駒子の備忘録

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羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』(文藝春秋)

2015年09月26日 | 乱読記/書名さ行
 「早う死にたか」毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、ともに暮らす孫の健斗はある計画を思いつく。日々の筋トレ、転職活動、肉体も生活も再構築中の青年の心は、衰えゆく生の隣で次第に変化して…閉塞観の中に可笑しみが漂う、新しい家族小説。第153回芥川賞受賞作。

 なかなかシュールでホラーでもありましたが、もっとどうしようもなく陰惨な話なのかとなんとなく思っていたので、意外とまっとうで健やかでもあり、まあまあおもしろく読みました。
 『火花』はまだ読んでいませんが、『スクラップ~』は明らかに芥川賞受賞作っぽい作品だな、と思いました。著者の既刊を読んだことはないのだけれど、なんとなく。
 フェイドアウトしてしまう彼女がさもありなんで印象的でした。
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