熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

知財価値評価人研修

2008-06-30 21:30:06 | Weblog
知財価値評価人研修に参加してきました。

会場は弁理士会館会議室です。
地下鉄の霞が関駅を降りると、警戒している警察官が数多く見られました。
何でこんなに多いのだろうと、辺りを見渡すと一枚のポスターが、



やはり、サミットですか。
サミットがどこで開催されても、東京は厳重警戒ですね。

この時期、霞が関には近づかない方が得策です。

本題に戻って、研修についてお話します。

今回は、特別研修「定性的評価総論」と一般研修「知的財産権価値評価マニュアル(基礎編)の解説」「評価手法の特徴と使い分け」の3本立てです。

今回の研修は、一度聞いたことがある内容で、あまり目新しいものはありませんでした。
復習と考えれば良いのかもしれません。

知的財産権の価値評価は、個別具体的な評価と客観的評価基準との差が大きく、実務に使用可能な妥当な基準が確立されていないのが現状のようです。

すなわち、個別具体的な評価を推し進めると、比較的妥当な評価結果が得られますが、客観的な基準の確立が困難になります。

私も企業で特許権の価値評価を検討していた時期があり、妥当な基準を確立することの難しさを痛感していました。

知的財産価値評価推進センターの活動成果に期待していたのですが、企業で検討していた内容と大差がないと感じました。
やはり難しいのですね。

個別具体的な事例を数多く検討して、その検討結果から客観的な基準を確立する地道な活動が必要です。

私も知的財産権価値評価人候補の一人として、客観的な基準作りに貢献したいと考えています。



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知財講演会 3回目

2008-06-29 20:26:56 | Weblog
早稲田大学記念講演会3回目に参加してきました。

今回のテーマは、「企業の知財・法廷戦略 - 刻々変化する米国特許法の観点からの再検討」で、講師は、米国で9年間大手法律事務所で活躍している日本人弁護士です。
この方、日本で弁理士として大手企業で活躍した後、米国で弁護士資格を取得し、弁護士1000人を擁する大手法律事務所のパートナーを務めるという、超エリートです。

この方は、抜群のプレゼンテーションスキルを有しています。
見やすい資料、理解しやすい説明、明瞭な言語(アナウンサーなみです)等、どれをとっても超一流です。
質問に対する回答も、先ず、結論を簡潔に述べ、その後に説明を分かりやすい言葉で述べます。
もちろん、ジョークも適宜はさみながら話します。

どうしても日本の弁護士と比較してしまいますね。
やはり、陪審員に説明する米国と、裁判官に説明する日本との相違が原因でしょうか。

セミナー講師を頼まれることがある私にとって、参考になる講演でした。

さて、講演の内容です。

変化する米国特許法のレビューに始まり、最近の特許に関連する米国最高裁判決、CAFCの重要判決、特許事件のフォーラム・ショッピング制度の行方と話が進みました。

要点を纏めて要領よく説明されたので、大変参考になりました。

日本ではあまり問題とならないフォーラム・ショッピング(管轄の取得)への対応は大変興味深く、米国での実務では必須事項でしょう。

2007年度特許法改革案は下院可決も上院で事実上廃案となり、判例法の影響を相変わらず受けるということになります。

これからも裁判例の分析が欠かせないということですね。



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論文試験前日

2008-06-28 10:14:44 | Weblog
いよいよ弁理士論文試験が明日に迫りました。

他の方のブログでも論文試験の心得について書かれていますので、特に記載することはないのですが、一点だけ、睡眠は十分にとり、食事に気をつけて、体調万全で試験に臨んで下さい。

試験前日に、無理やり詰め込んでも効果のないことは、私の経験から明らかです。
受験生のときは、何となく不安で、その不安を紛らわすために夜遅くまで勉強していましたが、受験本番で集中力が欠けてミスを犯したことがあります。

やはり、付け焼刃はいけません。
普段の努力が結果となって現れます。
今までの努力を信じて、自信を持って論文試験本番に臨んで下さい。
素晴らしい結果が得られることをお祈りしています。



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特許コンサルティング

2008-06-28 00:31:12 | Weblog
特許コンサルティング契約をしている企業にお邪魔しました。

今回は、発明の捉え方・発明の拡張・発明提案書の書き方についてのお話をしました。
発明の捉え方・発明の拡張は、大変難しい問題で、2時間程度の説明で理解できるとは思えませんが、先ず第一歩というところでしょうか。

企業の責任者の方から、今後、特許教育をする機会を多く設けたいというお話がありました。
特許教育は、即効性があるものではありませんが、確実に企業の特許力を強くしますので、継続していくことが重要です。

