世界変動展望

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ES細胞を混入してSTAP細胞を捏造したのは誰か?

2014-12-27 00:11:18 | 社会

26日の理研調査委員会の会見でSTAP細胞等の正体がES細胞と断定され、論文の主要な結論が否定された。調査委はES細胞の混入と断定したが、混入者の特定ができず故意か過失か不明とした。弁護士委員によると、混入者を特定してから故意性を判断するのが常識で、混入者の特定ができないと故意性の判断ができなかったと報告された。また、誰が混入したのかという点も若山研に多くの人が夜間に出入りする事ができたため、特定できないと報告された

しかし、私はこれには異論がある。

(1)故意性について

調査委員会の報告ではES細胞の混入は2011年11月頃から若山照彦が理研から山梨大に移る直前まで何度も行われたピペットの誤操作等で偶然何回も混入されたと考えるのは不合理だから、故意と断定できる。法律の見解はよくわからないが、なぜ混入者を特定しないと故意性を断定できないのかよくわからない。実行者不明でも故意かどうかわかるだろう。例えば皆さんが今使っているPCは誰が作ったか特定できないが、明らかに人為的、意図的に作られたものだ。過失でPCが作製されたわけがない。何度もES細胞を混入するのは過失では不合理。

(2)ES細胞の混入者について

調査委員会の報告では若山研に多くの人が夜間に出入りする事ができたため、特定できないと報告された。しかし、外部の人が夜間に何度も若山研のインキュベーターにES細胞を混入させるのは難しい。まず外部者にはインキュベーターがどこにあるかよくわからないし、中の容器でSTAP幹細胞等が保管されているかどうかもわからない。動機も不明だ。だから外部者がES細胞を夜間に若山研に忍び込んで何度も混入するのは難しいと思う。怪しまれる人物には実行が難しい。

よって、混入できた人物は若山研内部の人物で長期的、日常的にインキュベーターに接触できた人物だ。この時点で被疑者は小保方晴子、若山照彦、若山研スタッフに絞られる。リンク先の役割表によると笹井芳樹、丹羽仁史はキメラマウスが最初に作製された2011年11月以降に研究に関与したし、STAP細胞の作製や万能性の実験に携わっていないので実行者ではない。論文著者の被疑者は小保方晴子と若山照彦だけだ。どちらも長期的、日常的にインキュベーターに接触できたと思う。

また調査委員会の報告でSTAP幹細胞等の正体の大部分が若山研由来のES細胞で小保方晴子がSTAP細胞を作製中だった7日間に混入された事がわかった混入者は若山研のES細胞を入手できた人物で、小保方がいつSTAP細胞を培養したのかを知っていた人物だ。その意味でも外部者には混入が困難だし、小保方晴子がSTAP細胞の作製を始めると、7日中に何者かが何度も培養容器にES細胞を混入させたのだから、作製した人物でないと混入が難しい。若山やその他のスタッフが小保方晴子がいつSTAP細胞を作製していたのか詳細に把握していたなら話は別だが。

それに小保方晴子はハーバード大学でもSTAP細胞を作っていたとされるが、それはいったい何だったのか?ハーバード大学の調査結果が出ていないので、現時点でわからないが、もし正体がES細胞だったら小保方晴子しか共通した関与者がいないから、小保方晴子が混入者である可能性が高くなる。サルのSTAP細胞やサルで驚くべき結果があったという発表は何だったのか。(STAP細胞がES細胞だった以上、これも虚偽が濃厚)

重要なのは小保方晴子が様々な細胞を使い分けて都合のいいデータを作った点[1][2]。

『小保方氏らはSTAP細胞のmRNAの塩基配列データを2つ公開している。細胞の遺伝子配列を調べる時は、市販の試薬を加えてサンプルを調整し、装置にかける。1つはSMARTerという試薬を用いてサンプルを調整したデータ、もう一つはTruSeqという別の試薬で調整したサンプルのデータだった。

(中略)

