読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

安倍国葬反対・安倍と統一協会との関係の調査が先だ!

2022年09月27日 | 日々の雑感
安倍国葬反対・安倍と統一協会との関係の調査が先だ!
(この記事は9月27日まで固定しています。最新の記事はこの次を見てください)

本日の朝日新聞第一面
「1975年に佐藤栄作元首相が死去した際、当時の吉川一郎内閣法制局長が国葬について「法制度がない」「三権の了承が必要」との見解を三木武夫首相にしめしていた」。

さらに鎌倉市議会が次のような国葬反対の意見書を9月8日付で提出した。議会が提出したものだけに、法的な根拠の欠落、岸田内閣が根拠としている「内閣府設置法」が根拠にできないことを、歴史的なことも含めてしっかりと示している。
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法制度のうえではこういうことなのだろう。
だが私が安倍の国葬に反対するのは、悪政を行なってきた張本人にどうして国葬をしなければならないのか理解できないからだ。

安倍のやってきた悪事
1.教育基本法改悪(2006年12月)
2.特定秘密保護法制定(2013年)
3.首相として靖国神社参拝(2013年)
4.アベノミクス(2013年から)と称する経済政策によって日本経済を弱体化
5.東京五輪誘致で「フクシマはコントロール下にある」「健康問題については、今までも現在も将来も、まったく問題ない」などと発言して被災者をはじめとした多くの国民を激怒させた
6.プーチンとの拙い首脳会談によって「北方領土」返還、「2島」返還さえ不可能にした(2016年12月)
7.「武器輸出三原則」改悪を閣議決定で勝手に決めた(2014年4月)
8.数々の嘘を公言(福島第一原発事故で民主党の菅総理が海水注入を止めたと嘘発言、森友学園への国有地売却問題で本人や妻が関与しているなら首相も国会議員も辞めると答弁して文書の改ざんに影響を与えていながら、否定する嘘発言―これは自殺者が出た、「桜を見る会」問題での嘘発言)
9.黒川東京高検検事長の定年延長を閣議決定
10.一国の首相とは思えないほど下劣なヤジの数々
11.統一協会の大会に祝電を送ったり、大会にビデオメッセージを送るなどして彼らの活動に連帯を示した。

国葬ということになれば、黙祷をしろだの、反旗を掲げろだのという強制がまかりとおることになる。国民の心にまで土足で踏み込む行為は許せない。

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『未完の敗戦』

2022年09月25日 | 評論
山崎雅弘『未完の敗戦』(集英社新書、2022年)

日本とドイツ。どちらもファシズムによって自国民と周辺の国々を戦争の惨禍に巻き込んだという共通点を持つが、戦後の両国の歩みは正反対だと言っていい。

ドイツはナチズムときっぱり手を切り、ナチ思想の復活を許さない教育を進めている。そして現在の政治家たちも多くが手を切っている。

日本の支配層の精神構造が「大日本帝国思想」にあることは、コロナ問題でいかんなく発揮された。太平洋戦争の敗戦で日本は変わったと思っているのなら大間違いだ。何も変わっていない。いまだにコロナ禍に「竹槍」(精神論)「大本営発表」(嘘八百の情報ばかり)

日本は、戦後すぐは大日本帝国思想と手を切る方向へ進んだが、冷戦によるアメリカの方針転換によって、大日本帝国思想が復活を始めて、現在では支配層を牛耳っている。

こう考えれば、一見すると矛盾しているように見える、韓国発祥の統一教会と深く癒着をしながら、慰安婦問題・徴用工問題で韓国を否定するのも、コロナ禍の中でのオリンピック強行とか非正規雇用増大とかのように国民を虫けらのように扱うのも、太平洋戦争での軍人たちの悲惨な死(病死が半分)や若者たちを特攻で死なせたのも、すべて根っこは同じだということがわかる。

