熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

最高裁がまともな判断

2023-10-25 18:07:19 | 裁判
出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーの人が戸籍上の性別を変える際、生殖機能をなくすなどの性別適合手術を求める「性同一性障害特例法」の規定が憲法に違反するかが争われた家事審判の特別抗告審の決定で、最高裁大法廷は25日、生殖機能をなくす手術を求める規定は「違憲」と初めて判断しました。
 
最高裁が法律の規定を違憲と判断したのは戦後12件目です。
 
ただ、変更後の性別の性器に似た外観を求める規定については、審理を尽くす必要があるとして高裁に差し戻し、憲法判断は示しませんでした。
 
申立人の性別変更を認めるかどうかは、再び高裁で審理されることになります。
 
高裁の再審理で違憲判断をしてほしいですね。
 
今回、最高裁がまともな判断をしたので、選挙の一票の格差や沖縄の辺野古基地建設などの判断もまともなものになることを期待しています。
 
裁判は弱者の最後の砦であることを忘れないでほしい。
 
 

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差別されない権利

2023-09-25 16:02:45 | 裁判
被差別部落の地名を暴露するインターネット上の人権侵害が後を絶たない中、出身者らが全国の地名をまとめた書籍の出版やネット公開の差し止めを求めた訴訟で、東京高裁が「差別されない人格的利益」を認めました。
 
訴訟を担った弁護士は「ネット空間にあふれる攻撃的な差別を止めたい。そのための社会的規範を築く一歩となる」と受け止めています。

この訴訟は、川崎市の出版社「示現舎」が2016年、全国5367地区の地名リストを記載した書籍の出版を公表し、ウェブサイトにも地名を載せたことを受け、部落解放同盟と被差別部落の出身者らが起こした損害賠償請求訴訟です。

今年6月の判決は、一審東京地裁に続き該当部分のサイト削除や出版禁止を命じ、過去に住所や本籍があった場合や親族の居住地があるケースも含め、権利侵害の範囲を広げました。

一審との違いは、原告側が求めた「差別されない権利」への判断です。

一審判決は「権利の内実は不明確」などとして権利性を認めなかったが、高裁判決は憲法13条(幸福追求権)と14条1項(法の下の平等)を根拠に「人は誰しも不当な差別を受けない人格的利益を有する」としました。

「いま問われている差別は、嫌悪や偏見に基づく攻撃的な差別。これによって侵害されるものは何かと考えると、13条から導かれる平穏な生活を送る権利ということになる」と代理人の指宿昭一弁護士は述べています。
 
判決が損害賠償のみならず、差し止めも命じたことを踏まえて「差別されない権利」が認められた、と評価しています。
 
私も今回の判決は、人権保護の大きな一歩になると思います。
 
「差別されない権利」が、今後の裁判で確立してくるといいですね。
 
 

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これでは三権分立とは言えない

2023-09-14 17:11:57 | 裁判

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最後の砦はどこへ行ったのか?

2023-01-18 17:57:18 | 裁判
東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長ら東電旧経営陣3人の控訴審判決で東京高裁(細田啓介裁判長)は18日、全員を無罪とした1審・東京地裁判決(2019年9月)を支持し、検察官役の指定弁護士側の控訴を棄却しました。

「原発の安全性は『万が一にも』発生する可能性がある災害への対処が求められていて、対策を講じようとしなかった姿勢について適正な法的評価をくだすべきではないか」という意見が強い。
2015年7月の東京第5検察審査会の「起訴議決」は、東電の旧経営陣3人を強制起訴して公開の法廷で審理する必要性をこう指摘している。

しかし、それから約7年半後の今回、出された2審の結論は1審に続き無罪だった。
「市民感覚」と刑事裁判の厳密さの乖離(かいり)は、強制起訴制度の埋まらない溝となっている。

