世界変動展望

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藤井善隆(Yoshitaka Fujii)、論文172編で捏造!史上空前の捏造事件へ!!!

2012-06-29 23:19:00 | 社会

29日、医師で東邦大元准教授の藤井善隆の出版した論文で、172編の論文で捏造、37編で捏造が否定できないとする調査結果を日本麻酔科学会が発表した[1]。

『東邦大学の准教授だった麻酔科の医師が発表した200余りの論文について、日本麻酔科学会は、「ねつ造されたか、ねつ造の疑いが否定できない」とする調査結果をまとめました。
学会では「例のない数の不正で、国にも報告する」としています。

日本麻酔科学会は、東邦大学の准教授だった麻酔科の藤井善隆医師の論文に、「ねつ造の疑いがある」という指摘があったことから、ことし3月に特別委員会を設けて調査を行い、29日、結果を公表しました。
藤井医師が去年までの19年間に国内外の学術雑誌に発表した212の論文のうち、3本を除いて、これまで在籍した大学などの関係者に調査できたということで、「172本でねつ造があり、37本でねつ造の疑いが否定できない」としています。
ほとんどは患者への薬の投与など研究そのものを全く行っておらず、共同執筆者となっていても論文の存在を知らない研究者もいたということです。
学会の2度の聞き取りに対し藤井医師は「ねつ造は1つもしていない」と強く否定しているということです。
特別委員会の委員長を務めた長崎大学の澄川耕二教授は記者会見で、「海外を含め例のない数の不正で、医療機関や専門家同士のチェック機能が全く働かなかったのは問題だ。学術雑誌に論文の抹消を求めるとともに、国にも報告する。学会でガイドラインを作るとともに告発しやすい態勢を整えるなど、再発防止に努めたい」と述べました。[1]』

この事件は日本麻酔科学会が調査し今月中に調査結果を公表するとしていた。当初は論文193編で捏造の疑いがあるとされていたが、さらに16編増えて209編となった。なんと200オーバー!少なくとも172編の論文で捏造が確認された。れだけでも史上空前の捏造事件で、捏造論文数の世界記録を達成した[2]。日本人がこんな事件を起こしてしまって、本当に恥ずかしい。

これだけ不正があれば共著者も知らなかったでは済まされないだろう。共著者は決まって「知らなかった。被疑者に任せていたので不正はしていない。」と言い訳するが今回の事件はさすがに藤井以外誰も処分されないというのは絶対におかしいだろう。

最近も2000年に海外の専門誌が藤井の不正を指摘していたにも関わらず藤井の当時の所属機関である筑波大学が指摘を握りつぶしていたことが発覚した[3]。東邦大学も生データの不存在が立証されているのに捏造を認定しなかった。特に筑波大が当時にきちんと調査していればこれほど大規模な事件にならなかった[3]。筑波大、東邦大の責任は極めて重い。

[2]でも述べたがなぜこれほどの不正がこれまで放置され、発生を防止できなかったのか。特別委員会の委員長を務めた長崎大学の澄川耕二教授は『医療機関や専門家同士のチェック機能が全く働かなかった[1]』『学会でガイドラインを作るとともに告発しやすい態勢を整える[1]』といっているが、筑波大みたいに不正を指摘されても握りつぶしている機関もあり、東邦大のように研究不正のガイドラインや規定があって生データの不存在が立証されてても捏造を認定していない研究機関もある。

研究機関や専門家同士のチェック機能が働かなかったとか規定や制度が不備だったという問題というより本質的に研究機関や研究者が不正の問題に対して極めて消極的で、意図的に問題を避けてきたことが根本原因だ。

「不正の調査や認定なんて自分ら(研究機関)にとって何のメリットもない。不正を認定したって自分らの名誉が下がるし、研究費を返還しなきゃならんし、犯人の処分で裁判リスクを負わなきゃならんし、調査なんて時間と労力の浪費だし、真面目にやってられっかよ。告発なんて握りつぶすか、受理しても調査をいいかげんにやって不正をうやむやにしちまえばいいんだ。犯人だってその方が助かるし、仲間を助けたいってのもあるしな。不正とせず論文の誤りだけ過失を理由に訂正させれば読者も困らないんだしよー。」

