競技者にケガは、つきものである。
バドガシュタインでの公開練習で手首を骨折したポロ。
その日の練習が終わり、食事をしに行くと、病院から戻ったポロが
すでに席について食事をしていた。
左手はギプスをハメて、指先だけが出ている。
「口の中を切っちゃって、痛くて食べられないよ。
でもオレは食べることが最高の楽しみだからさ」
そう言って、左利きなのに右手でスプーンを口に運んでは
「イテッ!イテッ!」と言いながら食べ続けている。
オーストリア戦が終わり、韓国に移動。
あれ?なんでポロが来てるの?と、まさかの韓国入りしたポロに聞くと
「出るよ!だって世界選手権だぜ」と、自分の体調を無視した答え。
みんなに「でも、スタートゲート引けないじゃん」と言われても
「大丈夫、右手があるから」と、真剣な顔で答えている。
公開練習開始。
1本滑ったところで、ポロとビンセントが戻って来ない・・・。
無線が入り、「ビンセントは病院に運ぶ、ポロは部屋で休ませる」と。
何があったのか後で聞くと、ビンセントはオーバースピードで
キッカーを飛び、ランディングで弾かれて、2連ロールの間に落ちてしまい、
そのまま動けなくなった。病院での診断は脊髄骨折・・・。
ポロはテーブル落ちしたときに、ケツに激痛が走った、と(汗)。
どうやらポロは、ウォーミングアップ無しで強い衝撃を受けたために
ケツの筋肉が筋断裂を起こしたらしい。
しかし!予選当日も足を引きづりながら「絶対に滑る!」と譲らない。
日本ならコーチが絶対に止める状況ですが「本人が決めること」と
ニコラも承諾。だって自分で立ってバインディングも固定できない状態ですよ。
座らせた状態でバインディングを留めてあげて、抱き抱えるようにして立たせる。
苦痛でフーフー言いながらスタートゲートに入り、左手のギプスを
スタートバーに乗せる。
板は、一応「本番仕様」に仕上げておいた。
予選スタート。
スタートから斜度は緩いがスピードに乗る4つのセクション。
コース横に居て聞こえる悲痛な声。
1つのセクションごとに「イテェッ!イテェッ!」と悲痛な
声を発しながらバンクに突入していく。
なんと!予選通過・・・30位!なんという気合。
高橋翔くんよりも速いタイムですよ。
無理して出場しなくても、オリンピックの出場枠は、ほぼ確定しているのに、
このあとのX-GAMEをキャンセルしてでも目の前のレースに出る!という気持ち。
「ここは静養して、オリンピックの前哨戦となるサイプレスで」なんて考えは無い。
世界から集まった人たちやメディアの人たちを気にせずにケツをアラワにして
雪でケツを冷やしながら、頭の中はレースのことしかない。
韓国人は指をさして笑っていた。そんなことを気にする余裕もない。
しかし、あの体で予選を突破した。本当に驚いた。
本戦は、朝起きた時点で「今日は無理だ」と言っていた。
そして「予選を突破できたのは、板のおかげだ。ありがとう」と言われた。
その「気持ち」がメダリストになるんでしょうね。
あんなん「板がどうの」なんてレベルの話じゃない。
口では「勝ちます」とか「頑張ります」とか簡単に言える人は大勢居る。
それは「本気」だとは思う。
でも、追い込まれて、追い込まれて、追い込まれたときにでも「結果を出す」
という気持ちの強さ。
誰もが「負けて当然」と思っている中で、「勝つこと」以外のすべての邪念を
振り切って勝負に集中し、結果を残せる強さ。
いつもニコニコして、子供のように感情的で、兄貴の背中を追い続けていたポロ
という印象から、ホンモノのアスリートを初めて感じました。
その日もシャカリキに腹いっぱいの食事をしていました。
そして「日本の寿司が食べたいなぁ」と遠くを見ながら言っていました。
目をキラキラさせながら「サイプレスにも美味い寿司屋があるんだ!日本ほどじゃないけど、サイプレスのツナも美味いんだ」と言っていた。
食べているときは痛みを忘れるらしい。
次戦は翌年にオリンピックの舞台となる、カナダのサイプレスです。
今季は雪不足に苦しんでいるカナダですが、どんなコースが待っているのか?
そうそう、大怪我をして戦線離脱しているピエールから連絡があり、
今季の最終戦となるイタリア戦には復帰するぞ!と言ってました。本気か???
