映画と旅のブログを自称しているわりには旅はともかく映画の記事はあんまりないブログですが(美女探求は、半分以上映画関係の記事ですけど)、たまにはまともな映画の記事を書きましょう。
映画というのは、日本映画を例にとって見ると、映画会社が完全に自社で製作・配給をしていた時代は著作権は映画会社がもっていますから、ソフト化に特に問題はありません(表現とかの問題でソフト化されない映画もありますが、今回はそれは別とします)。ところが映画会社の景気が悪くなり、いろんな組織が金を出して製作委員会みたいなものをつくって映画が製作されて、しかも映画のソフト化が前提とされていない(契約書などにその旨が書き込まれていない)時代に製作された映画というのは、ソフト化が宙に浮いてしまっているものもけっこうあります。たとえば さだまさし主演の「翔べイカロスの翼」なんて映画はまさにその典型でしょう。
ところが世の中、そういった事情でソフト化されないというのはまだ分かるのですが、VHSビデオ化はされたのに、なぜかDVD(BD)化はされていない映画というのもあります。
時代が変わったので、映画の描写がまずいという判断が働いたのか、この映画ではDVD(BD)化しても商売にならないという認識なのかといろいろ理由はあるでしょうが、しかしそういった映画は私のような物好きにとっては一番興味のある映画だったりします。
最近はCSチャンネルでいろんな映画が見られるご時勢ではありますし、ネット配信サービスその他でいろいろな映画を鑑賞できますので、映画ソフトの売れ行きも悪くなる一方ですが、かといって全員が全員CSチャンネルを見られるわけでないし(我が家も契約を解除するかどうか検討中です)、たとえ放映されてもそのとき見逃すということもつねにあります、っていうか私は年がら年中見落としています。
私の話なんかどうでもいいですが、はじめっからソフト化されない映画はともかくVHSでは発売されたものがDVD(BD)発売されないというのは少々残念なところがあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/23/58a8f1bd4a413645c6380199bd127772.jpg)
で、今回とりあげる映画がこの『誘拐報道』です。
なお、ストーリーのネタをばらしちゃいますので、知りたくない方は以降の記事を読まないでください。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/a7/4cd1e7c5e713c3b48dbba81b8b401728.png)
映画の出来としては、報道関係の部分はタコですが、犯人側の描写のシーンは秀逸です。犯人役の萩原健一の演技は鬼気迫るといってもいいくらいのレベルです。あと丹後のシーンはすばらしいですね。雪が舞い、荒涼とした見ているだけで寒々とした気分になります。撮影の姫田真佐久のなせる業でしょう。
萩原は、誘拐している最中も家に帰って娘(高橋かおり)といっしょに風呂に入ったりします。しばらくは、もう子どもとあうこともかなわないという覚悟をしていたのでしょう。奥さん(小柳ルミ子)は夫にすでに愛想をつかしてるみたいですが。
これは実話の映画化でして、ラストを明かしちゃうと、犯人は逮捕され、人質も幸い助かります。
ストーリーの骨子をしゃべっちゃうことになりますけど、実は誘拐した子どもは犯人の子どもの(私立小学校の)同級生なんですね。犯人本人は不徳のいたすところですが、家族、とくに子どもは気の毒です。犯人の家族は夜逃げをしますが、待ちかまえていたカメラマンにむかって高橋かおりが叫びます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/cf/bf073348716c72ddd81380f750ae8f83.jpg)
「うち、お父ちゃんすきや!」
犯罪までしたどうしようもない親でも、やはり子どもにとっては親ということですかね。
なお、本当の犯人の子どもは娘じゃなくて息子だったとのことです。
ところでこの事件は1980年に起きまして(映画化は1982年)、この年は世間を驚かせた誘拐事件が他にも起きています。長野・富山の連続誘拐殺人事件や、名古屋の戸谷小百合さん誘拐殺人事件もこの年です。後者はすでに犯人の男性(この人については、あとで記事を書くつもり)の死刑が執行されており、前者は死刑囚の女性が現在再審請求中です。
