ちょっと面白い世論調査の結果を知りました。
>韓流ブーム陰り…ドラマ・映画・音楽の関心下落
読売新聞社と韓国日報社の日韓共同世論調査で、互いの国に関して興味や関心を持っていることを複数回答で聞くと、日本では「韓国料理」が48%でトップだが、前回の2011年の53%から下がった。
このほか、「テレビドラマ」31%(11年は38%)、「映画」24%(同34%)、「音楽」23%(同34%)など、すべての項目で数値が下落し、「韓流ブーム」にも陰りが生じている。韓国ではトップの「観光地」29%(同36%)に、「家電製品や自動車」が22%(同29%)などが続いたが、日本と同様にいずれも数値が下がっている。
日本人が最も親しみを感じる韓国人は、女子フィギュアスケートの金妍児(キムヨナ)選手(42%)、韓国人が親しみを感じる日本人のトップは浅田真央選手(26%)だった。金選手と浅田選手は、10年の調査でもトップ。
(2013年4月5日22時17分 読売新聞)
続きは、登録すれば読めるそうですが、私が興味のあるところはここまででじゅうぶんなので、以下は略します。
私が興味があるのがこちらです。
>日本人が最も親しみを感じる韓国人は、女子フィギュアスケートの金妍児(キムヨナ)選手(42%)、韓国人が親しみを感じる日本人のトップは浅田真央選手(26%)だった。金選手と浅田選手は、10年の調査でもトップ。
私のブログは、一言目には浅田真央をけなし、二言目にはキム・ヨナをほめるので、一部の人間から強い非難を受けていますし、キム・ヨナが世界選手権で優勝したら支離滅裂な誹謗中傷をくわえる人間まででてくる始末(たとえばこちらの記事参照)ですが(ただし、今回は「浅田が勝っていた」と主張する人間は少なかったように思います。さすがにだいぶ演技に差があったことを認めざるを得ない人が多かったということでしょう)、しかしこの調査によると、日本人が最も親しみを感じる韓国人はキム・ヨナで、ヨナさんは2010年の調査でもトップだったとのこと。ということは、キム・ヨナは長きにわたって日本で最も人気のある韓国人ということになります。
でも一般的には、キム・ヨナって、大嫌いな韓国人の筆頭っていう印象じゃないかなという気がします。浅田真央から金メダルを奪った憎んでも憎み足りない女とでもいうか。ていうか、浅田真央は、嫌韓のための日本側の最高の武器(っていうのも、浅田真央からすればなんとも迷惑な話ですが)、キム・ヨナは浅田真央と対応する最高の嫌韓の象徴です。実際、キム・ヨナがオリンピックで勝った時(あれで浅田真央が金メダルだったら、論外にもほどがあると思いますが)激しいバッシングが生じたのも記憶に新しいところです。
しかし、ですよ。ネット世論はともかく、世間一般で言えば、むしろキム・ヨナに親しみを持っている人はかなりの人数にのぼる、っていうのが、この世論調査からうかがえます。信頼性については何とも言えませんが、2010年の調査でもそうだったというのであれば、それなりに信用できるのではないかと。
この記述について、apesnotmonkeysさんはコメント返しで
>ネットじゃこの二人は「嫌韓」のための燃料的存在じゃないですか。そういう意味では、ネットでの傾向性とは違ったものがネットの外にはある、というのも一面の真理ではないかと。
と指摘されました。また当ブログの常連コメンテイターであられてフィギュアスケートにも詳しいRawanさん(はてなでのHNは「Rawan60」さん)は、この件についておなじコメント欄で
>>そういう意味では、ネットでの傾向性とは違ったものがネットの外にはある、というのも一面の真理ではないかと。
データの正確さは分かりませんが、これはまさに一面として知られていることですね。新大久保にしても、大阪のコリアタウンにしても、韓流ブーム以降、メディアにもよく取り上げられるし、ちょっとバブル的側面さえある(あった)んですね。
