ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

マーク・リボーのルーツな良い仕事 2010〜

2017-05-17 23:27:20 | ルーツ・ロック
デヴィッド・ヒダルゴとのデュオ公演のため来日中のマーク・リボー。東京公演は明日18日と言うことで、直前特集です。タイトルに2010~と謳っといて、その直前にどうしても外せない1枚があるので、それもしれっと入れせて頂きました。



ALLEN TOUSSAINT / THE BRIGHT MISSISSIPPI
ジョー・ヘンリーがプロデュースしたアラン・トゥーサンのニューオーリンズ・ジャズ作品。2009年作。トゥーサンのソロ作と言うより、ジョー・ヘンリーがトゥーサンを素材に彼流のニューオーリンズ・ジャズ解釈を形にした作品と言った方が良いかも。そういう意味ではジェイ・ベルローズ(ds)、デヴィッド・ピルチ(b)のリズム隊と共に、数曲でフィーチャーされるマーク・リボーの一筋縄ではいかない枯れたアコギのトーンが、ジョー・ヘンリー独特の世界観を語るよう。



MARC RIBOT / SILENT MOVIES
マーク・リボーが、無声映画にインスパイアされて作ったギター・アルバム。2010年の作品。難解な中にも陰影と叙情性が滲みる逸品。ちなみに、吉祥寺にあった映画館バウスシアターが、2014年に惜しまれつつ閉館した際、最後の爆音映画祭のプログラムの中に、マーク・リボーによる「無声映画ライヴ」と言うのがありまして、私も見に行きました。私が見たのはチャップリンの映画「キッド」。映画上映にマーク・リボーがギターのライヴ演奏を付けるのですが、流石の味わいでしたね。チャップリンとリボーの世界が溶け合った、ライヴならではのアートでした。



JOHN MELLENCAMP / NO BETTER THAN THIS
メンフィスのサン・スタジオを中心に、ジョージア州サバンナのファースト・アフリカン・バプティスト教会や、さらにはロバート・ジョンソンが伝説の録音をしたというサン・アントニオのGunter Hotel 414号室でレコーディングされたという、ジョン・メレンキャンプの渾身作にして、麗しきカントリーへの愛情溢れる傑作。プロデュースはT・ボーン・バーネット。ギタリストはマーク・リボーだけではなく、曲ごとの詳しいクレジットも無いので何ともいえませんが、半数以上に聞こえる、良い具合にいびつさを感じさせるエレキ・ギターは、おそらくリボーのものでしょう。「No One Cares About Me」の柔らかいのにエッジが立ってる味わいあたり、流石としか言いようがありません。リボーはバンジョーも弾いてます。



TOM WAITS / BAD AS ME
しばしばトム・ウェイツのギタリストと呼ばれることもあるマーク・リボーですが、こちらは2011年の作品。キース・リチャーズや、レッチリのフリーなども参加するなか、特筆すべきは、デヴィッド・ヒダルゴも数曲で参加し、リボーと一緒にギターを弾いてるんです。と言っても派手なギターバトルとか、無いですけどね。ただ、目立った2人の公式録音ってほとんど無いと思うので、今回の来日公演に向けて、このアルバムは少し胸が騒ぎます。



BUDDY MILLER / THE MAJESTIC SILVER STRINGS
バディ・ミラーのソロ作と言うより、ザ・マジェスティック・シルヴァー・ストリングスというグループの作品と考えた方が良いかもしれません。メンバーはバディ・ミラーを中心にマーク・リボー、ビル・フリゼール、グレッグ・リーズという、現代のルーツ音楽シーンにおいて最も個性的で、最も面白く、最も信頼出来るギタリスト達。リズム隊はジェイ・ベルローズ(ds)&デニス・クラウチ(b)。こんなの素晴らしいに決まってるじゃないですか! 2012年の傑作。



DIANA KRALL / GLAD RAG DOLL
おそらくマーク・リボーのセッション参加作として、近年で最も魅力的な作品がこれ。ほぼ全般で、リボーのギターがダイアナ・クラールの歌をバックアップします。微量の毒を感じさせるエレキ・ギターの音色もさることながら、ロマンチックなアコギの響き素晴らしい!特にリボーのアコギのみをバックにダイアナ・クラールが歌うタイトル曲「Glad Rag Doll」は絶品。2012年作。ちなみに、今回は取り上げませんでしたが、旦那様もマーク・リボー大好きです。



MARC RIBOT TRIO / LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD
マーク・リボー(g)、ヘンリー・グライムス(b)、チャド・テイラー(ds)のトリオによる2012年のライヴ録音。「ルーツな日記」で紹介するにはあまりにもフリーキーなジャズですが、アヴァンギャルド・ロックな風情のセラミック・ドッグより私はこちらの方が断然好み。全編でエッジの立ちまくったリボーのエレキギターに痺れまくりです。特にいびつなロックンロールなノリから、最後はゴスペルっぽい荘厳さを醸す「The Wizard」の格好良いこと!!



MARC RIBOT THE YOUNG PHILADELPHIANS / LIVE IN TOKYO
マーク・リボー率いるザ・ヤング・フィラデルフィアンズによる、2014年、東京でのライヴ録音盤。フィリーソウル×オーネット・コールマンというリボー流解釈が半端無くスリリング。流麗なストリングスとグルーヴをえぐるように暴走するリボーのギターは流石は鬼才!! 同年のフジロックでの怪演が思い出されます。


コメントを投稿