最近はあまり営利誘拐というのも聞かなくなりましたが、それなりの厳罰効果(?)があったんですかね。別に誘拐殺人の全部が全部死刑になっているわけでもないのですが。営利誘拐なんかするのなら、銀行でも襲ったほうが確実に金になるし捕まっても(殺人とかがなければ)罪も軽いわけで、よっぽどいいんですけどね(って、もちろんそうしろって言っているわけじゃありませんよ)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/2f/16dfe8cdb5d15f32a07507137504120c.jpg)
さて、なぜこの映画はDVD化されないのでしょうか。日本テレビが出資した映画ですので、VHSはVAPから発売されていました。そんなに商売にならないということはないと思いますが、あるいは、高橋かおりのヌードシーン(小学生・・・いや、撮影時は幼稚園か・・・のヌードですから)がまずいのかな? ショーケンもお尻を見せています。
ただ、VHS自体はかなりの本数でまわっているみたいですので、アマゾンもしくはネットオークションなどで容易に手に入れることはできます。興味のある方は、ぜひご購入ください。
けっこう子ども(というか未成年)のヌードがまずいのでソフト化が見送られている(可能性もある)映画ってのはあるのかもしれませんね。過日記事にした「南無八幡大菩薩」でも、ミドルティーンの浅野温子のヌードシーンがありました。これはDVD化されたわけですが。
というわけで、これをシリーズにして気が向いたら記事にしたいと思います。お楽しみに・・・になるんでしょうか。
映画というのは、日本映画を例にとって見ると、映画会社が完全に自社で製作・配給をしていた時代は著作権は映画会社がもっていますから、ソフト化に特に問題はありません(表現とかの問題でソフト化されない映画もありますが、今回はそれは別とします)。ところが映画会社の景気が悪くなり、いろんな組織が金を出して製作委員会みたいなものをつくって映画が製作されて、しかも映画のソフト化が前提とされていない(契約書などにその旨が書き込まれていない)時代に製作された映画というのは、ソフト化が宙に浮いてしまっているものもけっこうあります。たとえば さだまさし主演の「翔べイカロスの翼」なんて映画はまさにその典型でしょう。
ところが世の中、そういった事情でソフト化されないというのはまだ分かるのですが、VHSビデオ化はされたのに、なぜかDVD(BD)化はされていない映画というのもあります。
時代が変わったので、映画の描写がまずいという判断が働いたのか、この映画ではDVD(BD)化しても商売にならないという認識なのかといろいろ理由はあるでしょうが、しかしそういった映画は私のような物好きにとっては一番興味のある映画だったりします。
最近はCSチャンネルでいろんな映画が見られるご時勢ではありますし、ネット配信サービスその他でいろいろな映画を鑑賞できますので、映画ソフトの売れ行きも悪くなる一方ですが、かといって全員が全員CSチャンネルを見られるわけでないし(我が家も契約を解除するかどうか検討中です)、たとえ放映されてもそのとき見逃すということもつねにあります、っていうか私は年がら年中見落としています。
私の話なんかどうでもいいですが、はじめっからソフト化されない映画はともかくVHSでは発売されたものがDVD(BD)発売されないというのは少々残念なところがあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/23/58a8f1bd4a413645c6380199bd127772.jpg)
で、今回とりあげる映画がこの『誘拐報道』です。
なお、ストーリーのネタをばらしちゃいますので、知りたくない方は以降の記事を読まないでください。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/a7/4cd1e7c5e713c3b48dbba81b8b401728.png)
映画の出来としては、報道関係の部分はタコですが、犯人側の描写のシーンは秀逸です。犯人役の萩原健一の演技は鬼気迫るといってもいいくらいのレベルです。あと丹後のシーンはすばらしいですね。雪が舞い、荒涼とした見ているだけで寒々とした気分になります。撮影の姫田真佐久のなせる業でしょう。
