読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

『悪魔がお前の名前を呼ぶ時』

2020年10月26日 | 韓国文学
韓国ドラマ『悪魔がお前の名前を呼ぶ時』(2019/tvN)

この間までBS5で『悪魔がお前の名前を呼ぶ時』をやっていた。悪魔に魂を売って、代わりに自分の欲しい物―たいていはお金、名誉、若さといってもの―を手に入れることになるのだが、10年たつと、契約が終了して、魂を回収されてしまい、魂のなくなった人間は極悪非道の人間になるという話。

設定そのものは荒唐無稽だし、この悪魔というのがもともとは神だったのだが、悪事をしたかなんかで神の世界から追放されたという設定で、神と悪魔の関係が今ひとつよくわからないなかったりするのだが、まぁそんなことはどうでもいい。

人間の幸せとはなにかという根本的な問題に焦点を当てたドラマといってよく、そういう意味ではなかなか良くできている。

いつも言うのだが、韓国ドラマは役者がうまい。主演のチョン・ギョンホはこのドラマのためにボイストレーニングやギターなどの練習を積んで出演したらしいが、いい声しているし、演奏もかっこいいほど上手い。

そして準主演の新人女優のイ・ソルもそんな美人じゃないけど、チョン・ギョンホのためにあらゆる悲惨を舐めさせられたのにきれいな魂を持っている若い女性をケレン味なく演じていて素晴らしい。

チョン・ギョンホの事務所社長のイエルとかチョン・ギョンホの息子役のソン・ガンとか新人に近い人たちも、いい演技をしていた。

そして特筆すべきは、作詞作曲して歌う歌手という設定なので、ドラマの中で歌われる歌が大きなウエイトを占めるのだが、ソ・ドンソンとパク・ソンイルという人たちが作った歌のようだが、これがまた、人生の悲哀をしみじみと感じさせるいい歌ばかりだ。

こちら

 

に和訳つきで掲載してあるし、音楽もそこで聞ける。男声はチョン・ギョンホが実際に歌っている。女声は女優のイ・ソルではなくてソンディアという歌手が歌っている。

『悪魔がお前の名前を呼ぶ時 DVD-BOX1』へはこちらをクリック

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不買→菅義偉『政治家の覚悟』

2020年10月25日 | 日々の雑感
不買→菅義偉『政治家の覚悟』(文春新書、2020年)

2012年に出版された菅義偉の『政治家の覚悟』が新書判で出版されることになったが、新書版には「政府が記録残すのは当然」と民主党政権を批判していた部分が削除されているという。

菅義偉オフィシャルブログにも2012年1月28日に同じ内容の記事があるのを知った。見つけてくれた人に感謝。

こちら



当然、本人が指示したことであろう。まさか出版社の編集者が忖度して削除したわけでもなかろうし(って、どうやらそうらしい。こちらの記事)、万が一そうだとしても、著者は菅義偉なのだから、著者の責任である。

民主党政権時代には政府を批判するために「政府が記録残すのは当然」と公言しながら、自分が首相になったとたんにこれをなかったことにするとは、厚顔無恥も甚だしい。あったことをなかったことにするのも、ないことをあるように言うフェイクと同じではないか。そんなことをして、よくもまぁ総理大臣だと大きな顔をしていられるものだ。

こんな本は絶対に買わない。

こちらのニュース

日本学術会議の任命拒否問題では、テレビの報道で菅は「推薦された方々が、そのまま任命をされてきた前例を踏襲をしてよいのかどうか、考えた結果」 だと言っているが、「前例を踏襲しない」のなら、なぜ「前例踏襲」をやめることにしたのか、そしてあの6人をなぜ任命しないのか、説明をしろよ!


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『亡国の集団的自衛権』

2020年10月19日 | 評論
柳澤協二『亡国の集団的自衛権』(集英社新書、2015年)

防衛審議官、運用局長、防衛庁長官官房長、さらには内閣官房副長官を勤めた人による、安倍内閣の集団的自衛権批判の本。本当に集英社新書は骨のある本を次々と出している。立派だ!!