では対米従属は?大日本帝国はアメリカを敵として戦ったのではないのか?これについては内田樹が『「意地悪」化する日本』の中で、こう説明している。内田は、敗戦による日本の支配者たちは、国家戦略として、アメリカの属国になって忠義を尽くしアメリカから「信頼できる同盟国」という承認を獲得することができれば、アメリカから「自立のお許し」が得られるかもしれない、その日までがんばって従属しようという選択をしたという。まさにアメリカを支配者とする忠義国家になるという選択だという。

私たちは支配層を冷笑しているだけでは日本を変えることはできない。行動によって変えていくしかない。

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『腎臓が寿命を決める』

2022年09月20日 | 自然科学系
黒尾誠『腎臓が寿命を決める』(幻冬舎新書、2022年)

このあいだ新聞に父親が突然ベジタリアン(それも一番きついやつ)になると宣言して、育ち盛りの子どもがいるために母親が二種類の食事を作らなければならなくなって家中が大騒ぎになったという話を読んだ。それが面白かったのは、これは当事者ではなくて、子ども目線で書いてあるのだが、父親がベジタリアンになったのは、なんか高邁な考えがあってのことではなく、たんに早死したくないという健康オタク的発想だということなのに、老後はアルツハイマーや…になってしまい、世話をしなければならない母親を困らせているという。

人間の体はなにがどうなるかわからないことがまだまだ多いのだが、それでも多くの研究者たちによっていろんなことがわかってきている。その一つがこの本で書かれていること、つまりリンの過剰な摂取が体によくないどころか、老化を早めるという。

この本で刺激的なところをピックアップ

1.リンは血中で高濃度になると「細胞毒」のように働く
2.リンは知らず知らずのうちに口に入ってきてしまっている
3.日本の食は「添加物まみれ」&「リンまみれ」状態

恐ろしや!この本は2022年のものだが、リンの過剰摂取、つまり添加物がたくさん含まれている食品―ハム、ベーコン、ウィンナーなど―は体によくないということは以前から耳にしていた。

私はベーコンなどが好きな方で、イタリアン風の炒めものやパスタを作るときによく使っていたのだが、たまに使うのはいいとしても、毎週数日も使うのは怖いなと思うようになって、だいぶ前に辞めた。

この本ではそれが科学的に検証されているので、やっぱりなという感じて読んだ。

とにかく食品添加物の多いもの、いわゆる加工食品はあまり使わないようにしている。できるだけ、肉でも切り身にしただけのものを買って、焼く・煮るだけで、味付けも市販の焼肉ソースなどは使わずに、塩とこしょうだけというものが多い。

あれやこれやのサプリメントを飲むのに金を使う前に、この本にも書いてあったが、「おばあちゃんの知らないような名前の食品を食べない」ようにするだけでも、ずっと健康を維持できるのではないだろうか。

最近、長寿の人が多くなっているのは、いまの90歳以上の人は昭和の初めの生まれで、たぶん4・50歳まで食品添加物の多いものは食べていなかった世代だと思う。こういう生活をしていたらこんなにも長寿になるのだろうが、最近の若者は子ども時から食品添加物まみれのものを食べてきているから、平均寿命はだんだんと下がってくるだろうな。うちの子たちや孫たちにも教えてやれねば。

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不愉快な『神々のたそがれ』

2022年09月18日 | 映画
不愉快な『神々のたそがれ』(バイロイト音楽祭2022)

9月11日にNHKで今年の8月にバイロイト音楽祭で上演されたワグナーの『神々のたそがれ』が放送されたので、録画しておいたものをやっと昨日見ることができた。

じつはこのブログでも書いてきたのだが、びわ湖ホールで4年がかりで『ニュールンベルグの指輪』が上演され、それを第三作まで見た。

『ラインの黄金』
『ワルキューレ』
『ジークフリート』

シリーズ最後の『神々のたそがれ』はコロナで無観客上演をネットで見るというものになった。それ以前に、私は自分の都合で予約もしていなかったので、半分諦めていて、このネット上演も「もうええわ」と見なかった。

