文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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あきれた瀬戸内氏の発言

2016-10-09 17:48:02 | オピニオン
 産経新聞によると、瀬戸内寂聴氏が、日本弁護士連合会のシンポジウムに寄せたビデオメッセージで、死刑制度を批判して、「殺したがるばかどもと戦ってください」と発言したそうだ。シンポジウムの担当者だった加毛修弁護士は、「死刑制度を含む国家の殺人のことであり、犯罪被害者へ向けられたものではないと考えている」と釈明したそうだが、これは犯罪被害者の感情を全く無視しているとしか言いようがない。

 日本では、終身刑がない。身内を殺した犯人は、死刑にならない限り、必ず出所してくるのだ。しかし、言われなく殺された人はもう帰っては来ない。こういった被害者の悲しみをどう考えるのか。

 おまけに刑罰の甘い日本では、死刑になるのはかなり悪質な殺人事件を起こしたような場合である。他人の人権を侵した者は、同程度自分の人権を制限されるというのは当然だろう。日本では「自力救済」は禁じられている。自分で手を下すことができない以上、死刑制度というのは必ずしも不合理なものとは言えない。

 もちろん、冤罪という問題があるのは事実だ。冤罪で犯人に仕立てられた者を死刑にしては取り返しがつかない。推定無罪の原則はしっかり貫かれるべきだ。しかし、犯人かどうかをまったく争う余地のないような犯罪もある。

 国にしても、好んで人を殺したがる訳ではないだろう。あらかじめ、こういうことをしたら死刑もありえますよと法にも定めているが、多くは常識的なことだ。何をしてはいけないのかは幼児でも分かる。死刑になるような原因を作ったのはいったい誰か。どれだけ人としてやってはいけないことをやったのか。そこのところをしっかり考えれば、瀬戸内氏のような発言は出てこないだろう。 

(追記)
 刑法を、国と個人との契約のようなものだと考えれば、あえて死刑になるようなことをするというのは完全に自己責任だと思う。被害者でもない第三者が、「死刑はけしからん」などと、つべこべ言うことではないだろう。
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