中日劇場、2014年6月27日ソワレ。
時は18世紀末、栄華を誇ったブルボン王朝は翳りを見せ始め、王妃マリー・アントワネット(蘭乃はな)の浪費による国庫の疲弊は深刻な事態に陥っていた。重税に喘ぎ各地で暴動を起こす民衆と宮廷の関係は日増しに緊迫の度合いを深め、国家の軍隊が民衆に向かって武力を行使するのも時間の問題であった。さらに宮廷はもうひとつ由々しき問題を抱えていた。アントワネットとスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン(明日海りお)との道ならぬ恋である…
原作/池田理代子、脚本・演出/植田紳爾、演出/谷正純。花組新トップスター明日海りおのプレお披露目公演、「フェルゼンとマリー・アントワネット編」。全2幕。
基本的にはえりあゆの雪「フェルゼン編」を踏襲している感じでしたね。あゆっちアントワネットにもこれくらい出番を作ってあげてほしかったです…さらに上手く構成しなおして宙全ツ版に生かしてください、お願いしますよ!
プロローグは小公子小公女から。カノちゃんさすがに顔が小さくて可愛いな。
パペットで仮面舞踏会を再現するのは別にそんなにおもしろいアイデアではないと思います、もういいです。てかやるならちゃんとやってほしいよこの三人の出会いの場面は…蘭ちゃんは美しい。
そこからフェルゼン登場、みりおも美しい。でも貴族Aのだいもんばっかり見てましたすみません。
しかし何故みつるはルイ16世(高翔みずき)役ではダメだったのでしょうか。専科に組替えする餞としてド・ブロイ元帥(華形ひかる)という新しい役を作ってあげたつもりなのかもしれませんが、これが既存の貴族の台詞をちょっとずつ寄せ集めてしゃべらされるような役で立ち位置も意味不明なキャラクターで、軍服がやたら豪華なことがかえって悪目立ちする残念なことになっています。
冒頭のユリカーテン前場面は雪組版ではニワニワが絶品の台詞回しでなんとか成立させていただけに、今回はつらかった…らいらいもブイエ将軍(夕霧らい)のニンじゃないと思うんだよねー。
さおたさんの国王はよかったです。だからこそみつるにやらせてもよかったと思うし、なんなら農民の回想台詞で済ませている処刑の場面を新たにやらせてもよかったと思うのですよ…
さてベルサイユ宮殿、深夜の見回り場面。デカいデカいと聞いてはいましたがキキちゃんのオスカル(芹香斗亜)はホントにデカかった…やはりちょっといろいろ問題な配置だったのではあるまいか…
あとジェローデル(鳳真由)は何故リボンをつけることにしちゃったの? 旅装時はともかく、キャラクターに決められた髪形ってものがあるはずでは…貴族っぽくてよかったけれど、オスカルへの求婚とか「身を引きましょう」とかがない状態でのこの役は、なんだか意味不明で便利使いされて見えるところがありますね、不憫…宙全ツはあっきーかなあ…心配。
オスカルはフェルゼンが潜んでいることがわかったからこそアンドレ(望海風斗)を先に行かせたのかと思ったのですが、違うんですね。遠近法がおかしな背景から現われるみりおフェルゼン…ヘンすぎてつらい。
でもボート場面が復活したことは素晴らしい! 原作漫画にはない場面ですがフェルマリ編の華でありふたりの恋を描く貴重な場面です。雪組ではこれもやらずにすぐ別れ話にした老害演出家に呪いあれ。
しかしここの蘭ちゃんは私にはなんだか…でした。というか意外と植田歌舞伎が似合わないのか? もしかしたらもっとリアルなお芝居をさせた方がいいタイプなのでは…なので『エリザベート』には歌はともかく期待がちょっと高まりました。しかしここは二幕のことを考えてやや浮かれた作りにしているのだとしてもなんかハートが伝わってこない気がしてしまいました。残念。
続く国王のお散歩場面、コンパクトにやってもらえればあるべきいい場面だと思います。国王夫妻のねじれた関係と、王妃とフェルゼンの不倫の理由が語られる訳ですからね。
しかしオスカルがフェルゼンを事前に諌めているのだから、メルシー伯爵(英真なおき)の説教場面はカットしてもいいのではなかろうか…ジュンコさんとみりおの芝居のよさもあってだいぶストレスが軽減されていましたが、とはいえ台詞の非論理性ははなはだしく耐え難いです。でもどうやら老害演出家のお気に入りの場面っぽいですよね、少しも早くなくしてもらいたいよ…
ジャルジェ夫人(梅咲衣舞)のイブちゃんがが意外にもしっとりと上手い! オルタンス(花奈澪)のなみおが意外にもしっとりとしてイイ!
ベルナール(大河凛)はがりんちゃん、優しげでよかったかな。ロザリー(花乃まりあ)はしっかりしてそうでこれもいい感じ。しかし「マスコット」発言はまだ残っていました。少しも早く以下同文。
お別れ場面を挟んでまたカーテン前、貴族たちの中ではくみちゃん、ユキちゃんがさすがに美しくて声もよくて目立ちました。
一幕ラストは宮殿の大広間。うーん、えりたんの方が説得力あったかなあ…すみませんが私は実はみりおのことは好きでも嫌いでもなくて、実は今回あまり真ん中力とかスター性を感じなかったんですよね。まあちょっと『ベルばら』に疲れてしまっていたのかもしれませんが…心配していたほど悪くもなかったけど、可もなく不可もない印象しかなかったのでした、すみません。
二幕はマイナー曲調の小公子小公女からスウェーデン花祭りへ。だいキキにバイトさせなきゃいけないくらいなんだったらこの場面いらなくない? 下級生のためのダンス場面ってほどのものじゃないじゃん…というかバイトさせなきゃ出番がなくてマズい、みたいな構成になっていること事態がマズいんですよ…
期待していたソフィア(桜咲彩花)がまた普通だったな、残念。
パリ市街はまたバイト祭り。まあここは仕方ないかな…
でもそれでもうすぐ橋の場面ですよ、「今宵一夜」がナシですよ。雪組でも特出のときには毒殺場面がなくて、それでも話はまたつながらなくもないですが、今宵一夜がないとオスカルがフェルゼンからアンドレへいつ心を移したのかさっぱりわからないじゃないですか。せめてジェローデルの台詞に足したら?