しかし、今回テレビで見ることができるので、せっかくなら見ておこうと思い、時間が取れる土曜日を使って4時間半くらいもかかるのを全部我慢してみた。

びわ湖ホールの演出はミヒャエル・ハンペでオーソドックスだが、シルクスクリーンを使用して、超自然現象(ライン川の水の精霊たちが水中を泳ぐ、女戦士たちが馬に乗って空を駆ける、など)を上手に演出していて、ワグナーの意図を忠実に描きだそうとするもので、非常に好感が持てた。

ところがバイロイト音楽祭2022は、ヴァレンティン・シュヴァルツという人の演出で、最近良く見かけるタイプ。つまり服装や舞台美術を現代に持ってきて、神話を現代の家庭の話にするというものだ。

このような演出があることは知っていたが、見たことはなかった。見るまでは、言葉が神話的な語彙や超自然現象的な言葉を使うのに、日常生活を見せる世界と違和感があるのではないかくらいにしか考えていなかったが、たいへんな勘違いだった。

それどこではない、ひどく反社会的な演出だということがわかった。まず神話的主題といっても、同じように神話を題材にしたフランスのバロックオペラによくあるものだが、ある意味で、男女の色恋いや恋愛の駆け引きが宮廷内や神々の権力争いとして描かれるという場合が多い。つまりそこだけ取り出してみれば、早い話が、男女の痴話喧嘩である。

このような現代世界に移植した演出は、神話的側面を削ぎ落として、本当に単なる痴話喧嘩にしてしまう。この『神々のたそがれ』もまったく同じ。ブリュンヒルデやジークフリートの神話的力はまったく消し飛んで、ただの結婚生活に飽きた中年男のジークフリートが嫁探しをしているグンターに自分の嫁を策略によって譲り渡すという話に単純化されてしまっている。

そしてこの大作オペラの主題の一つである「指輪」は二人のあいだの子供(10歳くらいの少女を使っていた)ということにして、その子を小突き回したり、引っ張り回したりと、この少女の親が見たら腹を立てると思うような演出をさせていて、不愉快この上ない。

たいていは痴話喧嘩を思わせる歌詞、でもときどきそれとまったく相容れない神話的歌詞、そこにまったく場違いない音楽の連続、音楽をそぐわない舞台美術、もう、すべてがバラバラの演出に、やれやれという思いで見終わった。いったいこれのどこがブラヴォーなんだか。

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『異常』

2022年09月03日 | 現代フランス小説
ル・テリエ『異常』(早川書房、2022年)

2020年夏にフランスで出版されるとあっという間に110万部のミリオンセラーになり、ゴンクール賞という、フランスで格式の高い文学賞を受賞したという本で、日本でも著名人たちが賛辞をツイッターなどに書いているというので、私も読んでみたのが、…。

2021年6月にパリ・シャルル・ド・ゴール空港を飛び立ったエール・フランスの飛行機が大西洋で激しい積乱雲の中を飛行した後に、3月に同じ航路を飛んでいた飛行機の乗客・乗員が複写されたという。

つまりまったく同一人物たちが二人ずつ存在するという事態が起きたという話である。

もちろん3月の乗客はその後の3ヶ月間を過ごして各人の人生を生きてきたのだが、6月の乗客は3月の乗客のままなので、その後の3ヶ月間の人生を持っていない。

小説の前半三分の一はこの乗客たちのそれぞれの生活が断片的に描かれる。そして最後の三分の一は二人ずつになってしまった乗客が対面する様子が描かれる。

ある殺し屋は、密かに拘束されていたキャンプを逃れて、自宅に戻ると3月の自分に殺されてしまう。

たしかに衝撃的なことに違いないのだが、あまりの荒唐無稽さに私にはまったく感動も何もなく読了した。何が面白いのか理解できなかった。

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