なればこそ、そういう人気者を言い掛かりで叩いて何とかイメージを悪くしたいし、人気の場所で騒動をおこさずにはいられないという、まあ、劣等感、妬み、嫉みという心理の噴出でもあるということですね。
とご指摘になっています。(ただしapesnotmonkeysさんは「私はそういう方向に引きつけて解釈することにあまり賛成できないですね」ともお書きになっていますが)
キム・ヨナが人気があることについては、キム・ヨナ大好き人間の私としては「当たり前」「理の当然」「あんな魅力的な女性が人気が出ないはずがない」といったところですが、どうやら世間一般では、すくなくともネットのように彼女が嫌われている、ということでもないみたいですね。ちょっと安心を(なぜか)してしまいました。
それにしても上のRawanさんのご指摘
>劣等感、妬み、嫉みという心理の噴出でもあるということですね
というのは、上にリンクしたキム・ヨナを誹謗する記事を書いた方の心理に近い気がします。どうでもいい話でしょうが。ていうか、あんな記事を書いて浅田真央その他のフィギュアスケーターが読んだら、かえって不愉快になるんじゃないの。
この記事をapesnotmonkeysさんのブログでご紹介して下さったつうこうにんさん、apesnotmonkeysさん、Rawanさんに深く御礼を申し上げます。
なお、上の写真は、2013年1月29日平昌スペシャルオリンピック開会式で、アウンサンスーチーと。
韓国や中国という国については色々と思うところはありますが、キムヨナのフィギュアスケート選手としての素晴らしさは国の問題とは全く別物。本当に優れた選手だと先日の世界選手権でつくづく実感しました。
また浅田真央のファンは、ヨナが何をしても文句しか付けられない可哀想な人たちだと思います。
この目で素晴らしいアスリートの現役時代を目の当たりにする事ができることがどんなに幸せな事か気が付いてないのですから。
私にとって、リアルタイムでヨナの試合を見られるということはテニスのフェデラー対ナダルの神試合を見る事と同じくらい凄いことです。
もちろん後から映像なので素晴らしい演技は何度でも見る事が出来ますが、その場の空気や感動を実感できるのは結果が出る前のその時しかないのですから。
>キムヨナのフィギュアスケート選手としての素晴らしさは国の問題とは全く別物。本当に優れた選手だと先日の世界選手権でつくづく実感しました。
ええ、キム・ヨナの国籍がどこかというのは彼女の演技と関係ないんだから、そういう話はいいっこなしにしたいですよね。
>また浅田真央のファンは、ヨナが何をしても文句しか付けられない可哀想な人たちだと思います。
この目で素晴らしいアスリートの現役時代を目の当たりにする事ができることがどんなに幸せな事か気が付いてないのですから。
もちろん浅田真央のファンがみんながみんなそんな人ではありませんが(だとしたら、浅田があまりに気の毒です)、とりあえずキム・ヨナの演技を同時代で見られるのは最高の幸せだと思います。ご指摘のように
>もちろん後から映像なので素晴らしい演技は何度でも見る事が出来ますが、その場の空気や感動を実感できるのは結果が出る前のその時しかないのですから。
ということです。
浅田真央が韓国でトップというのが、理解できつつ、でも26%というのは、ちょっと低くて、もう一つかな、とも思う点でした。
キムヨナというのは、おそらく韓国人の理想形を現在一番表している存在だと思えるんです。だから、その理想形に対する反発が韓国のアンチヨナを少なからず生んでいるベースにあるんですね。そのアンチの飛びつく存在として、つまり非韓国の象徴として浅田真央というのが、私の理解なんですが、数字が低いですから、もうちょっと「真央ちゃん」に頑張ってもらうと、日韓の対比として、こういった調査がもっと面白くなるかもしれません。
先のコメントの方もそうでしょうが、韓国については・・・・・・でも、キムヨナは違う、みたいな感覚は、多くの日本人に共有されているんでしょうね。
