ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

サマーソニック東京初日 後編

2014-09-12 13:50:30 | フェス、イベント
遅くなってしまいましたがサマソニ・レポ、前回、ジャマイカをチラッと観たところまで書いた前編からの続き、メッセからマリンへ移動しての後編スタート!


ロバート・プラント&ザ・センセーショナル・スペースシフターズ
マリン・スタジアムにてロバート・プラント&ザ・センセーショナル・スペースシフターズ。96年にジミー・ペイジとのいわゆるペイジ&プラントで来日して以来、18年ぶりの日本公演となったロバート・プラント。今回は新バンド、ザ・センセーショナル・スペースシフターズを率いてのステージ。そのバンド・メンバーは以下の通り。

ジャスティン・アダムス(guitar)
リアム”スキン”タイソン(guitar)
ジョン・バゴット(keyboards)
ビリー・フラー(bass)
デイヴ・スミス(drums)
ジュルデー・カマラ(ritti)

まあ、新バンドと言っても上から4人はストレンジ・センセイションのメンバーでしたから、それほど新鮮味はないかもしれませんね。ですがジュルデー・カマラの参加は大きいでしょう! この人、ガンビアの世襲制伝統伝達者、いわゆる“グリオ”と呼ばれる方で、リッティという1弦フィドルの達人。ジャスティン・アダムスとのデュオ活動も知られてまして、2010年には2人で来日もしています。私もその時観に行ったのですが、ジャスティン・アダムスのロック&ブルースなエレキギターとジュルデー・カマラのアフロな1弦フィドルの絡みが、想像以上に刺激的だったのを今でも覚えています。で、どうやらその時サポートしていたドラマーが今回新たにセンセーショナル・スペースシフターズのメンバーとなったデイヴ・スミスだったようなんです。あの時すでにこの種が蒔かれていたと考えると面白いですよね。以前からジャスティン・アダムスはプラントの参謀的なイメージはありましたが、今回さらに彼の色が濃くなったセンセーショナル・スペースシフターズ、と言ったところでしょうか!

さて、いきなりレッド・ツェッペリン時代の「Babe, I'm Gonna Leave You」で始まったロバート・プラント&ザ・センセーショナル・スペースシフターズのステージ。新旧、カヴァーを含めた全10曲、ロック、ブルース、アメリカーナ、アフロ、アラブなど様々な要素がミックスされた、プラントらしい独特のサウンド世界が素晴らしかったです! バンド・メンバーが、バンジョー、マンドリン、パーカッションなど楽器を持ち替えながら曲ごとの色彩を演出しているのも印象的でしたし、やはりジュルデー・カマラの1弦フィドルが不思議な異世界観を醸していて秀逸でした。そしてそんなサウンド世界の要となるのがロバート・プラントの彼でしかあり得ないあの歌声!! 唯一無比!!

数曲披露された新曲群も、今後を期待させる格好良さでしたが、やはり盛り上がったのはツェッペリンの曲。「Going to California 」なんかは原曲の雰囲気を損なわずに現在のプラントにぴったりのアレンジが施されていて見事でしたし、一方「Black Dog」はプラントが歌い始めるまでまったくその曲とは気がつかず、彼が印象的な出だしの部分を歌い始めて、え!これ「Black Dog」なの?みたいな。逆に「What Is and What Should Never Be」なんかはほぼ原曲通りロックなアレンジで、これはこの日のハイライトとなりましたね。

終盤に披露されたブッカ・ホワイトの「Fixin' to Die」も秀逸でした。ワールド・ミュージックを取り入れつつ、その根っこはブルースにあるというロバート・プラントらしい深みを見せつけてくれました。そして最後は「Hoochie Coochie Man」。と思いきや途中から歌詞が「Whole Lotta Love」に変化。え?え?と思っているうちに「Whole Lotta Love」のあの有名なリフが始まり、オー!!みたいな。原曲に近いアレンジながら、ギターと一緒にジュルデー・カマラのリッティもあのリフを奏でていたり、中間部分はボ・ディドリーの「Who Do You Love?」になったりという混沌振りが圧巻でした。

ロバート・プラント、この8月で66歳になられたそうですが、まだまだ現役。これからの活躍がますます期待されるような、そんな深淵且つ力強いステージでした。そう言えば、ライヴ前にはスコールのような雨に見舞われましたが、「Rainbow」という新曲を演奏中に本物の虹が出るというミラクルもありましたっけ。

01. Babe, I'm Gonna Leave You
02. Tin Pan Valley
03. Turn It Up
04. Black Dog
05. Rainbow
06. Going to California
07. Little Maggie
08. What Is and What Should Never Be
09. Fixin' to Die
10. Whole Lotta Love


アークティック・モンキーズ
そして本日のメイン・アクト、アークティック・モンキーズ!!まあ、正直なところ私、これが楽しみで幕張まで行ったようなもんなんですけど、朝から張り切りすぎたのか、ロバート・プラント終了後にはどっと疲れが出てしまいまして、いったんスタンド席まで下がってしばし休憩。実はロバート・プラントはそのステージの素晴らしさに反してお客さんの入りは芳しくなかったんです。え?トリ前でこんなもん?と驚きつつ嘆いていたのですが、さてアークティック・モンキーズはいかに?