総理大臣は自衛隊の指揮権を持っている。どういう状況で、何を目的に、どういう方法によって、何を達成するのかというような具体的なことを念頭に置くこともなく、情緒に訴えるようなやり方で、アメリカの戦艦などが攻撃されたら、同盟国として座視しているわけにはいかないから、集団的自衛権をできるようにしたいというような発言をしてきたこと、そして集団的自衛権という重大かつ憲法違反になるようなことを国会で審議せずに閣議決定という形で通してしまったことを、まったく危険きわまりない行為だと批判している。

安倍が憲法違反の集団的自衛権に大きく逸脱した決定を行うにあたって論拠とする外国での日本人救出だとか「友達が殴られたとき」だとかは、情緒的に判断することではないという。第一に日本人救出には集団的自衛権は必要ないという。また「友達が殴られた」としてもアメリカは「殴り返す」ことを求めてはいないという。

集団的自衛権は、日本が想定しなければならないものが無限に拡大し、そのために無限の軍備拡張が必要になり、現実的ではないという。そもそも日本として世界のなかでどういう役割を果たすのかということを、国会で十分に議論することもなく閣議決定したことも、著者から批判されている。

この著者は、実際に自衛隊を動かすための指導的立場にあった人なので、普段私達がぼんやりとしか考えていないことを、私たちの盲点となっているような視点から、緻密に、論理だてて、なおかつ現実の政治や軍事的力関係などをもとに説明してくれるので、分かりやすい。

これまではこういう人が防衛官僚にいて、政治の暴走が抑えられてきていたのだが、安倍内閣になって、そういう歯止めが効かなくなっているということなのだろう。恐ろしいことだ。

先頃、中曽根康弘元首相の葬儀が国費で行なわれた。日本を「不沈空母」だと言って、アメリカに差し出した男の葬儀をなぜ国民の血税を使うのか!腹立たしい。

そうそう、中曽根康弘といえば、こんなツイッターの投稿を見つけた。美輪明宏って本当に立派な人だ。
こちら

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『限界の現代史』

2020年10月14日 | 人文科学系
内藤正典『限界の現代史』(集英社新書、2018年)

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授をしている人で、現代イスラム地域研究、社会地理学、ヨーロッパの移民・難民問題の専門家ということで、イスラーム問題についての本が多い。

このブログでも『ヨーロッパとイスラーム』という岩波新書のことを書いている。こちら

フランスの話をする時、移民問題を避けて通ることはできない。フランスでは人口6500万人のうち、450万人の正規移民とおよそ50万人くらいの不法移民がいると言われている。全人口の8%くらいになる。

フランスでは同化政策といってたとえ移民であってもフランス共和国の精神を理解し、尊重し、「フランス人と同じになるならフランス人として同等の扱いをする」という同化政策をとってきた。

しかし、イスラーム系の移民が増えるについれて、この同化政策が現実と乖離するようになり、破綻をきたしつつある。私はフランスのことだから、こうした問題も、いまは混乱しているが、いずれは解決していくだろうと楽観的に見ていたのだが、どうやらそんな生易しいものではないようだ。

この本のタイトルの「限界」というのは、イスラーム世界での「アラブの春」運動をきっかけにした秩序の破壊が多数の難民を生み出し、彼らがヨーロッパへ流入したことによって、「自由・平等・博愛」とかオランダの多元主義・多文化主義など、それぞれの国々が政治と宗教の関係において築いてきたものが、ヨーロッパ諸国の国民だけのもの、イスラームを決して取り込もうとしない排外主義的なものであることが暴かれてしまったという。そしてそれがヨーロッパ諸国では既存の秩序では解決できないような矛盾を生み出し、まさに限界に達してしまったことを指摘したのが、この本である。

フランスは文化的にも制度的にも進んだ国で…などとのんきに話してばかりはいられない、そんな思いに捉えられている。私には理解できない世界の話で戸惑うばかりだ。

『限界の現代史 イスラームが破壊する欺瞞の世界秩序』 (集英社新書)へはこちらをクリック

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『日本会議 戦前回帰への情念』

2020年10月11日 | 人文科学系
山崎雅弘『日本会議 戦前回帰への情念』(集英社新書、2016年)

辞任した安倍とか首相になった菅とかを始めとして多くの閣僚が所属している日本会議なるものについて、たまに名前を聞くことはあるが、ほとんど知らないことから、最近、内田樹のツイッターでよく見かける山崎雅弘という人が出版した本ということで、読んでみた。

1997年ころに結成された組織ということで、意外と新しい組織のようだが、その思想と行動は危険きわまりないもののようだ。日本国憲法の理念を完全に否定し、戦前の日本に回帰することを最大の目標としている団体のようだ。

この本によれば、安倍が首相として最長記録を打ち立てた7年8ヶ月の在任中にやった主な「実績」はほとんどー教育基本法の改悪、集団的自衛権の拡張ーが、この日本会議が主張していることに重なっている。というよりも、安倍は国民のための政治ではなくて、日本会議の方針にもとづいて行政を行ってきたと言っていいのではないだろうか。

日本会議は天皇を国家元首にしようとしているし、また彼らの道徳観によれば、天皇は家族の父親のようなもので絶対的敬意を向けなければならないと言いながら、実際には昭和天皇に空前絶後の存命の危機をあたえた東条英機のことは決して悪く言わないらしい(101頁)し、平成天皇の言葉も無視しているらしい(102頁)。結局、彼らは天皇を政治利用したいだけのことだということが指摘されている。