でも、演技の芸術性は取り合えず置くととしても、キムヨナそのものは、姿勢、生き方等、それらは、その日本人から見て「……」の韓国人の指向性を見事に具現してるわけです。もちろん正の方向で。
逆に言いますと、韓国で成功するためには、程度の差はあれ、誰もが「キムヨナ」になるしかないんです。
そこを理解すると、つまりキムヨナを理解すると韓国が解るみたいな感じで、日本人の韓国の「・・・・・・」度が下がるかもしれません、好きになるかどうかは別としても。
私も、ご指摘の浅田真央の人気の低さはちょっと意外だったんです。一番ではあるにしても、日本のキム・ヨナの人気よりも韓国における人気がやや低いというのがなぜかなと。
>キムヨナというのは、おそらく韓国人の理想形を現在一番表している存在だと思えるんです。
そうでしょうね。世界でトップの実力を持ち、写真にもあるように、障害者のスポーツ大会などでもしっかり親善大使の役割を果たす(ほんとなら、浅田真央にこのようなことをさせても日本もいいんかなと思います)、いろんな意味で非常に優秀な女性ですから、そういったところもキム・ヨナを韓国人が誇りに思う部分なのでしょう。
>先のコメントの方もそうでしょうが、韓国については・・・・・・でも、キムヨナは違う、みたいな感覚は、多くの日本人に共有されているんでしょうね。
でも、演技の芸術性は取り合えず置くととしても、キムヨナそのものは、姿勢、生き方等、それらは、その日本人から見て「……」の韓国人の指向性を見事に具現してるわけです。もちろん正の方向で。
逆に言いますと、韓国で成功するためには、程度の差はあれ、誰もが「キムヨナ」になるしかないんです。
そこを理解すると、つまりキムヨナを理解すると韓国が解るみたいな感じで、日本人の韓国の「・・・・・・」度が下がるかもしれません、好きになるかどうかは別としても。
なるほどね、これは非常に興味深いご意見ですね。いろんな意味で、キム・ヨナは日本人にとっても別格な人物ですが、キム・ヨナに親しみを持つことが韓国人理解につながる一つの道筋になれば、少なくとも来年のオリンピックまでは彼女は現役スケーターですから、彼女への注目がませばいいなと思います。
いい写真ですね!
apesnotmonkeysさんのあのコメントは、排外主義を大衆社会論的視野でまとめてしまうことの誤り、危うさを指摘されているものだと思いますので、日々不条理なキム・ヨナ誹謗やコリアタウン等の被害にも接してカッカしているにしても、エントリ記事の観点からはちょっとうかつなコメントだったと思っています(苦笑
まあ、個人的には「劣等感・嫉妬」は階層等に関係なく極めて人間的な要素でもありますから、「大衆社会論」に依拠するまでもなく、それは「直接の加害・被害」として喫緊の問題であることを言いたかったわけですが。
で、
>女子フィギュアスケートの金妍児(キムヨナ)選手(42%)、
ですが、何人が答えたのかは分かりませんが、簡単に言えば「現在最も有名」ってことなんじゃないですか(笑
まず、親しみを云々するほど、かの国の人をどれだけ知ってるかという話ですから、結局は「知名度」とほとんど代わりがないんじゃないでしょうか。いきなり訊かれて知ってる人の名前を挙げた程度の…。ただ、このパーセンテージからすると、明らかに韓流ドラマ系統はすたれて来ているようですね。K-Pop関係も定着するにはまだ及ばない観があります。
にしても、このスー・チーさんとのツーショットはインパクトありますね。どう見てもこれは国を代表する「顔」ですから。
カイリー・ミノーグが2011年の震災直後に来日(実はそこへ行ってたんです)し、時を同じくして来日していたオーストラリア首相と晩餐会に同席した話を聞いて、日本のミュージシャンやアスリートも、もっと社会的に貢献(そこは中田英寿の出番でしょうか)しておかしくないと思ったんですけどね。
>いい写真ですね!