いやね、スタンド席から眺めていると、面白いぐらいに続々とグラウンドに人が入っていくんですよ。もうホント、列が途切れること無く続々と。みるみるるうちにグランドは人で埋まっていき、気がつけば、私が座っていたスタンド席もほぼ満席のような状態に。やはりアークティック・モンキーズ、人気ありますね。っていうかあの最新作「AM」の出来映えがこの注目度を生んでいるのでしょうね。いやホント、あれは傑作ですよ! 抑制の効いた緊張感を保ちながらあれほど陶酔感に満ちたロックン・ロールはそうはありません!

さて、そのアークティック・モンキーズのステージ。メンバー4人が登場し「AM」の1曲目を飾った「Do I Wanna Know?」のイントロが鳴らされた瞬間、ゾクゾクしましたね。普通、ロック・コンサートの1曲目って派手にガツンといきそうですが、「AM」の世界観そのままにジワ~っと始まりましたから。でもそれこそ我々が求めていたものであり、そのイントロから響くアレックス・ターナーの歌声にも痺れましたね。そして曲が進むにつれ魔力のようにそれが五感に効いてくる。私は結局スタンドから眺めていたのですが、いても立ってもいられなくなり、途中からまたグラウンドに降りちゃいましたから。そして近くで観るアクモン、それはその魔力を浴びるようなロック体験。

もちろん過去作からの曲も沢山やりましたし、なんだかんだで「I Bet You Look Good On The Dancefloor」や「Brianstorm」のような人気曲が一番盛り上がりました。ですが、全体を支配しているのはやはり「AM」の雰囲気。ことさらにアゲること無く、ミドル・テンポでべったりとしたロックン・ロールが怪しくスタジアムを飲み込んでいく。別に新しいことをやっている訳ではないでしょう。ですが圧倒的に“今”を感じさせるアークティック・モンキーズのロックン・ロール。あの現行感は何なんでしょうね?

メイン・アクトらしい派手さとかまったく無しに現行アクモンの凄みを見せつけた彼らのステージ。アンコールぐらい派手なカヴァー曲とかやっても良さそうですが、「AM」収録曲をそれまでとまったく変わらぬトーンで3曲披露して終了するというストイックな姿には、ある種の神々しさすら覚えました。いや~、ホント天晴なステージでした!!


この日のセットリストはこんな感じだったようです↓

01. Do I Wanna Know?
02. Snap Out Of It
03. Arabella
04. Brianstorm
05. Don't Sit Down Cause I've Moved Your Chair
06. Dancing Shoes
07. Crying Lightning
08. Knee Socks
09. My Propeller
10. I Bet You Look Good On The Dancefloor
11. Library Pictures
12. Old Yellow Bricks
13. Fireside
14. No.1 Party Anthem
15. Why'd You Only Call Me When You're High?
16. Fluorescent Adelesecent
17. 505
-----------------------------------------------
18. One For The Road
19. I Wanna Be Yours
20. R U Mine?


矢野顕子
最後はシーサイド・ヴィレッジのガーデン・ステージにて矢野顕子さん。バンドセットによる、センス溢れるキレのある演奏は疲れを忘れさせてくれる程でした。そして矢野さんの歌声と、アットホームなMCに癒されました。それにしてもマリンでトリを観たあとに、矢野顕子さんを海辺で観れるなんて、サマソニも粋なことしてくれますね。あと、夜のシーサイド・ヴィレッジって初めて訪れたんですけど、なかなか良いもんですね。ライヴが終わった後も、しばしまったりしてしまいました。



という訳で、土曜日のみの参戦だった今年のサマーソニック、当初はあまり観るもの無いな…、なんて思っていたものの、なんだかんだで充実の一日でした。ベストアクトは、文句無しにアークティック・モンキーズ!! ちなみに日曜日もふらふらと現地へ行って、アジアのステージとかサイドショーなんかを楽しんだのですが、別段、ここへ書く程のことでもないのであしからず。







~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 14.08.20 サマーソニック東京初日 前編


コメントを投稿