前ではしませんが、カレーライスを食べ終えた皿は、洗う前に、舌で舐めて綺麗にします。
家事に倹約は大切ですからね。

ところで、風呂場磨きは一通り終了し、入浴後に裸で、飛び散った水分を拭きとってました。
けれども寒くなったので、初夏まで風呂場は成り行きまかせにします。
家事は大変ですよね、終わりがないもの。

  いま、代わりに熱中している家事がシンク磨き。

  

  設置後10年以上経ったシンクの汚れは、なかなか落ちません。
  洗剤や研磨剤や特殊スポンジなどを、いろいろ試したけれど全てペケ。ムダでした。
  シンク磨きを習慣にしているお母さんには、有効なのでしょうが。

ところが最近、吃驚するほど汚れが落ちる薄く固いスポンジを発見。
水で湿らせ、数日磨いただけで、ステンレス製シンクは新品同様の輝きが戻りました。
洗剤は不要。値段は1個が僅か218円。倹約の極み。お求めはこちらへどうぞ。

  あだしごとはさておき。

  

  陽子さんは、魂消たことも教えて下さいました。
  余った食品保冷剤をレンジでチンし、袋を破り靴に入れれば、消臭剤になる由。

  毎日、足を綺麗に洗っていれば、臭わないんですけどねぇ、陽子さん。
  昔の男子高校生のような、麗人の倹約ぶりに驚きました。

  191112


思い出は身勝手

2019-09-27 | 先輩のお言葉

朝日新聞朝刊の連載小説「ひこばえ」がいよいよ終わる。
面白く、ホロリとさせられ、また、とても勉強になりました。

主人公は大企業が経営する老人ホームに、施設長として出向している洋一郎。
最近、娘に孫が生まれた。サラリーマンとしては、先が見えた年代である。

ある日突然、幼かった自分と母と姉を捨てた実の父の死を知らされ、遺骨の処理を迫られる。
記憶に無い父を知るために、残された携帯の履歴から、父の知人たちを廻ることになる。

連載回数は今朝までで468回。この1年余り、毎朝、欠かさず読んでいました。
結果、洋一郎ほか登場人物の一人ひとりが、遠くの親戚より親しく感じられるように。

中でも晩年の父の親友だった、少し乱暴なトラック運転手の神田さん。
父と一時同棲し、今はシェアハウスで、若い住人から慕われながら、最期を迎える小雪さん。
父が最後の10年を過ごした、アパートを経営する、面倒見がいい川端夫人。

みんな個性が際立つ、いい人ばかりだった。
ホームの入居者で、息子自慢の後藤さんは、面倒くさいじぃさんだけど。

小雪さんが残した言葉が、森生の記憶に残りました。

  思い出は身勝手でいい。

  

  この小説は単行本になったら必ず買うつもりです。

  190927


そやな お聖さん

2019-06-13 | 先輩のお言葉

  

田辺聖子さんが91歳で亡くなった。

森生はお聖さんの大ファンであります。
このところ、関西育ちでお友だちの佐藤愛子さんが大活躍なのに、お聖さんの音沙汰がなく、心配していた。

週刊誌に連載されたカモカ随筆に馴染んで以来、随筆・対談・小説・古典文学の解説など、沢山の本を読んだ。
男女・夫婦・人生の機微に触れた軽妙で平明な文章は存分に楽しめ、たいへん勉強になった。

いま樹木希林が残した言葉が話題になっているが、お聖さんにも多くの金言がある。
例えば、

  人生はだましだまし保つもの ごちゃごちゃしてううちに 持ち時間 終わるわよ

  家庭円満のこつは 見て見ぬふり   夫婦円満に至る究極の言葉はただひとつ「そやな」

  幸福な人は親切

等々です。誰かお聖さんの名言集を纏めて欲しい。

また一人、大切な先輩が旅立った。合掌。

  

  挿絵はお聖さん(左)と佐藤愛子さん。和田誠肖像画集「PEOPLE2」から。
  なお失礼ながら、左右反転させました。

  190613


弔辞と評伝

2019-02-26 | 先輩のお言葉

日本文学の研究者で翻訳家でもあったドナルド・キーン氏が96歳で亡くなった。
大震災を機に日本に帰化した「鬼 怒鳴門」氏の死を悼む、瀬戸内寂聴師のお言葉です▼
25日朝日朝刊

  お互いに年をとっても仕事をやめず、キーンさんは海外旅行を平気でする。
  私はその真似はとても出来なく、よろよろしてきた。
  私が先にあの世へ旅立つだろうと思っていたので、訃報に呆然としている。

  でもキーンさんも気の置けないお喋り相手が必要になる。
  そのうち私を呼びに来ずにはいられなくなるだろう。

  その日が待ち遠しい。

心が篭もった別れの言葉ですね。
なお寂聴さんは、去る2月14日同紙朝刊文化・文芸欄に弔文を残している。
それは急逝した甥御さんを「二月の鬱」と題して惜しんだものです。
暖かく可笑しみがあるので何度も読み直した。

今朝の「天声人語」もいい。長くなるので末尾だけ転記します。

  キーンさんがきのう、96年の生涯を閉じた。
  日本の読者にも、日本文学の底にあるあるものを再発見させてくれる。
  そんな冒険に終止符が打たれた。

行き届いた評伝になっているので、是非お読みください。
キーン氏は、気難しい川端康成や谷崎潤一郎にも、一目置かれた人だった。
合掌。

190226