 資料ではこの両方のデータについて、様々な遺伝子のmRNAの量、すなわち遺伝子がどの程度発現しているかを調べている。ともにSTAP細胞で得られたデータだが、両者は完全に食い違った。SMARTerで調整したSTAP細胞のデータにはESでよく発現する多能性遺伝子がすべて高レベルで発現しており、解析した細胞は何らかの多能性幹細胞とみられる。一方TruSeqで調整したSTAP細胞のデータでは、多能性遺伝子がまったく発現していない。こちらは多能性のない、普通の脾臓細胞だと考えられる。
 解析する細胞を間違えたのだろうか?それは考えにくい。論文によれば、解析は念のため、SMARTerの調整サンプルについて2回、TruSeqの調整サンプルについて2回の合計4回行っている。しかも1回ごとに新たなSTAP細胞を作って解析しており、同じ試薬で調整したサンプルのデータ同士は再現性が良い。結論は一つしかない。「STAP細胞」とされているものに、異なる2種類の細胞が存在するのだ。

(中略)

 なぜ異なる細胞を使ったのだろうか。これらのデータが使われた先を見ると、その理由がうかがえる。STAP細胞のmRNAデータは論文中で、細胞同士の遺伝子的な創刊の度合いを示す樹形図を描くのに使われている。酸に浸けた脾臓細胞をTruSeqで解析したデータは、レター論文の図2i(右ページの上図の左)を描くのに使われた。これを見ると、STAP細胞は元の脾臓細胞との相関が強く、ES細胞とはやや距離があることがわかる。
 一方、ES細胞とみられる多能性幹細胞のSMARTerデータは、同じ論文の追加図6d(右ページの上図の右)に使われている。こちらではSTAP細胞はES細胞に近く、マウスの胚の発生段階で生じる桑実胚や胚盤胞からは遠いものであることを示している。
 この2つの図から描けるSTAP細胞像は、「元の脾臓細胞よりはES細胞寄りだが、受精卵からできる桑実胚や胚盤胞よりはずっとES細胞に近い」というものだ。というより、むしろこうしたストーリーを描くのに必要なデータを取るために、一方では酸に浸けて遺伝子の発現が若干変化した脾臓細胞を、もう一方ではES細胞を用いた疑いが濃い。[1]』

と説明されたように、小保方晴子は多能性のない脾臓細胞とES細胞を使い分けて遺伝子解析者に渡し都合のいいデータを作った。他にも細胞の使い分けによるデータ作成がある。

もしES細胞混入者が小保方晴子以外の人物なら、解析ごとにSTAP細胞を作ったのにES細胞が混入された細胞とそうでない細胞を複数回使い分けて都合のよいデータを偶然作ったことになるが、それは余りに不合理だ。そういう選別ができるのは使った細胞の正体を知っている場合しか考えられない。即ち、小保方晴子はES細胞の混入者かその共犯だ。また動機の点でも、この行為で一番利益を得るのは小保方晴子だから一番疑わしい。また、これは私の主観だが、ES細胞を継続的に混入するのは明らかに倫理意識が欠如した者による異常行為で、混入者は悪質な人物だと思う。不正が認定されたテラトーマ画像の流用データ操作の供述数々の不正行為を考えると、小保方晴子の研究遂行は未熟ではなく異常だ。論文や実験ノートがそれを象徴している。小保方晴子の研究遂行の異常さを考えると、ES細胞を混入して都合のいいデータを捏造しても不思議ではない。また、多能性のデータは全て小保方晴子が作ったSTAP細胞をもとに得られたものだから、小保方晴子がES細胞を混入し自分で使ったか共同研究者に渡していたと考えると自然だ。

他にも根拠はいろいろあると思うが、少なくとも小保方晴子がES細胞の混入者でないという合理的根拠がない。小保方晴子はES細胞の混入を強く否定しているが、「STAP細胞はあります!」が大嘘だった事をはじめとして、小保方晴子の嘘の数々のために、もはや弁明を全く信用できない。調査委員会は限られた時間でかなり精力的に調査したので、これ以上は調査しないと思う。ES細胞の混入者はこの事件最大の不正行為者だが、それを特定するには刑事捜査するしかないだろう。大きな事件だから、誰かが刑事告発するかもしれないが、私は捜査されないと思う。

一方で、調査委員会が指摘したように笹井芳樹と若山照彦が不可解なデータを見落として発表した事は責任が重かったし、なぜ見逃されたのか疑問だ。私は笹井芳樹はデータの不可解さに気づいていたと思う。間違ったデータが非常にたくさんあったのに、論文執筆の天才と言われる笹井が論文を作成していて、それらに気づかなかったのは不可解だし、T細胞→STAP細胞→STAP幹細胞→キメラマウスという流れでTCR再構成が確認できなかった点を見逃したのも不可解だ。笹井の不幸は不正に気付いていて故意に見逃してしまった事に責任を感じた事が原因の一つかもしれない。若山照彦も思い当たるところがあったから、3月10日に論文撤回を呼びかけたのかもしれない。これらは推測に過ぎないが。