2009年5月に始まった強制起訴制度は、裁判に市民感覚を反映させる司法制度改革の一環で導入され、検察の不起訴処分に対し、検察審査会を構成する市民11人のうち8人以上が2度「起訴すべきだ」と判断すると「起訴議決」となり、検察官役の指定弁護士が強制起訴する。

これまでに、東電原発事故の事案を含め10件14人が強制起訴されたが、有罪が確定したのは2件2人のみだ。

裁判は証拠に基づいて法律を適用するもので、感情に流されることは危険であることは言うまでもないが、裁判所の判断は権力側に有利に働いているような気がする。

裁判所は国民の「最後の砦」という役割がある。

「最後の砦」という役割を果たさない裁判所は、国民の信頼を失うだろう。



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説明責任が求められる判決

2022-05-16 19:59:11 | 裁判
昨年3月、新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に基づく営業時間短縮命令を受けた飲食チェーン「グローバルダイニング」が、東京都の命令は違憲だとして損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(松田典浩裁判長)は16日、命令は発出要件の「特に必要がある」場合とは認めず、違法とする判断を示しました。
知事の過失責任は否定し、賠償請求は棄却しました。

新型コロナ対策の時短命令を巡る司法判断は初めてで、今後の時短要請などの行政命令の発出に影響を与えますね。

行政命令は、発出する方は立場が強いという意識があるのか、相当いい加減な説明で済ましています。

今後は説得力のある説明、根拠が必要となりますが、これが政府や自治体には最も頭の痛い問題でしょうね。

何しろ説明をしないで従ってほしいのが本音なので、説明する能力や責任を取る覚悟などさらさらないのです。

政府も同様ですが、ことらももっと酷い。



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注目すべき判決

2021-10-03 20:02:24 | 裁判
注目すべき判決が東京地裁でありました。

インクジェットプリンターの設計を変えて純正品のインクカートリッジしか使えないようにしたとして、互換品のカートリッジを販売するエレコムなどがブラザー工業を相手取り、設計変更の差し止めと約1500万円の賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁でありました。

朝倉佳秀裁判長は、設計変更が独占禁止法違反(不公正な取引方法)にあたると認め、約150万円の賠償をブラザーに命じました。

判決によると、ブラザーは2018年12月以降に製造・販売したプリンターについて、インクカートリッジの読み取り機能の設計を変更し、互換品を認識しないようにしました。

判決は、プリンター製造業者は、プリンター本体の価格を抑え、利益率の高い純正品のインクカートリッジを継続購入してもらうことで収益を上げていると指摘して、純正品に比べ価格が安い互換品が売れれば、プリンター製造業者への経済的打撃が大きくなると説明した。

そのうえで、ブラザーの設計変更の目的は「市場シェア率が高い互換品の販売を困難にするため」とし、消費者が純正品を購入せざるを得ない状況になったと認めました。

このため、設計変更は「正当性はなく、市場での公正な競争を阻害するおそれがある。不当な抱き合わせ販売だ」と判断しています。

被告のブラザー工業は控訴するでしょうから、結論は持ち越しになりますが、独禁法違反に対する配慮は必要ですね。



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最高裁判決

2021-05-17 23:32:43 | 裁判
建設現場でアスベストを吸って肺の病気になった元建設労働者と遺族が、国と建材メーカーに損害賠償を求めた4件の集団訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷は17日、健康被害が明らかになっていた1975~2004年の29年間について、国には防じんマスク義務付けなどの対策を怠った違法があるとの初判断を示しました。
75年以降に建設現場で作業した人らへの国とメーカーの賠償責任を認めたものです。
裁判官5人全員一致の意見です。

建設石綿訴訟を巡る初の統一判断です。

最高裁は2014年の判決で石綿製品工場の元従業員らへの国の責任を認定し、被害救済が進んでいます。

国は17日の判決後、被害者1人当たり最大1300万円の和解金を支払う方針を固め、元労働者らの救済にも乗り出すようです。

被害者の長い苦労が認められましたね。

第1小法廷は判決理由で、国は石綿の吹き付け作業を禁じた1975年には、肺がんや中皮腫の危険性を認識していたと指摘。建設事業者に労働者への防じんマスク着用を義務付けたり、建材に危険物と表示するようメーカーを指導したりすることを怠ったとし、国が石綿使用を原則禁止した2004年までの29年間を違法と判断しました。