これがどの研究機関でも当てはまる本音だ。この事件だけでなく琉球大学の森、獨協医大の服部、東北大学の井上明久、京大の辻本の事件などいいかげんな調査が行われてきた[4][5]。本来こういう不適切な調査を改善すべき監督官庁や資金配分機関でさえ、

「調査なんて犯人の所属研究機関に任せればいいんだ。そんなめんどくさいことやったって自分達には何のメリットもないよ。」

これが監督官庁や資金配分機関の本音。

本件の根本問題を単にチェック機能が働かなかったとか規定や制度が不備だっただけと認識すると不正は絶対になくならない。研究機関、監督官庁、資金配分機関などの不正改善に対するあまりのやる気のなさ、消極さが根本原因だ[6]。

だから、不正に対して客観的かつ公正かつ厳正に取り組む第三者機関が絶対に必要だと本ブログでは繰り返し主張してきた[4]。

史上空前の捏造事件を起こした日本の研究機関や行政機関はこの問題の根本原因をきちんと考慮し実効的な再発防止策を作らなければならない。確かに藤井の著しいモラル欠如は原因だろう。しかし、それだけが原因ではない。これほど大規模な不正を未然に防止できなかったのは、研究機関や監督官庁、資金配分機関が本質的に不正改善に対して極めて消極的でやる気がないからだ。また、ちゃんと人事や査定のときに論文の質や藤井の人格を審査していれば不正を防止できていたに違いない[2]。他にももっと原因はあるだろう。

犯人の処分、お決まりの再発防止策の発案、関係者の謝罪などだけでは改善策としてまったく不十分。日本の研究機関や監督官庁、資金配分機関はもっと真剣に不正改善に取り組まなければならない。

繰り返しになるが、不正に対して客観的かつ公正かつ厳正に取り組む第三者機関の設置は必須だ。

参考
[1]NHK NEWSweb 2012.6.29
[2]世界変動展望 著者:"東邦大を諭旨退職となった藤井善隆(Yoshitaka Fujii)、論文193編で捏造疑惑、史上最高の撤回論文数達成か?" 世界変動展望 2012.5.28
[3]世界変動展望 著者:"筑波大学、藤井善隆への不正告発を握りつぶし!" 世界変動展望 2012.6.26
[4]世界変動展望 著者:"研究機関のあらゆる不正を調査する第三者調査機関を必ず設置せよ!" 世界変動展望 2012.5.30
[5]世界変動展望 著者:"京大で不正経理!自浄作用が働かなかったことが浮き彫りに!!" 世界変動展望 2012.6.29
[6]世界変動展望 著者:"研究不正が起きる根本原因について" 世界変動展望 2012.4.16



4 コメント

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この問題に国民は関心を (zippy)
2012-06-30 09:19:42
いつも読ませていただいています。

受けている医療の根拠になっている可能性もあり、第三者機関の設置を急いで欲しいですね

無駄な税金も減らせると思います。



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第三者機関の設置 (世界変動展望 著者)
2012-06-30 18:27:52
いつもお世話になってます。

この問題に関してはなぜ不正を防げなかったのか国民的に議論しなければならないことだと思います。調査委員会の委員は共著者同士のチェック機能が働かなかったとか告発を受け付ける制度や規定が不備だったなどといっていますが、規定があって生データの不存在が立証されていても捏造を認定しなかった東邦大や不正を指摘されていてもそれを握りつぶした筑波大の対応をみても、絶対にそれらだけが問題ではなく、研究機関や監督官庁、資金配分機関が不正改善に対して本質的に極めてやる気が無く消極的なことも原因です。

きちんとこのことを改善しない限り、今回ほど規模は大きくないにしろ同様の不正事件は続くでしょう。

客観的かつ公正かつ厳正な調査を行う第三者機関の設置は必須です。
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Unknown (筑波大)
2012-07-02 02:57:42
QOVねつ造?
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回答 (世界変動展望 著者)
2012-07-02 22:25:36
すみません、そのQOV捏造というのがどういうものかわかりません。
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