世界変動展望

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フライデーの日本高血圧学会幹部らに対する報道について

2013-06-10 02:36:29 | 社会

フライデーが現在まで4回にわたってディオバン(バルサルタン)関連の記事を公表した。松原弘明元京都府立医大教授だけでなく小室一成東大医学系教授や堀内正嗣日本高血圧学会理事長・愛媛大学教授など高血圧学会幹部らもターゲットにされている[1][2][3][4]。

ノバルティス社が開発した降圧剤であるディオバンの売り上げを伸ばすために、ノ社が研究者とぐるになってKyoto Heart Study,Jikei Heart Study,VARTなどの臨床研究でディオバンに有利な成果を捏造させて論文発表、それを販促に利用し大儲け、堀内等の高血圧学会の幹部などに座談会を開いて謝礼を渡し、ディオバンを宣伝させ、日経メディアル等の医療専門誌で宣伝する。そういう製薬会社、研究者、医療専門誌の三位一体で詐欺的販促し大儲けした疑惑があるというのが報道内容だ。

日本高血圧学会はフライデーの報道に対して

『講談社掲載記事に対する日本高血圧学会の対応について

株式会社講談社発行に係る平成25年5月17日発売の「フライデー」5月31 日号18頁及び19頁において、「天皇の主治医が『疑惑の降圧剤』をそれでも大宣伝!」とのタイトルの記事が掲載・発表されましたが、当該記事には誤った 事実及び根拠のない憶測が多々含まれておりました。
ついては、本学会は、講談社に対し、平成25年5月23日、このような誤った事実及び根拠のない憶測に関し強く抗議し、訂正を求めました。
なお、当該記事が関係するバルサルタンに関する研究については、本学会としては第三者たる専門家に依頼の上、中立的かつ適切な検証を行う予定であり、今後とも説明責任を果たすように努力する次第であります。
 
日本高血圧学会 理事長 堀内 正嗣

(日本高血圧学会 HP写し 2013.5.23)』

と公表し、会員向けにも別途報告を行った。この内容は公表されていないが、本ブログに情報提供があった。情報提供者には申し訳ないが裏付が取れないという意味で信ぴょう性が十分でないので以下の内容は参考程度に留めてほしい。

『日本高血圧学会は理事長 堀内 正嗣 と第三者を加えた検討委員会の名前で、

(1)フライデーに報道されたような日本高血圧学会及び理事長を誹謗するような発言は、日本医学会としては行っていない。
(2)この件に関して、厳重にフライデーに日本医学会として抗議したこと。
(3)日本高血圧学会で調査を開始されましたVARTの結果について、適宜報告するよう日本医学会から言明があったこと [5]』

を会員向けに報告したという。

高血圧学会が怒っているのは想像に難くないが、フライデーの報道が誹謗中傷、誤った事実及び根拠のない憶測というならどういう点でそう思うのかきちんと根拠を示して説明を公表してほしい。日本の研究者は疑いをかけられると説明しないで沈黙を続けることが珍しくない。Jikei Heart Studyもランセット誌で由井が疑義の論文を公表しても無視していた。[6]によると『ランセット編集部からの由井氏のレターへの反論を求められた慈恵医大が、何も回答しなかったことは、関係者の間で「慈恵医大が疑惑を認めた」と認識される。』と言及されている。きちんと説明しないといけない。(別件だが説明するどころか、不正論文を訂正や撤回すらせず逃げてしまった者すら存在するが・・・。)

私はフライデーの記事がどこまで正しいのかわからない。しかし、バルサルタンの疑義を考えると研究者とノ社がぐるになって薬効等をでっちあげた可能性はかなり高いと思う。最終的にはKyoto Heart Studyの論文は撤回になったし、一部の薬効の証拠は無かったことになったといっていい。日本循環器学会によれば数多くの解析の誤りがある。有利な方向に間違える様、大量に間違う様は故意を強く推認させる。また研究者とノ社がぐるになっていることも推認させる。多くの国民はそう思っているだろう。

もし小室ら日本高血圧学会の幹部が研究者とノ社との癒着に抗議するなら、きちんと根拠を示して説明する必要がある。バルサルタン事件や藤井善隆の世界記録捏造等で日本の臨床研究の信頼は地に落ち、危機的な状態になっている。きちんと回復させるのは医師や研究者の務めだろう。最低でもきちんと説明しないと世界は信用しない。

また京都府立医大のお手盛り調査も報道された。ORIの常設など現在の研究不正調査制度の問題奨学奨励金のあり方、資金提供側と研究者のあり方日本の業績申告と審査の問題などをきちんと議論して二度と研究不正や不公正な業績評価等が起きないような仕組みや自浄作用を保障する機構を作ることが必要だ。

参考
[1]"ドル箱降圧剤の論文撤回、京都府立医大有名教授と製薬会社ノバルティスの闇
   ◆     松原弘明・京都府立医科大学元教授、降圧剤「バルサルタン」 " フライデー p86 2013.4.19 発売

その1その2その3写し1写し2写し3
[2]世界変動展望 著者:"小室一成東大教授とバルサルタン事件をフライデーが報道!" 世界変動展望 2013.5.16
[3]"クスリの闇第3弾! 慈恵医大、千葉大も調査へ 「疑惑の降圧剤」を日経専門誌でPRする教授たちの厚顔" フライデー 2013年6月7日号 2013.5.24 発売

その1その2その3写し1写し2写し3
[4]「「疑惑の降圧剤《バルサルタン》」&「保険診療費」に群がった学者を直撃 」 フライデー 2013.5.31 発売

記事1記事2記事3写し1写し2写し3
[5]世界変動展望 著者:"フライデーがバルサルタン事件で厚生労働省の行政指導等があったことを報道! -コメント欄" 世界変動展望 2013.5.31
[6]臨床研究不正 バルサルタン問題 (2013.5)-ワードファイル 、作成者は不明だが、ワードファイルの作成者名やYahoo Japanの記事を考えるとおそらく上昌広(東大医科学研究所特任教授)の文章。



2 コメント

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松原宏明 ⇒ 松原弘明 (通りがかり)
2013-06-10 11:10:14
松原宏明 ⇒ 松原弘明
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回答 (世界変動展望 著者)
2013-06-10 22:03:09
修正しました。
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