徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:松岡圭祐著、『高校事変 13』(KADOKAWA)

2023年04月03日 | 書評ー小説:作者ハ・マ行

『高校事変 13』では、これまでのシリーズの主人公・優莉結衣が大学生となったため、その妹の凛香が高校生となって活躍します。常に姉を意識して自分の至らなさ・ふがいなさに悔しい思いをしながらも、以前に比べて世を拗ねて不貞腐れた感じが少なくなっています。

ストーリーは、高校入学を控えた凛香が江東区の閑静な住宅街にある神社で同年代の少女・杠葉瑠那と会うことから始まります。瑠那は結衣や凛香同様、平成最大のテロ事件を起こし死刑となった男の娘。しかし、本人はそのことを知らずに養父母に育てられたらしい。凛香はただ、彼女に親切心(?)警告をするつもりだった。

優莉家の異母兄弟たちは互いに連絡を取り合うことを制限されているのですが、凛香と瑠那は偶然(?)同じ高校に通うことになり、特例が認められます。

一方、巷では女子高生が次々と失踪する事件が起こっており、凜香の周りにも不穏な影が忍び寄ります。

少しネタバレになりますが、女子高生連続失踪事件には『千里眼』シリーズの「恒星天球教」の生き残りが絡んできます。異なるシリーズのキャラクターや団体が登場することで、松岡ワールドあるいはサーガが紡がれていくのは読んでいて楽しいです。

今後は「恒星天球教」の生き残りの背後にいた黒幕との戦いになりそうです。
この巻は凛香と瑠那の出会い編で、次巻から二人の活躍と成長の物語が本格的に始まるみたいですね。
松岡圭祐の場合、ストーリーを忘れないうちに続編が出るのがありがたいです。

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