memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

コククジラの出現    イスラエル沖に

2010-06-16 11:40:41 | 水産・海洋
イスラエルのHerzliya沖合にコククジラが現れ保護主義者らを驚かした(BBC)
コククジラは大西洋の全域からすでに消滅したと思われていたが、一個体が地中海に出現、大きな驚きとなっている。このクジラはその自然の習性により太平洋から数千キロを遊弋してきたものと思われる。ともあれ、コククジラが従来の遊弋海域である西半球に戻ってきた可能性が高い。

写真認証
かつてはコククジラ生息地として西部及び東部太平洋、北大西洋の3つの海域があった。しかしながら、17~18世紀には北大西洋群は消滅してしまったがその理由は定かではない。その後大西洋でのこの鯨の発見事例は無い。5月9日イスラエルのHerzliya Marinaの沖に現れ、イスラエル海洋哺乳類研究保護センターIMMRACが確認を行った。この巨大な動物の確認は写真でも行われコククジラと査定された。

「この発見は驚くべき事実だ。今日、コククジラは北太平洋にしか生息しない。ところが北太平洋の地中海で単独で発見されたことは実に奇妙なことである」と英国Wiltshireの鯨イルカ保護協会(WDCS)のNicola Hodgins はいう。

科学者の困惑
WDCSはこのクジラの出現によって専門家たちが困惑しているという。「コククジラの長距離回遊は知られるところであり年間に15,000-20,000kmを泳ぐ」とHodgins.「一生にコククジラは月往復と同じ距離を回遊する」「しかしながらこの新たな事実は従来の距離の記録を覆すものだ」地中海に到るには遠回りのルートを取ることになり、たぶん津上の回遊とは違う太平洋につながるルートをたどったのであろう。鯨が単独で地中海に入り込むことは無くしたがって、大西洋のいずこかに移動した群れがいるのではという可能性を示唆する。「このイスラエル沖への出現は科学界にさまざまな疑問を投げかけるものとなった」とHodginsはいう。