読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

『百科全書』

2017年09月27日 | 人文科学系
マドレーヌ・ピノー『百科全書』(クセジュ文庫、2017年)

有名なディドロとダランベール編集の『百科全書』についての、コンパクトな解説書がクセジュ文庫から出た。

解説書といっても、『百科全書』の内容についてはほとんど触れられておらず、

『百科全書』が出来上がるにいたった様々な出来事(出版者による企画、ディドロとダランベールが編集者になってからの出版企画の変貌、出版後の諸批判、出版差止め、出版協力者の内紛、ダランベールの離脱などなど)

執筆協力者、図版協力者、様々なバージョンの説明などが内容となっている。

もちろんこれらの内容は最新の研究成果をもとに書かれているわけだが、『百科全書』ってなに?どんな内容を持っているの?後世にどんな影響を与えたの?というような、基本的だけれども、重要な疑問をもっていて、関心があるという読者には、あまり役に立たないと言っていい。

私は大学の仏文科に入ってから、初めてクセジュ文庫というものがあることを知って、その網羅主義的な編集方針に感心して、いくつか読んでみたことがあるが、まず「面白かった」「夢中になって読んだ」というものは一つもなかった。

もともとフランスの大学出版局、通称PUFが学生向けに始めたもので、大学生の教養を培うことを目的としたもののようだ。したがって、最新の研究成果をもとに書かれているのだろうけれど、まるで教科書を読んでいるようなかんじで、面白くもなんともない。

今回の『百科全書』はNo2794ということで、ものすごい数の本が出されている。タイトルだけ見ると、「わぁ、面白そう」と思うものが多いが、私としてはあまりオススメできない。


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「バベルの塔」展

2017年09月18日 | 日々の雑感
「バベルの塔」展

台風一過の今日、大阪の中之島にある国立国際美術館に「バベルの塔」展を見に行った。10時開館なのでそれに合わせて行ったのがよかった。すでにチケット売り場に長蛇の列ができていたが、20分位の待ち時間だっただろうか。


私たちが見終わって出てきた頃(11時半)にはチケット売り場だけでなく、美術館そのものへの入り口にも入場制限がかかっていて、炎天下の中を長蛇の列ができていた。これは大変だ。チケット売り場は館内なのでクーラーも効いているし、しんどくはなかったが、外に並ばされたらしんどい。


今回は、最初にボスの絵をならべて、さらにブリューゲルの「聖アントニウスの誘惑」のような、人間の欲望を揶揄するようなグロテスクな絵(すべてがエッチングを使った版画)の最後に、「バベルの塔」が展示されていた。

この絵そのものは意外と小さくて、ここでもまた長蛇の列ができて、30分の待ち時間。もちろん私は並ばずに、後ろから(といっても1メートルくらいの距離)見た。私にはこれでちょうどよかった。拡大して見せたり、東京芸術大学が作ったCGを使って解説した視聴覚もあっていろいろ勉強になった。

ただこれ以外のほとんどの作品が小さくて、私には辛かった。「聖アントニウスの誘惑」にしても小さすぎて、細部がよく見えない。隣に拡大した複製を展示するというような工夫はできないものだろうか。

昼前に美術館を出て、近くのイタリアンでランチをして帰った。

さてさて、美術館で並ばずに入場する方法はないものかと調べたら、ありました。ネットで当日券を買う方法、そしてネットで申し込みしておいてローソンとかセブン-イレブンなどでチケットを引き取る方法がある。これだと、その日の朝になって、今日○○美術館に行こうかと急に決めても、パソコンやスマホで申し込みしておいて、近場のコンビニでチケットを引き取って、それを持っていけば、美術館のチケット売り場に並ばなくてもいい。

例えばこの「バベルの塔」展なら、こちら

これだけスマホが普及しているのに、これを使わない人が多いとは。案外知られていないんだな。



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石見銀山旅行

2017年09月10日 | 日々の雑感
石見銀山旅行

9月8日・9日と石見銀山を旅行した。私の地元からわりと近いし、息子の嫁のお父さんの出身が大田市だということで、今でも兄弟の何人かはこの辺りに住んでいるという話を聞いたこともある。

おまけに、親戚のおじさんも、この間久しぶりに会って話をしていたら、もともと石見銀山の大森小学校の教員をしていたらしく(と言っても戦中のこと)、そのお父さんが出征して、亡くなり、大森を去って、奥出雲のほうに養子に入り、成長してから安来の日立金属で働いていたということが分かった。私のまわりに石見銀山に関係のある人がわりといるのだった。

今回は、上さんと実家に行くということもあったので、6日に大阪を出発して、米子に二泊した。中一日は梅雨のようなシトシト雨で、もともと観光する予定はなかったものの、天気に恵まれなかった。

8日に米子から大田市まで特急と快速を乗り継いで行く。ポータブル時刻表を買っておいたから、これからが役に立った。大田市駅からはバスで30分くらい。30分に一本の割合で出ている。着いたら食事時なので、大森というところで降りて、近くの蕎麦屋で昼ごはん。

それから自転車(もちろん電動式)を借りて、上り坂を10数分上がると、龍源寺間歩(りょうげんじ・まぶ)という銀を掘っていた横穴の入り口につく。300円払って、坑道に入る。12度くらいの気温だということで、ヒヤッとする。前日は雨が降っていたこともあると思うが、あちこちで水滴がピタピタ落ちている。両側にはさらに掘り進んだという、人がやっと通れるくらいの坑道があっちにもこっちにも伸びている。しばらく行くと、観光のために掘られた広い坑道に出て、そこを上がると出口につく。ものの10数分のものだ。