今回の調査委員会の判断は非常に多くの誤りが少なくとも著しい注意義務違反なのに不正と認定しなかったり、生データや実験ノートの不存在で不正の疑いを覆せない時に不正と見なされるという文科省ガイドラインの規定が適用されず、過失と嘘を言ったり、証拠を隠滅すれば不正責任を逃れられるという悪例になるのではないかと危惧している。肝心なES細胞混入者やその故意性も不明と結論されたし、かなり落胆した。

何度も言っているように、少なくとも私は小保方晴子が今回の問題に対して不正を謝罪し、説明しなければならないと思う。これだけの大損害を与え、逃げ続けているのは許せない。理研の会見でも調査報告に関して連絡が取れないと言及されたある報道ではしばらく休んだ後に海外の大学院に入りたいと述べているらしいが、不正で甚大な損害を与えたのに何の謝罪や説明もせず逃げ続け、自分は休んだ後に研究を続ける等、とんでもない事だと思う。確かに、日本では一部何も説明しない、論文の訂正、撤回すらしない研究者もいて写し、そういう事もあるかもしれないが、研究者の適切な態度ではないと思う。小保方晴子が何の説明や謝罪もせず逃げ続けて研究者を続けるのは認められない。

皆さんはどう思いますか。

参考
[1]日経サイエンス2014年8月号 「STAP細胞の正体」
[2]確か26日の会見では、小保方晴子が遺伝子配列のデータを誤登録したという情報が出されたと思う。理研がデータを公開する事に前向きらしいので、詳しくはその解析結果を見るべき。桂勲調査委員長も言っていたが、小保方晴子は過失をよくやるので、故意に誤登録したか不明だが、「下書きの博士論文を誤って提出しました」という信じられない弁明でバイオ系会社HPの細胞画像の剽窃・捏造をごまかす事に成功したように、再提出のデータが証拠隠蔽や立証妨害にならないとよい。



10 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-12-27 00:36:55
海外の大学院に入りたい、というのは、早大の博士号はあきらめて、海外で博士号を取りたい、ということでしょうか?
大学院にしろ、研究所にしろ、彼女を受け入れるのはリスクが大きすぎます。
一方、彼女が説明謝罪すれば許す、みたいなことを言う研究者もいます。彼女がこのまま嘘をつきとおした方がよいような気さえします。嘘の謝罪をして、許すとか言うところでまた変なことするかもしれないから。
また、頭のおかしな擁護派がこれだけ多いと、謝罪も脅されてやったととられます。
小保方氏は死ぬまで嘘をつき、妄想の世界に生き、擁護派は死ぬまで擁護。それ自体はそれほど実害はない。むしろ、こういう事態に対してああいう対応しかできない科学界の方が実害がある。
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Unknown (Unknown)
2014-12-27 01:49:28
研究不正をする研究者、その研究不正の調査や結論、対処を曖昧にする研究機関は、同じ事を繰返します。

彼らは実験や研究は勿論、他の出来事でも、壁にぶつかったり、思い通りにいかない場面に遭遇したりした時に、不正や誤魔化し、曖昧な対処ですまします。

バレなきゃいい、バレても誤魔化せばいいと。ヒトの思考や行動パターンは、そんなに変わりません。

個人も組織も、不正した者は不正したとハッキリさせ説明責任を果たさせる。
そんなに追求しなくてもとか、キツイとかいう感情論に振り回されるのは、ダメです。

調査委員会は丁寧に論文を調べられたと思います。だから、なおさら、ハッキリと不正者を認定する必要があったと思います。

ダメよ、ダメダメ~、でしたっけ?
流行語大賞の通りです。
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Unknown (Unknown)
2014-12-27 02:19:43
研究不正をする研究者、不正を曖昧にする研究機関は、同じ事を繰返します。

壁に遭遇した時、思い通りにモノゴトが進まないどきどきに、不正や誤魔化し、曖昧な対応ですまします。
ヒトや組織の行動パターンは、劇的には変わりません。

調査委員会は丁寧に論文不正を調べられたと思います。だから、なおさら、ハッキリと不正した者を認定する必要があったと思います。

そんなに厳しく追求しなくてもとか、そこまでしなきてもとか、対応がキツイとかの感情論ではなく、不正は厳しく対応すべきです。

今年の流行語大賞は
ダメよ、ダメダメ~でしたっけ?

