ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

トレイシー・ハイドについて、いくつかのことが判明する(追記あり)

2008-10-08 22:52:41 | 映画



トレイシー・ハイド(Tracy Hyde)と聞いてすぐピンとくるのは、1970年代に映画が好きだった人か、映画マニアでしょう。彼女は、1971年の「小さな恋のメロディ」に出演して、日本で高い人気を得ました。しかしその後あまりぱっとせず、今では「あの人は今」なんて番組にも登場したりしているくらいです。

先日の日曜日(10月5日)、ちょっと彼女について調べたいと思い、いくつかのサイトをチェックしていたら、いろいろ興味深いことを知ることができました。というわけで、このブログの読者の皆様にも知ってほしいと思って、今日の記事を書こうと考えたわけです。

まず面白く思ったのが、日本のwikipediaには、彼女の記事がないということです。英語の記事はなくても日本語のはあるんじゃないかと考えていたのですが、そうでもなかったみたいです。英語の記事が意外と充実していたのでとても参考になりました。

トレイシー・ハイドは、1959年3月16日にロンドン郊外のフラム(フルハムよりも「フラム」という発音のほうが正しいそうです)に生まれました。4歳からバレエを始めて、少女モデルなどもやっていました。

で、彼女の写真を映画関係の仕事をしていたアンドリュー・バーキンが見て、 「小さな恋のメロディ」(以下、「小さな恋・・・」と略)のオーディションに出ることを彼女の家族にすすめて、さらに制作のデヴィッド・パットナムや監督のワリス・フセイン(彼はインド出身でした)、脚本のアラン・パーカーに彼女を推薦しました。おそらくそのために、彼女は「小さな恋のメロディ」のメロディ役にばってきされたわけです。これが1970年の初旬です。

バーキンは、ジェーン・バーキンの兄で、1945年生まれですからこのとき25歳の若さでした。映画ではsecond assistant directer とクレジットされているバーキンですが、wikipediaの英語版の「小さな恋・・・」の記事によると、脚本もアラン・パーカーと執筆していたそうです。つまり、この映画の基本的なコンセプトや制作実務は、かなりの部分バーキンが担当していたということです。この映画での最重要人物は、このアンドリュー・バーキンかもしれません。

さてそれを知って考えると、これは賛成を得られないかもしれませんが、トレイシー・ハイドって、ジェーン・バーキンとちょっと雰囲気似ていない?! 少しぽわーんとしたところなんか近いところがあるかも。すいません、そうは思わんと言われれば仕方ありません。

  

「小さな恋・・・」の出演後、彼女は何本か英国のテレビドラマに出演しますが、1973年のドラマを最後に出演が途絶えます。しかし「小さな恋・・・」が日本で大ヒットしたせいもあり、彼女は日本に呼ばれて、彼女の主演映画すら企画されますが、実現はしませんでした。あまり出来のいい映画にはならなかったでしょうが、製作されればおもしろかっただろうなあと勝手に考えます。こちらのサイトによると、沖雅也との共演映画まで企画されたそうです。いやあ、実現していたらどんな映画になったことか、興味が尽きることはありません。沖とトレイシーの顔合わせもあったそうです。



その後彼女は、秘書になる勉強をして法律事務所などに勤務したりします。芸能活動からは遠ざかりましたが、日本の映画雑誌「ロードショー」(この雑誌も休刊ですね)の1977年5月号での「シネマ大賞」で彼女が1位になったために、わざわざ日本まで足を運んでいます。ほんまかどうかはいざ知らずですが、彼女は日本を去る際、

>読者の皆さん、私にまた投票してくれるかしら・・・?
そしたら、貯金しなくてもまた日本に来れるのに。

と言ったとか。もし事実なら、いろいろ考えさせられるセリフです。



1980年代になって彼女は、突然映画界に復帰しますが、あまり成功したとは言えません。1988年で彼女はその世界を去っています。30を目前にしていたこともあったのでしょう。正直、80年の写真を見ると、さほど魅力があるようにも見えません。

90年代は彼女はフランスに在住していました。お子さんも3人いるそうです。94年、99年に日本のテレビの取材を受けています。99年だったかにはマーク・レスターとも顔を合わせていました。

さて、私がこのような記事をくどくど書いていたのは、じつはこれからの情報を伝えたかったのです。彼女は現在、英国のロンドン郊外のサリーのペットショップで仕事をしています。そのサイトには、彼女の写真も写っています。

黒い髪の女性がトレイシーです。80年の写真よりも、今のほうが魅力的かも。

この店は、彼女の実家で経営しているもののようで、トレイシーは
>Tracy(Manager)

と紹介されています。地味といえば地味ですが、彼女にとっては今はとても幸せなのかもしれません。

私は知らなかったのですが、日本以外でも彼女はカルト的な人気があるようですね。なかなか興味深いサイトもあります。もう彼女が芸能界の一線で活躍することはないでしょうが、マーク・レスターは最近芸能界に復帰したようです。彼女も、特別出演くらいはしてもいいかも。

なお、この記事を書くにあたって、英語版のwikipediaIMDbを参考にしました。どちらも本当に役に立つサイトです。

最後に。彼女も来年(2009年)50歳です・・・・。

2010年3月9日追記:記事にも書いたトレイシーの日本のテレビ番組出演時の動画をこちらの記事にはりつけましたので、興味のある方はご参照ください。

2023年4月20日追記:昨日(4月19日)『小さな恋のメロディ』が放送されて、この記事ほか一連のトレイシー・ハイド関係の記事をお読みいただいたようです。それで、追記するのが遅くなってしまいましたが、この記事を書いて14年もたって、マーク・レスターとトレイシーのお二人と一緒に記念写真(お二人とのツーショット写真をふくむ)もとれて、懇親会に参加できて握手や食事やお話もできてしまいました。

マーク・レスターとトレイシー・ハイドの神対応に感動する(2人に挟まれた写真、2人とのツーショットも撮れたし、直接の会話、握手もできた!)(2)

もちろんこの記事を書いた時点では、そんな日が来るなんて想像もしていませんでした・・・。

コメント (54)
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