鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

のちのち禍根を残す登場の仕方をした大阪桜宮高のバスケット部監督の元教諭

2013-03-07 | Weblog
 3日前の4日午後9時のNHKニュースの冒頭、大阪・桜宮高校の体罰教師がインタビューに応じて心境を語って謝罪していた。最初、一体だれかと思ったが、日本中が注目していた事件の当事者で、これまで一切の正体を隠して、テレビはもちろん新聞雑誌もずっと匿名で通していたのに、いきなりテレビ画面に本名も明かして登場したのだから、驚くな、というのが無理である。裁判にでもなれば、いずれ、正体がばれるのは時間の問題で、本人もマスコミの追及がやや下火となったいまをねらって、登場したのだろうが、あとあと問題となる登場であった。
 桜宮高のバスケット部の主将が体罰を受けて自殺し、広く社会問題となってから、この体罰教師は京都の「スクール・ウオーズ」で有名なラグビー部監督の子息であるといわれていたが、マスコミにはずっと匿名で報じられ、謎の人であった。それが、4日夜のNHKニュースの冒頭にいきなり登場し、インタビューに答える形で「彼を死に追いやった。愚かさに気がついた」と経過を含めて語った。1994年に同高に赴任した当初から体罰を行い、自殺した生徒への体罰は「彼のレベルアップがチーム全体のレベルアップにつながる、と考えたと説明、「選手や保護者には指導法がうまく伝わっていると思っていた。体罰という意識はなかった」とも語った。
 テレビ画面にはテロップで「小村基・元教諭(47)=懲戒免職」と出ており、名前を出すことは本人も承知済みのうえでの放映であることが読み取れた。画面のなかで頭を下げるような仕草はなかったように思うが、表現としては葬式の場ででか、生徒からの遺書を見せられ、体罰が自殺の引き金となったことを知り、深く反省した、とも語っていた。この間、約8分間、元教師にインタビューが続いた。終わったあと、NHKからはなんおコメントもなく、終わったあと直ちに次のニュースに移っていった。
 こうしたテレビの場を借りての謝罪は本人の希望によるものなのか、NHK側の意図したことなのか、はっきりちはしないが、事前にNHKニュース側から本人には説明があったものと思われる。
 自殺した生徒の両親は元教諭を相手どって裁判を起こことにしている、と伝えられているので、このテレビ出演の模様は裁判での重要な証拠にされる可能性がある。通常なら裁判に影響するので、出演はしないし、放送側も配慮するのが当然なのだろうが、あえてNHKは放送したのは禍根を残すこととなることだろう。
 本人にしてみれば、謝罪の気持ちをどこかで表明したかったのかもしれないが、テレビに画面を通じて訴えるというのは、テレビというものは意図しない波紋の広がり方をするので、よほど気をつけないととんでもないことになる、ということまで考えていなかったのだろう。
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