でしょう(喜)。私もこの写真を見つけたときは思わず「おお!!」でした。
>apesnotmonkeysさんのあのコメントは、排外主義を大衆社会論的視野でまとめてしまうことの誤り、危うさを指摘されているものだと思いますので、日々不条理なキム・ヨナ誹謗やコリアタウン等の被害にも接してカッカしているにしても、エントリ記事の観点からはちょっとうかつなコメントだったと思っています(苦笑
おっしゃることはごもっともですし、あとの部分でもご指摘のように、この問題はおそらく不可分でしょう。韓国や中国が経済発展し、中国にいたってはついに日本のGDPを追い抜いたというあたりは、やはり昨今のぎすぎすした雰囲気と表裏一体でしょう。
>簡単に言えば「現在最も有名」ってことなんじゃないですか(笑
Ko1tnkさんもご指摘のように、つまりはそういうことでしょうね(笑)。それは仕方ないから、とりあえずゆっくりとでも相互理解を深めていくことが必要でしょう。
たぶんそうだと私も思います。といいますか、いまは韓国大統領も変わったばかりだし、金大中のように就任以前からものすごく日本でも名前が知られていた人でもないですし、またご指摘のようにひところほど俳優たちの人気もありませんから、キム・ヨナが一番知名度が高いのは、確かにそうだろうなと思います。
>K-Pop関係も定着するにはまだ及ばない観があります。
昨日KARAが日本テレビで特集されていましたね。未見ですが、録画はしたので見てみます。
>このスー・チーさんとのツーショットはインパクトありますね。
でしょう。正直この写真を見つけたときは嬉しかったですね。
>日本のミュージシャンやアスリートも、もっと社会的に貢献(そこは中田英寿の出番でしょうか)しておかしくないと思ったんですけどね。
香川とか浅田真央、あるいは国民栄誉賞の松井なんかは、そういった活動をしてほしいですね。イチローはちょっと系統がちがうように思うので。
4月7日付「世論調査の結果」(キムヨナは必ずしも日本人から嫌われているわけでもないらしい)の記事をご紹介していただきうれしいです。ありがとうございます。
フィギアスケートのフアンにとって、疑惑のことやキムヨナ批判は読むに耐えられないものが多く、そうした中、こちらの記事をほっとした気持ちで読ませていただきました。
この世論調査は読売新聞社と韓国日報社の「日韓共同世論調査」のようです。
さて、わたしがコメントさせていただいたのは、「キムヨナは必ずしも日本人から嫌われているわけでもないらしい」ですが、実際にキムヨナに好感を抱いているひとが、わたしの仕事関係やプライベートでも周りにとても多いのです。
ネットの外にあるのも一面の真理と書かれてありましたが、
わたしは50代ですが、中高年はネットをしないので、キムヨナのことをブログで書いたり、ツイッターでつぶやいて社会に反映できません。もしかして、世論調査によって、ネットの外にある、つまり「埋もれていた声」(キムヨナは美しいね~、キムヨナはうまいね~、やっぱりキムヨナが上だね~)が浮き彫りになったのかもしれませんね。
中高年はフィギアスケートを氷のスポーツとして、単純に、ハラハラしながら楽しんでいるひとが多いような気がします。わたし個人の感想ですが、キムヨナは氷と光の精が舞っているように見えるときがあります。荒川静香選手がキムヨナの演技を解説しているときに、「異次元のよう」と表現しましたが。
Bill McCrearyさんは映画や旅について書いていらっしゃるとのこと。これを機会にたまに訪問させていただきます。気持ちのいいブログには、気持ちのいい人が寄ってくることでしよう。
>そうした中、こちらの記事をほっとした気持ちで読ませていただきました。
はい、キム・ヨナが日本における嫌韓の象徴みたいになっていまして、私もそれはちょっと残念だなと感じていましたので、この世論調査を知った時はちょっとほっとしたというのが正直なところです。
>実際にキムヨナに好感を抱いているひとが、わたしの仕事関係やプライベートでも周りにとても多いのです。
私の周囲には、多いとは言えませんが、たぶん口には出さなくてもキム・ヨナを好きな人は多いと考えられます。
>もしかして、世論調査によって、ネットの外にある、つまり「埋もれていた声」(キムヨナは美しいね~、キムヨナはうまいね~、やっぱりキムヨナが上だね~)が浮き彫りになったのかもしれませんね。
はい、私もそう思います。あれだけの演技をする人ですから、それはそれ相応に評価しているはず。
>気持ちのいいブログには、気持ちのいい人が寄ってくることでしよう。
それならいいんですが(笑)。いろいろな記事がありますので、よろしければお時間のあるときにでも遊びに来てください。