バドガシュタインでの公開練習で手首を骨折したポロ。
その日の練習が終わり、食事をしに行くと、病院から戻ったポロが
すでに席について食事をしていた。
左手はギプスをハメて、指先だけが出ている。
「口の中を切っちゃって、痛くて食べられないよ。
でもオレは食べることが最高の楽しみだからさ」
そう言って、左利きなのに右手でスプーンを口に運んでは
「イテッ!イテッ!」と言いながら食べ続けている。
オーストリア戦が終わり、韓国に移動。
あれ?なんでポロが来てるの?と、まさかの韓国入りしたポロに聞くと
「出るよ!だって世界選手権だぜ」と、自分の体調を無視した答え。
みんなに「でも、スタートゲート引けないじゃん」と言われても
「大丈夫、右手があるから」と、真剣な顔で答えている。
公開練習開始。
1本滑ったところで、ポロとビンセントが戻って来ない・・・。
無線が入り、「ビンセントは病院に運ぶ、ポロは部屋で休ませる」と。
何があったのか後で聞くと、ビンセントはオーバースピードで
キッカーを飛び、ランディングで弾かれて、2連ロールの間に落ちてしまい、
そのまま動けなくなった。病院での診断は脊髄骨折・・・。
ポロはテーブル落ちしたときに、ケツに激痛が走った、と(汗)。
どうやらポロは、ウォーミングアップ無しで強い衝撃を受けたために
ケツの筋肉が筋断裂を起こしたらしい。
しかし!予選当日も足を引きづりながら「絶対に滑る!」と譲らない。
日本ならコーチが絶対に止める状況ですが「本人が決めること」と
ニコラも承諾。だって自分で立ってバインディングも固定できない状態ですよ。
座らせた状態でバインディングを留めてあげて、抱き抱えるようにして立たせる。
苦痛でフーフー言いながらスタートゲートに入り、左手のギプスを
スタートバーに乗せる。
板は、一応「本番仕様」に仕上げておいた。
予選スタート。
スタートから斜度は緩いがスピードに乗る4つのセクション。
コース横に居て聞こえる悲痛な声。
1つのセクションごとに「イテェッ!イテェッ!」と悲痛な
声を発しながらバンクに突入していく。
なんと!予選通過・・・30位!なんという気合。
高橋翔くんよりも速いタイムですよ。
無理して出場しなくても、オリンピックの出場枠は、ほぼ確定しているのに、
このあとのX-GAMEをキャンセルしてでも目の前のレースに出る!という気持ち。
「ここは静養して、オリンピックの前哨戦となるサイプレスで」なんて考えは無い。
世界から集まった人たちやメディアの人たちを気にせずにケツをアラワにして
雪でケツを冷やしながら、頭の中はレースのことしかない。
韓国人は指をさして笑っていた。そんなことを気にする余裕もない。
しかし、あの体で予選を突破した。本当に驚いた。
本戦は、朝起きた時点で「今日は無理だ」と言っていた。
そして「予選を突破できたのは、板のおかげだ。ありがとう」と言われた。
その「気持ち」がメダリストになるんでしょうね。
あんなん「板がどうの」なんてレベルの話じゃない。
口では「勝ちます」とか「頑張ります」とか簡単に言える人は大勢居る。
それは「本気」だとは思う。
でも、追い込まれて、追い込まれて、追い込まれたときにでも「結果を出す」
という気持ちの強さ。
誰もが「負けて当然」と思っている中で、「勝つこと」以外のすべての邪念を
振り切って勝負に集中し、結果を残せる強さ。
いつもニコニコして、子供のように感情的で、兄貴の背中を追い続けていたポロ
という印象から、ホンモノのアスリートを初めて感じました。
その日もシャカリキに腹いっぱいの食事をしていました。
そして「日本の寿司が食べたいなぁ」と遠くを見ながら言っていました。
目をキラキラさせながら「サイプレスにも美味い寿司屋があるんだ!日本ほどじゃないけど、サイプレスのツナも美味いんだ」と言っていた。
食べているときは痛みを忘れるらしい。
次戦は翌年にオリンピックの舞台となる、カナダのサイプレスです。
今季は雪不足に苦しんでいるカナダですが、どんなコースが待っているのか?
そうそう、大怪我をして戦線離脱しているピエールから連絡があり、
今季の最終戦となるイタリア戦には復帰するぞ!と言ってました。本気か???