研究不正に甘い対応は、
ダメよ、ダメダメ~です!
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開き直りの勝ち (Unknown)
2014-12-27 23:29:09
「何の説明や謝罪もせず逃げ続けて研究者を続けるのは認められない」のはごもっともですが、バレたから謝罪や説明が必要となっただけの話で、バレなければ堂々とノーベル賞を受賞したかもしれませんね。

ノーベル賞の関門はそんなに低くないと思いますが、不正だけで生き延びている人は意外と多いのかもしれません。

彼女は上をいっており「そんなの私だけじゃないもん」と思っているのかもしれませんよ。

某マンモス市立大学文系学部の学部長も
博論を何度もコピペして業績を作り
悪気もなく堂々としていますから

そういう世代じゃないんですか
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研究不正ガイドライン (アノニマス)
2014-12-28 09:41:55
調査委員会の報告書では、文科省や理研の研究不正の定義は、どこへ行ってしまったのでしょう?ひとつひとつ疑義を挙げ、つまるところ、怪しいけど証拠がないから、不正とはいえないとの判定が並んでいます。生データがない、記録がない、データを示して反論していないという点で、ガイドラインに従えば不正と判断されると思いますが。そして、小保方氏の研究範囲が、すべてクロであるなら、ESを混入したのは誰かは明らかだと思います。動機の点でも、若山氏は、STAP細胞の実績がなくても、山梨大学教授に招かれたわけですし、笹井氏、丹羽氏も、理研で高い地位にあり、業績も高く評価されているわけですから、この三方には、それまでの業績や地位を無にするような危険を犯して不正をする動機は考え難いと思います。方や小保方氏は、業績もない、研究者能力に欠ける若手研究者です。そしてSTAP論文以前の過去の論文でも、研究不正が常態化していました。とすれば、混入したのは誰か言うまでもありません。
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Unknown (Unknown)
2014-12-28 12:34:41
なぜ犯人を特定しないのか。
理由は名誉棄損で訴えられるから。
調査委員会には弁護士が入っている。

kahoの日記でもそのことに触れているし、また、暗に、笹井氏がストーリーを書いたとほのめかしている。

小保方氏が捏造を認めた場合、笹井氏の罪も明らかになる。
小保方氏に訴えられ、その上、笹井氏まで罪人になるのは理研はいやだったのだし、科学界の人々もそこまでは無理にやれとは言えないのだろう。
このブログでも、何々は認められない、というようなあいまいな言い方ばかりで、裁判になってもいいから原因究明を、とは言わないではないか。
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Unknown (Unknown)
2015-01-13 18:12:33
眞葛原雪(特定祕密印),Yuki M @pririn_ · 5時間 5時間前

でも、そのマウスを使用する実験計画を立てたのもマウスを用意してのも、若山研であるという点がミソで「重要なのは小保方晴子が様々な細胞を使い分けて都合のいいデータを作った点」


残念、論破されましたね
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Unknown (Unknown)
2015-02-09 19:38:20
事件が風化して行くのが残念です。
今回の刑事告訴が受理されなければ
混入した犯人は逃げ切りです。
理研は物的証拠を公開して
なんとかこの前代未聞の不正疑惑を
解明して欲しいと思います。
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Unknown (Unknown)
2015-05-23 22:57:18
STAP細胞はあるよ

みなさんが認めたくない理由も想像つく
 
しかし、事実は事実であり、真実なんですよ
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Unknown (Unknown)
2015-07-27 15:35:51
みなさんは、STAP細胞を認めたくないわけじゃないと思うよ。論点をずらすなよ(↑)

もし本当にそんな細胞があるとちゃんと確かめられたら、
それはどれだけ良い事か。

なのに、今回は、ちゃんと確かめもしないで、嘘のデータでみんなをごまかしたから、だからみんな混乱したし、迷惑を被ったし、憤りもする。

しかも、なぜこんなことになったのか、きちんとした説明も贖罪もない。気味悪さを感じているんだと思う。
少なくとも私は怒りよりも前に、恐怖に近いものがある。

この「研究」には実験動物の命もたくさん使われている。この「研究」の先には、人の治療法への応用があるとされてた。そんな活動なのに、こんな気味の悪いことが放置されてそのままでいいわけがない。
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