萩原は、誘拐している最中も家に帰って娘(高橋かおり)といっしょに風呂に入ったりします。しばらくは、もう子どもとあうこともかなわないという覚悟をしていたのでしょう。奥さん(小柳ルミ子)は夫にすでに愛想をつかしてるみたいですが。
これは実話の映画化でして、ラストを明かしちゃうと、犯人は逮捕され、人質も幸い助かります。
ストーリーの骨子をしゃべっちゃうことになりますけど、実は誘拐した子どもは犯人の子どもの(私立小学校の)同級生なんですね。犯人本人は不徳のいたすところですが、家族、とくに子どもは気の毒です。犯人の家族は夜逃げをしますが、待ちかまえていたカメラマンにむかって高橋かおりが叫びます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/cf/bf073348716c72ddd81380f750ae8f83.jpg)
「うち、お父ちゃんすきや!」
犯罪までしたどうしようもない親でも、やはり子どもにとっては親ということですかね。
なお、本当の犯人の子どもは娘じゃなくて息子だったとのことです。
ところでこの事件は1980年に起きまして(映画化は1982年)、この年は世間を驚かせた誘拐事件が他にも起きています。長野・富山の連続誘拐殺人事件や、名古屋の戸谷小百合さん誘拐殺人事件もこの年です。後者はすでに犯人の男性(この人については、あとで記事を書くつもり)の死刑が執行されており、前者は死刑囚の女性が現在再審請求中です。
最近はあまり営利誘拐というのも聞かなくなりましたが、それなりの厳罰効果(?)があったんですかね。別に誘拐殺人の全部が全部死刑になっているわけでもないのですが。営利誘拐なんかするのなら、銀行でも襲ったほうが確実に金になるし捕まっても(殺人とかがなければ)罪も軽いわけで、よっぽどいいんですけどね(って、もちろんそうしろって言っているわけじゃありませんよ)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/2f/16dfe8cdb5d15f32a07507137504120c.jpg)
さて、なぜこの映画はDVD化されないのでしょうか。日本テレビが出資した映画ですので、VHSはVAPから発売されていました。そんなに商売にならないということはないと思いますが、あるいは、高橋かおりのヌードシーン(小学生・・・いや、撮影時は幼稚園か・・・のヌードですから)がまずいのかな? ショーケンもお尻を見せています。
ただ、VHS自体はかなりの本数でまわっているみたいですので、アマゾンもしくはネットオークションなどで容易に手に入れることはできます。興味のある方は、ぜひご購入ください。
けっこう子ども(というか未成年)のヌードがまずいのでソフト化が見送られている(可能性もある)映画ってのはあるのかもしれませんね。過日記事にした「南無八幡大菩薩」でも、ミドルティーンの浅野温子のヌードシーンがありました。これはDVD化されたわけですが。
というわけで、これをシリーズにして気が向いたら記事にしたいと思います。お楽しみに・・・になるんでしょうか。
ショーケンは恐喝事件以降すっかりご無沙汰ですね。
そろそろ復帰してもいい頃かなと思うのですが、いかんせん声がねぇ。
10年以上前の大河でも声枯れがひどくて、いちいちひっくり返るんですよね。
後々見て爆笑してしまいました。
本人の不徳の致すところで仕方ないでしょうが、この映画では(当然ながら)とくに声は悪くなかったですよ。
でもこの映画、30年前の映画なんですよね…。
子役の高橋かおりも既に大人の女優ですしね。
何せビデオのパッケージに「三波伸介(1982年に死去)」なんて名前がありますからね。
「てんぷくトリオ」仲間の伊東四朗の名前もありますね。
監督・伊藤俊也って見覚えがあるなあと思ったら東日本ハウスがスポンサーの極右映画「プライド」を撮った人ですね。
何でそう言う方向に行ってしまったのか?
「本人の不徳の致すところ」なんでしょうか?
>監督・伊藤俊也って見覚えがあるなあと思ったら東日本ハウスがスポンサーの極右映画「プライド」を撮った人ですね。
そうなんですよ(笑)。本人に心境の変化があったのかどうかわかりませんが、「プライド」は作品の出来もあんまり良くなかったみたいですね。未見なのでめったなことは言えませんが。見たら記事にすることになるでしょう。
>何でそう言う方向に行ってしまったのか?