企業の責任者の方が継続していく決意を固めたことが、私にとっては大変嬉しいことです。

これから忙しくなりそうですが、好きな仕事ですので、ハリキッテ準備をしていきたいと思います。

そう言えば、特許コンサルティング契約をしているもう一つの企業でも、8月と10月に特許教育をすることになっていますので、毎月、特許教育をすることになりそうです。

「教えることは学ぶこと」の意味をかみしめて、十分な準備をします。
受講者が喜んでくれる特許教育になれば良いのですが。



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車検

2008-06-26 23:26:06 | Weblog
週1回、英会話学校で勉強しています。

講師はイギリス人で、時々日英の比較が話題になります。
今回は、車検の話になりました。

イギリスでは、新車購入後3年目で最初の車検を受けます。
この点は、日本と同じですが、その後、毎年車検を受ける点で日本と異なります。

車検の費用は、日本よりかなり安いようです。
自動車検査証明書とでも言うべき"MOT"を取得します。
MOTは、大抵の整備工場やディーラーのサービス工場で車両の検査を受けることにより入手できます。
値段は6千円ぐらいで、保険料を含めても全額3万円でおつりが来ます。

日本の場合、重量税だけで3万円をオーバーしますので、かなり差がありますね。

自動車保有税は、イギリスでは、Road tax(日本の自動車税に相当する)と二酸化炭素排出税(日本で盛んに議論になっている環境税に相当するものです)を毎年払います。

日本も環境税が導入されるとイギリスと同様な税体系になりますね。

日英比較だけでなく、日米比較、日韓比較、日中比較等の比較をすると面白そうですね。


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民営化

2008-06-25 23:15:34 | Weblog
民営化の議論が盛んに行われていますが、私の近所でも民営化の良い点が現れた事例を経験しました。

近所の市営プールの運営が民間団体に委託されました。

民間団体に委託されたことで変わったことは、
①プール入場料のプリペイドカードがICカードに変更されました。
使い捨てのプリペイドカードが半永久的に使用可能で情報量の多いICカードに変更されることにより、コスト削減と多様なサービスが可能になりました。

②ポイントカードが導入されました。
これにより、利用者の増加が望まれます。

③休息室にキッズコーナーが設けられ、軽食サービス等の新たなサービスが導入されました。

④更衣室のロッカーが100円使用(使用後に返却されます)から、硬貨を使用しないロッカーに変更になりました。
これにより、利用者の便宜が図られるとともに、硬貨の取り忘れに伴うトラブルもなくなります。

民間に委託されることにより、「変わったな~」と、変化が実感できます。
この変化が実感できることが重要なのです。

官公庁も市民が実感できるスピードで変化して欲しいものです。



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杉村春子

2008-06-24 23:21:09 | Weblog
先日、テレビで「杉村春子さん」の特集を放送していました。

「杉村春子さん」は、1906年広島県に生まれました。
築地小劇場の研究生を経て1937年文学座に参加し、以来、同座のみならず、日本演劇界の中心的存在として活躍しました。
戦時下の1945年に初演された森本薫作『女の一生』の布引けいは当たり役となり、1990年までに上演回数は900回を超えました。
舞台のみならず、映画では小津安二郎、黒澤明、成瀬巳喜男、豊田四郎、木下恵介といった名監督たちから高く評価され、『東京物語』を初め日本映画史を彩る名作群に出演し、映画史にもその名を刻ました。

『女の一生』の名台詞「誰が選んでくれたんでもない、自分で選んで歩き出した道ですもの。泣きごとを言ってみたって仕方がないじゃありませんか。」は、脚本家が杉村春子さんを意識して書いたと言われています。

「自分で選んだ道だから、苦しくとも泣き言を言わずに頑張る」杉村春子さんらしい台詞です。
失敗すると人のせいにすることが多い現代人に聞かせたい言葉です。

杉村春子さんは、「台詞が言い難い」とこぼす役者に、「千回言ってごらんなさい」と、さら~と言っていたそうです。
自分が努力しているからこそ言える言葉ですね。

法律の勉強をしていて理解できないとこぼしていると、「千回読みなさい」と言われそうですね。

「読書百篇、意自ずから通ずる」という言葉がありますが、杉村春子さんの場合は、「読書千篇、意自ずから通ずる」ですね、

世の中には凄い人がいるものです。



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技術者の誇り

2008-06-23 21:33:35 | Weblog
先日、手術用のハサミを製造している技術者を取り上げた番組を放送していました。

この技術者が製造するハサミは、切れ味が抜群で、根元から刃先まできれいに切ることができ、医者の間でも評判のハサミです。

この技術者の仕事に対する拘りは半端でなく、技術者の誇りを持って仕事をしています。
自分の仕事に誇りを持つことが、仕事の質を高め、スキルを向上させることができます。

