北里大学北里研究所病院バイオメディカルリサーチセンターが実施した治験で健康成人ボランティアのナトリウム値のデータを改ざんしていた事が昨年7月頃に発覚した。薬事日報での報道を確認したが、全国紙や地方紙での報道は確認できかった。
調査委員会の結論によると
「調査委員会は、平成27年2月4日から数回にわたる関係者からの聞き取り調査および現地調査を行った。その結果、少なくとも1件の検査データは検査結果に よらずに検査担当者が手入力で改ざんしたものであると認定した。ただ、本件の改ざんの実行者はBRC-CTUの検査技師であり、一般に科学研究などにおい て研究者が自らに都合の良いデータに意図的に改ざんするという事例ではなかった。そのため、本件の動機についても調査したが、被験者を可能な限り脱落なく 組み入れることで治験実施上も経営上も組織の損失を避けたいという観点が検査技師にも伝わっていたこと、および被験者組み入れの際に施設内基準値をわずか に外れた測定値になったときなどに再測定を繰り返すような慣行があったことが原因の一部と考えられた。なお、上司などからの明確な検査データ改ざんの指示 など、組織的な不正があったという証拠は認められなかった。」(リンク先より)
改ざん実行者の氏名等は公開されなかった。臨床研究や治験のデータ改ざんというとディオバン事件や肥満薬の治験データ改ざん等があった。藤井善隆の世界記録捏造も臨床研究の分野だったと思う。
臨床研究や治験のデータが捏造、改ざんされると患者の健康に害が出る恐れがあるので止めてほしい。
第1報 健康人対象治験におけるデータ不正についてお詫びとご報告(2015年7月14日)
第2報 本法人医療機関における臨床検査値のデータ不正問題について(2015年8月17日)
仲宗根勇(Isamu Nakasone、筆頭著者、写真最前列左から4番目の人物、その他1-写し1、写し2、写し3、その他2-写し1、写し2、その他3-写し1、写し2)琉球大学医学部附属病院(論文発表時)、山根誠久らが臨床微生物迅速診断研究会誌に掲載した論文がオーサーシップ違反で撤回された。リトラクションウォッチでも紹介された。
撤回論文(日本語)
仲宗根 勇, 山根 誠久, 宮崎 哲次, 翁長 小百合, 比嘉 美也子
Aeromonas属による特異な感染症例について-ガス壊疽様症状を呈した重症感染症例を中心に-.
臨床微生物迅速診断研究会誌 第12巻1号 p15~21,
(アブストラクト)
英語表記では
Isamu Nakasone, et al.
Aeromonas species infection with severe clinical manifestation in Okinawa, Japan-association with gas gangrene.
JARMAM 12(1)15~21, 2001
(Abstract)
撤回公告(日本語)
「本誌JARMAM 12巻1号に掲載された「仲宗根 勇、他:Aeromonas属による特異な感染症について -ガス壊疽症状を呈した重症感染症例を中心に- JARMAM, 12(1): 15-21, 2001」については、論文作成においてオーサーシップを逸脱する点があると判断され、本研究会として本論文の撤回を決定しましたので、お知らせします。
」
撤回公告(英語)
「Following a strict, extensive, and judicious review, it has become clear that the paper by Nakasone et al deviates from the ethical standard of authorship. Therefore, the Editor-in-Chief, Hiroyuki Nishiyama, has agreed to fully retract this paper from publication and from the published record. 」
撤回された旨は研究室の業績紹介でも言及された。学術誌の目次からも削除された。
仲宗根勇は2012年7月20日時点で琉球大学医学部附属病院検査部副技師長だった。現在は同検査部のメンバー紹介で確認できない。仲宗根勇は小島三郎記念技術賞を受賞、受賞時の写真、写し1、写し2、写し3。その表彰状の真後ろにいる最前列左から4番目が仲宗根勇。ここでは仲宗根勇が言及された-写し1、写し2、その他-写し1、写し2。
具体的にどのようなオーサーシップ違反か言及がない。オーサシップ違反で撤回になるのはどのような場合か。ゴーストオーサーシップなら盗用の可能性もある。
琉球大は厳正に対応してほしい。
小保方晴子がES細胞窃盗容疑で兵庫県警から任意で参考人聴取を受けた。ES細胞窃盗容疑で刑事告発され捜査中。強制捜査でES細胞混入犯と故意性を解明する事が真の目的。
最近ディオバン事件の裁判で特捜による強制捜査でいろいろな事が明らかになったのを見て、強制捜査の強い効力を感じた。STAP細胞事件も強制捜査でいろいろな事がわかるかもしれない。最大の核心であるES細胞混入犯と故意性を必ず解明してほしい。
植木浩二郎(Kohjiro Ueki、経歴、筆頭著者)東大医学系研究科 糖尿病・代謝内科分子糖尿病科学講座特任教授らの論文に画像捏造、改ざんの疑義がPubPeerで指摘された。
指摘のあった論文は
Kohjiro Ueki, et al.
Journal of Biological Chemistry, 278, 48453-48466. November 28, 2003.