所属している(のはず)東映の映画だからしがらみもあったかもしれませんが、普通の人間なら断るでしょうね。やはり右翼なんかな。
おそらく大人の事情だったのではないでしょうか。
近作の「ロスト・クライム」も警察組織を批判的に描いてるそうで、単純に転向したわけではないと思います。
最初パール判事を主人公に据えるはずだったのに、無理して東条を主人公にしたと聞いています。
なので、かなり変なところが多々あるのですが、昭和天皇の戦争責任に関してはけっこう突っ込んだ描写をしていて、そこは右翼では触れられないと批判的な方もその点は評価していました。
>最初パール判事を主人公に据えるはずだったのに、無理して東条を主人公にしたと聞いています。
そうだったんですか。それは知りませんでした。
ともかく1度見てみないとなんとも言えないので、見てみて記事を書く価値があれば記事にします。
>大人の事情
たしかにいろいろあるでしょうけどね…。
>近作の「ロスト・クライム」も警察組織を批判的に描いてる
ググったら「三億円事件」をネタにしたもののようですね。
うーん、微妙。全くのフィクションならともかく、こういう実際に起こった事件をネタにするのは下手な扱いをすると、誤解を世に広めるだけかと思うのでねえ。
>単純に転向したわけではないと思います。
とはいえ映画スポンサーの東日本ハウスは今はどうか知りませんが、当時は明らかにウヨ活動をやっていましたからね。
当時、会長の中村功という人物は、「青年自由党」という右翼ミニ政党の党首でしたし、「渡部昇一の新世紀歓談」という右翼番組(テレビ東京。毎週日曜午前10時から30分間)のスポンサーでもありました。
この番組、毎回、西尾幹二だの小堀桂一郎だのといった真正保守が渡辺と一緒に右翼的な駄弁をするという内容でした。今はテレ東のアニメ番組枠になっていますが。また「プライド」の後には「インドネシアの独立は日本のおかげ」と主張しているらしい映画「ムルデカ」もスポンサーになってつくっています。
そういう会社がスポンサーでは転向したのでないとすれば「大人の事情でしぶしぶ引き受けさせられて、その中で努力したもののどうにもならなかった」というのが一番あり得るパターンでしょう。
はい、たしかにひところはずいぶん一生懸命やってましたね。それから渡部昇一のあの番組(1回だけ見たことがあります)のスポンサーもやっていたんですか。それは知りませんでした。渡部みたいな男をホストにして番組を作るとは、テレビ東京もいい度胸をした放送局です。
>大人の事情
真相はどうなんですかね?
70年代から80年代にかけて、日本映画は商業的には低迷期だったので、この時期のDVD化は上映時かヴィデオソフト化の時点でかなりヒットしたもの意外は全般的に遅れていますね。
同系統といえる「衝動殺人 息子よ」(1979年)なんて、木下恵介監督、若山富三郎主演でも「木下DVDBOX」でしか発売されていません。
日活ロマンポルノの順次DVD化も近年になってからですし、成瀬巳喜男作品群も2005年になってからだと思います。
もともとデジタル化を予定していたわけではないので、原版フィルムの保存状態も関係しているかもしれません。
TV放送でそれなりに視聴率を取ったり、どこかで特集上映があったりすると、いきなりDVD化されてりしますよね。
ヌードの問題も、当人の生存中は関係してくるんでしょうね。
>もともとデジタル化を予定していたわけではないので、原版フィルムの保存状態も関係しているかもしれません。
保存状態がいいとはとても言えませんよねえ。
>ヌードの問題
けっこうこの時代は少女ヌードのシーンがある映画もありますからね。そういう意味ではいろいろあるのでしょう。「博多っ子純情」も、やはり子どものヌードがあるせいかどうかはわかりませんが、DVD化はされていませんしね。