この技術者のもとに、4,5名の20代の若者が弟子入りして、技術の習得に励んでいます。
この若者たちは、技術に対する拘りを持つ技術者に憧れて弟子入りしたそうです。
収入よりも仕事の遣り甲斐を選んだ、この若者たちを見て、日本の若者もまだまだ捨てたものではないと思いました。

最近、高収入を求めて仕事を選ぶ人が多いようですが、長い人生を考えると、自分の好きな、遣り甲斐のある仕事を選ぶことが大切だと思います。

高収入を得て、豪邸に住み、贅沢な食事をして、高級車を何台も所有したいのでしょうか。

起きて半畳寝て一畳、一畳の広さがあれば生活するのに十分であり、贅沢な食事を続ければ成人病になることは避けられず、高級車を何台も所有しても運動不足で老化が早まることになり、結局良いことはありません。

それよりも一生を通して打ち込める仕事を持ち、その仕事により他の人に喜ばれることができれば、これ以上の幸せはないでしょう。

欲望に負けてガツガツして生きるよりも、「足るを知る」ことが大切ですね。

仕事の遣り甲斐を選んで技術者に弟子入りした若者たちを見て、チョット嬉しくなり、ブログに書いてみました。




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知財講演会 2回目

2008-06-22 13:23:13 | Weblog
2008年度早稲田大学法学部横川敏雄記念公開講座2回目を受講してきました。

「知的財産紛争ー事後処理から予防と戦略へー」のテーマの2回目は、「知的財産権を巡る現状と企業における戦略的な知財管理」について、特許庁の方が講演されていました。

豊富な資料を纏めたテキストは大変参考になりましたが、資料の分析が今一つという印象です。
特許庁の方が、「企業における戦略的な知財管理」について発表するのはかなり無理があると思っていましたが、予想通り、一般的な説明に終始しており、参考になる点はあまりなかったように思われます。

特許庁の専門分野である、行政庁の課題、各国特許行政の比較等に焦点を絞って話された方が良かったのではと思います。

少し厳しいコメントをしますと。

①分析力が弱いと思われます。
すなわち、複数の資料を分析して新たな視点を提示するという分析力が弱かったと思います。

②準備が不足していたと思います。
質問が8問ほど出されましたが、ほとんど答えられていませんでした。
講義内容と関係のない質問であれば、答えられないのも止むを得ないと思いますが、テキストに記載してある事項についての質問に答えられないようでは、明らかに準備不足です。
大学院の授業でも、「自分が発表する内容については、どのような質問があっても答えられるように準備しておくこと」と注意されましたので、研究者としては常識的なことだと思います。

少し厳しい意見ですが、記念講座で発表する以上、万全の準備をして欲しいと思います。

3回目の講義に期待しましょう。



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無名塾

2008-06-20 19:42:04 | Weblog
NHKテレビ「知るを楽しむ ー 人生の歩き方」で、無名塾を主宰する、仲代達也さんを取り上げていました。

中代達也さん、1932年、東京生まれ。
俳優で無名塾塾長です。
1952年、俳優座演劇研究所付属俳優養成所に入所し、舞台「幽霊」のオスワル役で頭角を現しました。
『どん底』『リチャード三世』などの舞台で芸術選奨文部大臣賞、紀伊国屋演劇賞ほか数々の賞を受賞しています。

1975年から妻・恭子さん(故人、女優、脚本家、演出家)とともに俳優を育成する「無名塾」を主宰しています。

中代達也さんは、無名塾の狙いを、①無名な人が稽古をする場、②無名塾から育って有名になった人が戻ってきて稽古をする場、と考えていたようです。
現実は、①の狙いは達成していますが、②の狙いは達成されていないようです。
皆さん有名になると、初心を忘れてしまうのでしょうか。
寂しいですね。

中代達也さんは、今年76歳になりますが、お元気ですね。
生涯現役を実践している人ですね。
また一人目標とする人が増えました。

中代達也さんは、若い人に芸を教えることが楽しくて仕方がないそうです。
私も特許教育が好きで、受講者と議論をするのを楽しみにしています。
どなたかが、「教えることは学ぶこと」と言っていたように、教える人は教材の作成、講義の準備等に時間を掛けるため、結果的に一番勉強することになります。

来月から特許教育が始まります。
準備に時間をかける、この時期が最も好きなときです。
さあ、勉強を楽しみますか。


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