ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

高瀬川ダム

2017-04-18 11:50:18 | 岡山県
2017年4月10日 高瀬川ダム
 
高瀬川ダムは岡山県新見市神郷釜村の高梁川水系高瀬川にある岡山県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
高梁川主要右支流である西川では1972年(昭和47年7月豪雨による洪水被害を受け、県はダム建設を軸とした流域の抜本的な治水対策に乗り出します。 
そして1982年(昭和57年)に西川最上流部の高瀬川に建設されたのが高瀬川ダムです  
高瀬川ダムは岡山県土木部所管ダムとしては最初のゲートレスダムで、さらに全国で初めてダム管理用の小水力発電設備が設置されたダムとなっています。
高瀬川ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、高瀬川及び西川の洪水調節(最大210立米/秒の洪水カット)、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、新見市への上水道用水の供給を目的とするほか河川維持放流を利用した最大260キロワットのダム管理用発電を行っています。
その後2005年(平成17年)に西川右支流三室川に三室川ダムが建設され、西川流域の治水能力は大きく向上しました。

まずは下流から
県土木部所管ダムとしては初のゲートレスダムで、非常用洪水吐のクレスト自由越流頂4門、常用洪水吐の自然調節式オリフィス1門を備えています。
僅かにカーブを描く漸縮型堤体導流壁と湾曲する堤体右岸が柔和な印象を与えます。
 
左岸から。
 
僅かにオリフィスの赤い予備ゲートが見えます。
 
右岸は湾曲したカーブとフーチングの組み合わせが独特。
 
減勢工。
 
天端は車両通行可能
対岸は管理事務所。
管理事務所の下には繋留設備があります。
 
ダム湖は総貯水容量453万立米
ダム湖の奥にはキャンプ場などのレクリエーション設備が整備されています。
 
利水放流設備
ジェットフロートゲートを備え、左手には管理用発電所と放流設備に通じる鉄管が見えます。
 
右岸から
放流設備は堤体左岸側に寄っているのがわかります。
 
管理事務所下の県流設備のほかに、右岸にも浮き桟橋があります。
 
(追記)
高瀬川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1902 高瀬川ダム(0936)
岡山県新見市神郷釜村
高梁川水系高瀬川
FNW
 
67メートル
273.6メートル
4530千㎥/4080千㎥
岡山県土木部
1982年
◎治水協定が締結されたダム


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