安倍は首相として、つまり行政の長として、日本国憲法を最大限に尊重しなければならない立場にありながら、「みっともない憲法です」と日本国憲法を貶めるような発言をしているそうだ(190頁)。日本国憲法に批判的な考えをもつのは構わないが、首相としてこんな発言をすべきではない。まぁ「立法府の長」など公言するなど、三権分立さえも理解できない人のようだから、無理もないが。

日本会議の考えでは太平洋戦争は「大東亜戦争」であって、米英の支配から東亜を解放する「自存自衛の戦争」であって、決して侵略ではなかったということらしいので、アジアに侵略してもそれは自衛権の発動ということらしい(208頁)。だから今も北朝鮮のミサイルを口実にして、先制攻撃ができるように解釈を変えようとしている。まったく危険きわまりない。

日本会議や安倍・菅の危険性をもっと広く知らしめるためにもこうした本が沢山の人に読んでもらいたいものだ。

安倍の後を引き継いだ菅もその本性を現している。学術会議任命拒否問題で菅首相へのインタビュー場に入れたのは3人だけで、あとは別室で音声だけ聞かされる。質問もできない。こんなことされてへいへいと従っているジャーナリストたちってジャーナリストって言えるのか?

日刊ゲンダイで、フランスの新聞の特派員が、代わりにその異常性を指摘している。こちら

『日本会議 戦前回帰への情念』 (集英社新書)へはこちらをクリック

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Firefoxユーザープレゼントなる詐欺に注意!

2020年10月08日 | 日々の雑感
Firefoxユーザープレゼントなる詐欺に注意!

昨日Firefoxでネットサーフィンをしていたら、突然紙吹雪の画面になり、「親愛なFirefoxユーザー様、あなたは…2020番目のラッキービジターです。アンケートに答えていただいた方には、iphone11が当たるチャンスがあります」というメッセージが表示された。

3つくらいのアンケートに答えたら10万円超のiphone11を100円でプレゼントするというもの。下には「さっき届いたよ」というようなプレゼントをもらった人のメッセージもずらずらと表示されており、貧乏根性の私にはかなりの誘惑で、5分くらい迷った末に、この画面のアドレスがFirefoxと無関係のものであることに気づいて、これは詐欺やなと思い、Xをクリックして画面を終了した。

あとでいろいろ調べてみたら、やはり詐欺サイトのようで、あちこちで注意を促しており、ここにリンクしているサイトが一番わかりやすかった。下手するとここに書いてあるように、クレカのナンバーや暗証番号を盗み取られるところだったと胸をなでおろした。

これはFirefoxだけでなくGoogleChromeやiphoneのSafariにもあるようだ。みなさんご注意を。


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『コロナ黙示録』

2020年10月06日 | 作家カ行
海堂尊『コロナ黙示録』(宝島社、2020年)

たまたまこんな小説があることを知った。しかも著者は『チーム・バチスタ』の海堂尊だ。面白くないはずがないと直感してすぐに購入した(私としては珍しいが、図書館に予約を入れたら200人くらの予約が入っていることがわかったので)。

予想通り面白くて、一気読みした。

私がこの半年思ってきたこと、注目してきたこと、憤慨してきたことなどなどが、もれなく書いてある。リアルタイムの小説であることも珍しいうえに、これほど共感できる小説も珍しい。

例えば、世界中で感染者が急増しているのに、日本では増えていかない、発生源の中国からの旅行者を入れ続けているのに、どうして?と思い、だんだんとオリンピックを中止させないために日本は汚染されていないことを数字で示そうとする安倍や小池に忖度して厚労省がPCR検査を抑制していたからだと思うようになってきたが、まさにそのとおりだったことが書いてある。

森友問題での文書改ざんがいかに重大な問題だったかも明確に書き込まれている。昭恵夫人の仲介で8億円が1億円の格安物件とになったこと、昭恵夫人の口利きを書き込んであった公文書の改竄を指示した役人は昇進し、改竄を苦にした職員は自殺したこと、この職員の妻が国家賠償裁判を起こしたこと、それを握りつぶそうとして黒川地検部長の定年退職延期の企みも、最後には、賭け麻雀のスクープで潰れ去ったことも書いてある。

もちろんチーム・バチスタなどで描かれていた医療関係の部分はほとんどがフィクションなので、クルーズ船の軽症感染者たちを受け入れた病院というのは作り話になってくるのだが、そういう虚実を混ぜ合わせながらも、全体としては、現政権を徹底的に批判するという、稀に見る小説になっているのが興味深い。

基本的な流れとしてのコロナ禍は現実に起きていることだし、それをコントロールできなかった政権の存在も現実なので、2020年という年を知るのに格好の参考文献として後々まで生き残る小説だと思う。

