自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

シバと長友

2013年06月06日 | 植物 plants
森林科学園を休みます。

 ゆうべ、家に帰ったらサッカーの熱戦中で、カミさんが「0対0よ」という。「へえ」とちょっとガッカリして言ったとき、ほわっとしたシュートが入ってしまいました。残り時間があまりないので、「こりゃ、まずいぞ」と思っていたら、例のハンドがあり、本田が見事にPKを決めました。感動的でした。
 ここまではふつうの観戦印象。ここからが少し違います。ちょっとややこしいです。

 私は金華山でシカと植物群落の研究をしてきましたが、その中でもシバ群落はひとつのハイライトでした。詳細は省きますが、シカが食べることによって維持されているのがシバ群落、食べないので残っているのがメギというトゲ植物です。


シカが食べることで維持されているシバ群落。盆栽状なのはメギ。

 芝生の庭をお持ちの方はご存知のとおり、芝生の維持はたいへんです。芝刈り機があればこそ、なんとかなっていますが、あれをカマやセンテイばさみでやっていたらたいへんなことです。
 そのことを思うとき、あの広いサッカー場の芝生の管理はいかにたいへんなことか。サッカー場に天井があれば光の管理がていへんだろうし、青空だったら、雑草の抑制が大変なはずです。だが、誰もそのことに思いを馳せることはありません。誰もがサッカー場には芝生があるのが当然だと思っています。

 試合後、選手がインタビューされていましたが、ほとんどの選手はサポーターに感謝を表明していました。もちろんそうであろうし、それは麗しいことで、聞いていて気持ちのいいものです。その中で長友が言ったことばに、私はハッとしました。枯れ葉ちらりと会場の管理をしている人たちへの謝辞を述べたのです。私はその姿勢に感動しました。世界を股にかける大選手といってよい立場でしょう。その人が例えばサッカー連盟の快調高代表だかに敬意を評すのはあるでしょう。声援を送ってくれるサポーターに感謝することもあるでしょう。だが、世界のどの選手が芝生を管理する人に感謝を表明するでしょうか。体も小さいようだし、メッカムや長谷部のようなルックスで人気があるわけでもありませんが、おそらくたいへんな練習量によって克己しているのだと察します。
 長友、いいぞ!
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