ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

そんなことを言うのであれば、検察は今後裁判員裁判では、量刑不当の控訴はしないのかという話になる

2014-01-13 00:00:00 | 社会時評

過日、1審で死刑判決が出た裁判が、控訴審で無期懲役に減刑されたことがありました。この件で検察側が示す上告理由について「おや」と思いました。以下記事はこちら魚拓も。

>検察「裁判員判決尊重を」 死刑破棄に異例の上告趣意書

2013年12月26日07時31分

裁判員裁判の死刑判決を初めて破棄した6月の東京高裁判決をめぐり、東京高検は25日、「一般市民の量刑感覚を個々の裁判に反映させるという裁判員制度の趣旨を損なう」とする上告趣意書を最高裁に提出し、要旨を報道機関に公表した。検察が上告趣意書の内容を公表するのは異例だ。

 最高裁は昨年2月、覚醒剤の密輸事件で、「事実認定がよほど不合理でない限り、裁判員裁判の判断を尊重すべきだ」との判断を示している。検察側が上告理由に、この判例への違反を挙げるのは今回が初めて。

 男性1人が殺害された強盗殺人事件で、東京地裁の裁判員裁判判決は2011年3月、無職伊能和夫被告(62)に対し、自分の妻子を殺害して20年服役した前科を重視して死刑を選択した。だがプロの裁判官で審理する高裁は今年6月、前科を重視して死刑とした過去の判例と比較。多くは無期懲役の仮出所中に前科と似た罪を犯していたが、伊能被告の前科は、今回の金目当ての犯行との類似性はないとし、「一審は前科を重視しすぎた」として無期懲役に減刑していた。

 東京高裁は10月にも裁判員裁判の死刑判決を破棄。検察が上告している。

記事中

>一般市民の量刑感覚を個々の裁判に反映させるという裁判員制度の趣旨を損なう

というのは変な話ですよね。だってこんなこと言っていたら、今後検察は、裁判員裁判に関しては、量刑不当による控訴をすべきでない、っていう話になりますよ。でも量刑不当で今後も控訴するんだろ?

最高裁の

>事実認定がよほど不合理でない限り、裁判員裁判の判断を尊重すべきだ

というのもどうかと思いますが、量刑っていうのは、無罪を争っているのでない限り裁判の最大の焦点であるわけで、裁判員裁判なら、上級審も地裁の量刑に倣うべきったって、検察、弁護側双方そうはいかんでしょ。弁護側がそういう主張をするのならまだしも、公訴権を持つ国家機関である検察がそういう主張をするというのはどうかです。

個人的には、

>一般市民の量刑感覚

より裁判官の判例と日々の勉強に基づいた判断のほうがよっぽど信頼できると思いますが、 量刑に市民感覚を適用するとは、まさに悪しきポピュリズムもここに極まったりです。困ったものです。

記事のヒントをいただいたapesnotmonkeysさんに感謝いたします

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6 コメント

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Unknown (月夜)
2014-01-25 02:22:33
>>一般市民の量刑感覚
>より裁判官の判例と日々の勉強に基づいた判断のほうがよっぽど信頼できると思いますが、 量刑に市民感覚を適用するとは、まさに悪しきポピュリズムもここに極まったりです。困ったものです。

同感です。
こんなの人民裁判じゃないですか。
しかも人民裁判は、それ自体問題があるとは言え、長年にわたった社会的抑圧を是正して社会的正義を実現するという面があったのにもかかわらず、
一般市民の量刑感覚で裁くなんて、そんなの裁きなどではなく、憎悪を煽り立てられた只の血祭りじゃないですか。
一体何の社会的正義の実現だというのでしょうか。
返信する
>月夜さん (Bill McCreary)
2014-01-25 08:03:13
>こんなの人民裁判じゃないですか。
しかも人民裁判は、それ自体問題があるとは言え、長年にわたった社会的抑圧を是正して社会的正義を実現するという面があったのにもかかわらず、
一般市民の量刑感覚で裁くなんて、そんなの裁きなどではなく、憎悪を煽り立てられた只の血祭りじゃないですか。

そうですよねえ。日本の検察に代表される支配勢力、保守派は、人民裁判のたぐいをものすごく嫌っていたしまた批判していたはずですが、自分の都合のいい時にこのように利用するというのも、毎度おなじみとはいえ心底からうんざりします。ましてや刑事裁判で量刑まで担当するのなら、

>憎悪を煽り立てられた只の血祭りじゃないですか。

以上の話じゃないでしょう。

>一体何の社会的正義の実現だというのでしょうか。

そんな社会正義はご遠慮願いたいですね。
返信する
一般市民の量刑感覚を利用する検察は (谷本篤史)
2014-01-25 21:25:48
本当は、撫民政策として江戸時代に定番として行われた公開処刑や獄門など残虐刑の復活もしたいのではないかと勘ぐってしまいます。
ストレス解消の手段として、市中引き回しされる罪人に悪罵を投げかける手段を与えて社会に対する不平不満を増幅させぬようにし、公開処刑で一方ではストレス解消させ一方で罪を犯すことの恐ろしさをみせつけて、そして獄門によって罪を犯すことの恐ろしさを知らしめるという未来像を夢想しているのではないかと勘ぐってしまいます。
返信する
どーしーようもなく愚かな人たち (bogus-simotukare)
2014-01-25 22:16:25
「裁判員の判断尊重を」犯罪被害者の会が決議
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140125/trl14012517580001-n1.htm

単に厳罰万歳というだけの話を「裁判員制度」がどうこういうのはやめてほしいですね。「裁判員制度で検察の死刑求刑が蹴飛ばされれば怒り出すのがこの人たち」でしょうし。
この記事に出てくる
>常磐大大学院の諸沢英道教授(被害者学)は「民意を反映していない最近の裁判をおかしいと思っている人は多い。どんどん声を上げるべきだ」と呼びかけた。

てのも酷いですね。諸沢某氏は荒木や島田のような右翼活動家の類なんでしょう。被害者の「被告人への憎悪」を扇動する行為のどこが「被害者学」なんでしょうか。
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>谷本篤史さん (Bill McCreary)
2014-01-28 18:37:34
まあおっしゃるようなものでしょう。何をいまさら名がどうしようもない連中です。
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>bogus-simotukareさん (Bill McCreary)
2014-01-28 18:40:31
ご紹介のURLを拝見し、さらにこの会のHPも見てみました。いやあひどいですね。まさに例の名古屋闇サイトの母親の行っていることと同じです。当事者がこのような主張をすること自体は仕方ないところもあるかもしれませんが、被害者学の大学教授もひどいですね。別に被害者や被害者遺族の主張をどんどん裁判に取り入れたり厳罰化を押しすすめることが「被害者学」の目的でもないでしょうにねえ。万が一そうなら、そんなものは学問の名に値しないでしょう。
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