最後に書いておきたいことは、もう一つわからなかった(さすがにたんなる市井の人間にはわからくて当然だろうが)コロナ対策の指示トップが誰であるのかということだ。なるほど例の文春砲で不倫旅行をバラされた和泉首相補佐官と厚労省の女幹部のカップルか。

最近の話題としては、政府が11月から、中国、韓国、台湾などの国からの旅行者に門戸を開放する方針だという。東京は新規感染者数が高止まりのようで、ずっと200くらいを維持しているのに、最近、大阪は新規感染者数がずいぶんと減っているな、と思っていた矢先の報道だったので、ぴーんときた。

これも維新の吉村や松井が、門戸が開放されたら大阪に中国人観光客を呼びもどすために、「大阪は感染者数が減って安全でっせ」とアピールしているんだなと気づいた。オリンピック開催のために東京の感染者数を抑制していた発想と同じだ。

最近の大阪では7割が感染経路不明になって、完全に市中感染が普通になっているのに、そこへ中国などから観光客がわんさと入ってきたら、またたいへんな事態になることは目に見えている。

他のことならともかく、コロナ対策は命にかかわる問題だけに、対策を間違えた安倍や大阪維新の会は決して国民から許されることはないだろう。

『コロナ黙示録』へはこちらをクリック

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『リニア新幹線』

2020年10月02日 | 評論
橋山禮治郎『リニア新幹線』(集英社新書、2014年)

リニア新幹線の工事がすでに始まっているが、とくに静岡県の山奥での工事がえらいことになっているというネットのニュースを見て、そもそもリニア新幹線なんか必要なのかというところから知っておきたいと思い、この本を読んでみた。

結論から言えば、プロジェクトそのものがえらいことになっているという結論で、とてもじゃないが、今のうちに辞めるべきだということを提案している本だ。そもそもこの本が出たのが2014年なのに、6年もたった2020年でまったく軌道修正するような報道は見かけない。このまま突っ走るつもりなんだろうか。

それにしても、こんなプロジェクトはありえなという点ばかり指摘されている。

第1に、巨額に費用。現在でも9兆円になるという見通しだが、この本でも書かれているように、見通しどおりに行くプロジェクトはないという。しかも5年10年で完了するものではなくて、東京・名古屋でさえ27年開業と14年かかるし、大阪までの開業は45年と30年以上のプロジェクトなのだから、必ず予想できなかったことが生じて、費用が予想外に増えることは必至だが、そんなことは念頭にないらしい。

第2に、まったくペイしないプロジェクトだということで、これは当のJR東海のトップが断言しているというから、どうしてやるの!!という代物。赤字垂れ流しがわかっているようなプロジェクトに金を使うのなら、現行の新幹線の料金を値下げして、もっと利用者を増やすとか、老朽化が言われているインフラの整備にお金をかけて、今後も20年30年と使い続けることができるようにすればいいのに。

第3に、人体や環境への影響がまったくわかっていない。ものすごい強力強大な電磁波が生じるのだが、それが人体にどんな影響があるのかわかっていない。70%が地下トンネルを走るそうだが、トンネル工事がどんな影響を与えるのかもわかっていない。実際に運用し始めてから恐ろしい影響があることがわかったのでは遅いだろう。

第4に、70%が地下トンネルを走るのだが、地震大国の日本で地震が起きた場合、トンネル内で事故が起きた場合、システムに異常が生じた場合などの安全や避難などの想定や対策についてはJR東海が大丈夫だというだけで、何も検証が行なわれていないらしい。地上の線路での事故でさえも大変なことになるのに、道路のトンネル事故でも大変な救出作業になるのに、トンネル内で事故が起きたらという検証もしないで、大丈夫って、どんだけいい加減なんだ。

第5に、新幹線の5倍以上の電力を使用するらしいが、ただでさえ原発再稼働をさせないために電力消費量を抑えようとしている時代に、新幹線の5倍以上の電力って。

こんなプロジェクトは今すぐやめるべきだ。JR東海はそんなに儲かっているのなら、現行新幹線の料金の値下げやインフラの更新にお金を使ってほしい。政府もそういう方向で指導すべきではないのか。

最近でも2019年10月にリニア実験線の遮断器から火災が発生し、いまだにその火災で被害を被った作業員は面談さえもできない状態だという。そしてJR東海は「本人から詳細を聞けていない」という理由で、原因についての説明を行なっていないという。本人から聞けないのなら、一緒にいた人たちに聞けばいいはずだ。「本人から詳細を聞けていない」という理由で原因究明をしようともしないし、説明責任も果たそうとしないような会社にこんな危険なプロジェクトを続行させていはいけない。

この事故についてはこちら

『リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」』 (集英社新書)へはこちらをクリック

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