指摘の一部を紹介する。
画像1、PubPeerの指摘。
論文著者らは研究不正を否定するかもしれない。これだけなら調査で不正が否定されるかもしれない。しかし、正直に感想を述べると、p-Foxo1の画像は切り貼りして別な画像に差し替えたのが明らかで、公正に調査すれば、これだけでも捏造、改ざんを認定されても文句は言えないと思う。
責任著者はC. Ronald Kahn(ジョスリン糖尿病センター Chief Academic Officer、ハーバード大学医学大学院)で、他にもKahnグループの捏造等がPubPeerで大量に指摘されている。日本人研究者も多数共著者になっており、植木浩二郎が筆頭著者の別論文にも指摘がある。その他の共著への指摘その1、その2、その3、その4、その5、その6。Kahn研で組織ぐるみの不正が行われ、留学した日本人研究者が巻き込まれたのかもしれない。
別論文の指摘に対してC. Ronald Kahnと思われる人物からの回答がPubPeerに掲載され、「to the best of my knowledge, neither I nor any of my colleagues or trainees has ever committed intentional scientific fraud.」と言及。しかし、画像1の意図的加工や多数の画像流用、切り貼りを見てしまうと、全く説得力がない。
C. Ronald Kahnはお偉いさんで、これまでの不公正な調査の数々をみると不正が認定されない可能性はある程度高いと思うが、公正な調査を期待する。
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(2017年4月1日追記)
ディオバン事件で『参加医師は、人事上の優遇を得るために、自発的にバルサルタン有利になるように虚偽の報告をしたと証言。「医師として最低の行為を行った」と反省の弁を述べた。[1]』
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「ある程度いい加減な試験と認識」
ノバ社から多額の奨学寄付金を得た大規模臨床試験であることから、「差がなかったとなれば、何の価値もない試験になる。松原教授の面目が潰れ、ノバ社からの奨学寄付金が得られなくなる。KHSをやる以上、結果はバルサルタンにとって有利な結果しかなく、事務局も同様に考えていると思った」とし、自発的に虚偽報告をした動機を説明した。国から依頼された試験ではなく、「あくまで府立医大の自主的な試験であり、医師が臨床の片手間にやる、ある程度いい加減な試験だと認識しており、重大な違法行為だと思わず、軽い気持ちでやってしまった」とも証言した。
ただ、KHSでバルサルタン有利な結果が出たにもかかわらず、病院や自身が評価されることはなかったとし、「松原教授からありがとう、よくやった、お疲れさまの一言もなかった。私は何のために虚偽報告をしたのか分からなくなり、とても情けなく思うとともに、松原教授を不快に思った」と述べた。 自身のした行為については「虚偽報告の結果、誤った結論が学会で発表され宣伝で使われることも理解していたが、その先に多くの医師や患者をだまし、医療業界に重大な悪影響を及ぼすとまでは思い至らなかった。本当に浅はかだった。医師として最低の行為をしたと思っている。深く反省している」と述べた。
調査に対して、事前に口裏合わせ
この日の公判では、前回に引き続きKHSで事務局を務めた男性医師への検察側証人尋問も行われた。2012年ごろになると、KHSの各論文への疑義が呈されるようになったとし、特にノバ社の社員である白橋被告が統計処理を主導したことが利益相反の点から問題になると危惧した。松原氏、白橋被告の指示のもと、男性医師が統計解析を行ったと説明をするために、事実と異なるデータ管理体制などを事前に3人で確認。
「嫌で嫌でしかなかったが、絶対服従の教授命令や尊敬する白橋先生の指示なので行った」などと語る一方、白橋被告がデータを改ざんしているという認識はなかったと強調。だからこそ、自身が統計解析を行ったという虚偽の説明をすることも受け入れたと述べた。
男性医師は統計解析ソフトを持っておらず、さらに日常的に使っていたパソコンはMacであったことから、白橋被告がソフトとWindows用パソコンを用意するなど、口裏合わせを行った。男性医師が解説書を読んでもソフトの使い方が分からないと相談したところ、白橋被告はメールで例題を提示するなどの指導をしてくれたと説明した。
解析結果への疑義が強まると、松原氏と男性医師は第三者にデータを提供し再検証してもらうことで、論文の正しさが証明できると考えたが、白橋被告が執拗に反対し、なかなかデータを提出しなかった。白橋被告と松原氏で口論になったこともあると言う。
白橋被告が改ざんしたと思うようになったのは2014年に行われた検察官の取り調べの中で、エクセルデータを見せられた時だとし、2013年に出された京都府立医大の調査報告については「白橋氏の統計解析はゆるぎないと信じていた。大学の調査は全てのデータがなく、第三者機関も間違っているのではと心配していた」と述べた。
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([1]より)
捏造、改ざんとその隠蔽の証言は衝撃的かもしれない。こんな事が本当に行われていたのだから驚く。他にも沢田尚久元京都府立医大講師に関して『ディオバン訴訟 絶対服従だった元講師、「お前がやったことにしろ」』という題の記事が報道された[2]。関連記事。集中は松原弘明と沢田尚久の逮捕は確実視されていると報じた。松原弘明は京都府立医大を懲戒解雇相当になったし、人体実験まで報道されたが、現在淀川若葉会病院の院長。
加藤茂明氏のケースならともかく、極めて悪質な様を考えると、追放がしかるべきだ。まして病院長なんて考えられない。医学系の人事はどうなっているのか。