間歩(まぶ)と呼ばれる坑道はあちこちにあって、すべて番号が振られているが、公開しているのはここだけ。あっけないといえばあっけない。

レンタル自転車を返して、大森の村を散歩する。平日ということあってか、なんとも寂れた雰囲気はどうしようもない。

代官所前の広場にあるカフェに入ってお茶をすることに。店内にいたのは、ガイドさん一人。この人が声をかきてきて、いろいろお喋りをした。ワンコイン・ガイドと言って500円で大森の村や間歩のガイドをしてくれるが、私たちはこのカフェで休憩中のガイドさんと話をしたおかげで、いろんなことを知ることができた。

それからお宿の「ゆずりは」に行く。外観は昔の家のままだが、中は新装してあり、よいお宿だった。広い、清潔、最新設備の三拍子がそろっていた、申し分ないお宿。素泊まりで12000円だが、私たちは夕食と朝食もつけてもらった。きっと田舎だから、外で食事をするようなことは期待できないと考えてのこと。もちろんこれも正解だった。旅館の夕食にありがちな、食べきれないほどの食事ではなく、私にもちょうどピッタリの量でよかった。残さずに食べれた。ただ肉類がまったくなかったので、若い人にはちょっと物足りないかも。
お宿「ゆずりは」はこちら

後から分かったことだが、大田市内にはビジネスホテルもあったようだ。プラザホテルさんべスカイホテルだ。口コミや支配人の対応を読んでいると、けっして悪いホテルではなさそう。

それにこれも帰りに分かったことだが、大田市の駅前にある「アステラス」という公共施設には誰でも5000円で素泊まりできる宿泊施設がある。一階にはカフェ・レストランもあるし、こういうところでも良かったんじゃないかな。でもこういうところは行ってみないと分からないからね。

9日は9時半に代官所前でバスに乗って、どこの観光もしていないのに、家に着いたのが6時半くらい。これがちょっと訳あり。

今回の旅行で私たちが使ったのは、JR西日本の「山陰めぐりパス」というもので、4日間有効で、東は鳥取から西は益田くらいまでの山陰エリアの自由周遊券だ。これのミソは自由周遊券エリアでは特急自由席に乗れること。ただし私たちにとってのネックは、行きと帰りに「新幹線+特急やくも」と「特急スーパーはくと」のどちらかにしなければならないこと。往復とも「新幹線+特急やくも」を使うことができない。もちろん「新幹線+特急やくも」のほうが圧倒的に速いし快適。

そういうわけで、最終日は10時30分に大田市駅を出発して、何度も乗り換え、そのたびに30分程度の時間待ちをして、おまけに時間のかかる「特急スーパーはくと」に乗ったので、お尻が痛くなるほど電車に乗ることになった。もちろんお得はお得なのだけどね。


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断捨離の日々

2017年09月01日 | 日々の雑感
断捨離の日々

ここ一週間ほど断捨離の日々を過ごしている。物にあふれている我が家を少しでも片付けたい、ゴミを捨てるのも元気なうちでなければできないと考えて始めた。

まず私の部屋から。もちろん私の部屋の断捨離となれば、一番の対象は本である。今のマンションに引っ越してきてから20年近くになるが、引っ越して早々に一度本の処分をしたことがある。ちょうど引っ越した直後だったこともあり、すでに箱の中に梱包済みだったものを中心に、引っ越してきて新たな研究の決意をするとともに、そこから考えて、もう不要だと思う本が10数箱になった。

当時、知り合いの一人に、プー太郎みたいな人がいて、しかも車を持っていたので、彼に頼んで、三国ヶ丘駅前の天牛書店まで運んでもらった。通路のようなところにザーッと広げて、店員さんがものの数分で(数秒だったかもしれない)見積もったのが1万円だった。もちろん不満なんか言っていられない。山分けということでこのYさんに半分の5千円を受け取ってもらった。思わぬ小遣いが入ったと喜んでくれた。

しかし今回はYさんもいない。ネットで調べたら、ブックオフの引取サービスがある。こちらで箱に梱包して、ネットで手続きすれば、指定の日に飛脚便が引取に来てくれる。後日、メールで買取価格を知らせてくれる。ただみたいな金額だが、不要な本を箱詰めするだけの労力で引き取ってくれるなら文句はない。合計5箱分の本を処分した。

さらにその他コピーをしまくった資料などは、通常のゴミとして廃棄するしかない。

次にパソコン用の液晶ディスプレイの処分だ。これは法律で自治体にゴミとして出すことができなくなったので、メーカーに引き取ってもらうことに。私のはソニーのディスプレイ。ほこりをかぶっていたのを出してきたら、結構しっかりしている。大きささえ文句なければ使い続けるのだけど、なんせ15インチでは、仕事にならない。幸い型番から無料で引き取ってもらえることが分かったので、ラッキー。

さらに、以前使っていたパソコンのハードディスクは、蓋を取って、中のディスクをペンチで傷つけて使用不可能にしてから、自治体の不燃小物ゴミとして出す。

そんなこんなで部屋がずいぶんとさっぱりした。これで研究のほうも進めば申し分ないのだけど。


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