至極まともな判決で、裁判の信頼性が損なわれなくて良かったです。

これからもまともな判決が出されることを願っています。




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判決に関心が集まりますね

2020-10-24 19:33:44 | 裁判
インクカートリッジの仕様を変更してリサイクル品の販売を妨げたのは独占禁止法に違反するなどとして、リサイクル品を製造・販売する「エコリカ」(大阪市)が、大手精密機器メーカー「キヤノン」(東京)を相手取り、3千万円の損害賠償などを求める訴えを27日にも、大阪地裁に起こすそうです。

インクカートリッジは主に家庭用プリンターに装着するインクを収めた容器。原告側の代理人弁護士によると、インクカートリッジをめぐってリサイクル業者がメーカーを訴えるのは異例中の異例ですね。

インクカートリッジは年約2億個が流通するとされ、リサイクル業者とメーカー間の市場争奪に影響を与えそうです。

インクカートリッジに関する訴訟は、修理か再生産かで最高裁まで争われた注目の裁判でした。

今度は、独占禁止法違反の有無が争われることになります。

公正取引委員会での排除命令ではなく、裁判所に損害賠償を求めるということにしたのも興味深いですね。

結果が楽しみです。



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至極真っ当な判決

2020-06-30 17:09:18 | 裁判
国がふるさと納税の対象自治体から外したのは違法だとして、大阪府泉佐野市が除外処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(宮崎裕子裁判長)は30日、市側の敗訴とした大阪高裁判決を破棄し、総務相の除外処分を取り消す判決を言い渡しました。

国が過去の募集態様を問題にしたのは違法で、除外処分は無効と判断したもので、至極真っ当な判決ですね。

そもそも法令の遡及適用はできないというのが、法律のイロハのイだと思うのですが、政府も地裁、高裁も何を考えていたのか、理解に苦しみますね。

官僚も裁判官も政権に忖度していたわけではないと思うのですが。

裁判官はもう一度司法試験を受験しなおした方が良いのでは。

この地裁、高裁の判断は後世に残る馬鹿げた判決として評論されるでしょうね。

最高裁が真っ当な判決を出して良かった。




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司法独立が試される

2019-09-04 09:38:54 | 裁判
政府の恣意的な政策を裁判所がどのように判断するのか、司法の独立が試される場面がきましたね。

東京電力福島第一原発事故の賠償費用について、送電線の使用料(託送料金)に上乗せして徴収するのは法的な根拠がなく違法だとして、九州や中国、関西地方の生協でつくる新電力「グリーン・市民電力」(福岡市)が国を相手取り、電力会社の託送料金の認可取り消しを求める訴訟を起こす方針を固めたそうです。

原発事故の賠償費用の利用者負担の是非を問う、初めての訴訟になりますね。

この新電力は太陽光発電などを手がけ、大手電力の送電線を使って契約者に電気を送っています。

上乗せ徴収が来年4月以降に始まるとみて、その時期をふまえて福岡地裁に提訴する方針だということです。

九州電力に上乗せ徴収分の返還などを求める訴訟も起こすそうです。

政府は当初、原発事故の賠償費用を全国の電気利用者から電気代を通じて集める仕組みをつくりました。

しかし、賠償費用が5・4兆円から7・9兆円に膨らんだため、2016年末に託送料金に上乗せして徴収する追加策を決めました。

新電力に対しても「積み立て不足があったため、追加分をわかち合うのはやむを得ない」との理由から、計2400億円の負担を割り振った経緯があります。

正当な理由になっていませんね。

さて、裁判所はどのように判断するのか。

韓国の最高裁判決を政治的だと批判していた日本の司法独立が試されていますね。





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