というか、不要な場面を削ったら今宵一夜の分の時間くらい作れるでしょう。主役ふたりに関係ない場面とはいえもはや宝塚の『ベルばら』と言ったらこれが白眉なのではないの?
というか、スターの配置がとか比重がどうのこうのとか言うならいっそ、アンドレをなくしたらよかったと思います。それなら今宵一夜がないのも仕方がないと納得できます。『ベルサイユのばら』ではマリー・アントワネット、フェルゼン、オスカル、アンドレの四人が主要キャラクターだと思いますが、百歩譲るならアンドレは一段落としてもいいと思うのです。これは同じ年に生まれ、仮面舞踏会で運命の出会いをした三人をめぐる物語なのですから。
だからアンドレをなくしてオスカルをだいもんにして仮面舞踏会での三人の出会いからきちんとやってなんならオスカルの女装場面もやって、アントワネットとの友情と別離も描いて、でもアンドレの存在は台詞で語りバスティーユで散り牢獄と断頭台で終わる…とつなげれば、かなり上手い原作のダイジェストになると思うのです。長い原作のどこをどう切るかには果断が必要でしょう。でも今宵一夜カットはナイ!
チュイルリー宮殿での場面が復活したのは嬉しいです。母性あふれるあゆっちアントワネットにこの場面をやらせなかった老害演出家に呪いあれ。
しかし子供を取り上げられるくだりは何故原作どおりにやってくれないの? 公安委員たちがよってたかってアントワネットを殴り足蹴にするのは観ていて不愉快ですし、高貴な身分の女性に彼らが手を上げるなんておかしいんじゃないかなあ。アントワネットがかわいそうなのは殴られるからじゃなくて子供を取り上げられたからでしょ、そしてそれは彼女が彼らの子供を失わせる原因になっていたからでしょ? No More原作改悪!
フェルゼンの歌を挟んで再びパリ、またまた意味不明場面が新登場。どうやらヴァレンヌ事件にあたるらしい脱出計画をド・ブロイとベルナールが計画していてロザリーが止めるやりとり、まったくもってなっていません。
まずこの時点で国王はすでに処刑されたことになっているのでしょうか? でもだとしたら脱出させるべきなのは王妃ではなく王太子です、王統を継ぐのは彼なのですから。王妃は外国人の嫁にすぎません。あとベルナールを「偉い人が頭下げて頼んできたから主旨を曲げて助けてあげよう」なんてことで行動するアタマ悪い男にしないでくださいお願いだから! 宙全ツにあったらマジ呪う!!
雪組で増えた国境警備隊との謎のやりとりがなくなったのはめでたいです。二度と復活させないでいただきたい。馬車のフェルゼンに短鞭ではなく追い鞭を持たせる日は決してこないのでしょうか…あれで馬の尻に届くと思っている労害演出家はマジで脳味噌が溶けているに違いありません。
牢獄場面はさすがによかったのだけれど、蘭ちゃんが気品と気迫あふれる芝居をしていただけに、立ったままスープをすするお行儀の悪さがことに気に障りました。このくだり、原作ままでいいんじゃないかなあ。
それとメルシー伯爵が来ると朝鳥が鳴くのはなんなの朝になったってことなの? さっき夕食のスープをすすったのに? あの効果音、必要??
フェルゼンを止めるロザリーが太ももに腕を回すのってなんかいやらしくないですかね? 腰のあたりをひっぱるんじゃダメなの??
でも断頭台はよかった! 階段数が少ないために壁に映った光がギロチンの刃のようで、泣けました! セリ下がるみりおも美しい、立ち去る蘭ちゃんの背中も美しい!
フィナーレの「愛の柩」のデュエダンはえりあゆとまったく同じ振りでも雰囲気がまったく違っていておもしろかったです。新トップコンビのプレお披露目、おめでとう! オマージュも素敵でした、だいもんしか見ていませんでしたが。
ユキちゃんのカゲソロとエトワールは絶品でした。新公エリザやらせてあげたいなあ。
というワケで宙全ツが『ベルばら』苦行のラストだと信じたい…客入りがよかろうがやはりこればっかりやってるのは問題ですよ、しかも改訂が全然なってないんだもん…
神様、もっとちゃんとした『ベルばら』が観たいです…(ToT)
時は18世紀末、栄華を誇ったブルボン王朝は翳りを見せ始め、王妃マリー・アントワネット(蘭乃はな)の浪費による国庫の疲弊は深刻な事態に陥っていた。重税に喘ぎ各地で暴動を起こす民衆と宮廷の関係は日増しに緊迫の度合いを深め、国家の軍隊が民衆に向かって武力を行使するのも時間の問題であった。さらに宮廷はもうひとつ由々しき問題を抱えていた。アントワネットとスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン(明日海りお)との道ならぬ恋である…
原作/池田理代子、脚本・演出/植田紳爾、演出/谷正純。花組新トップスター明日海りおのプレお披露目公演、「フェルゼンとマリー・アントワネット編」。全2幕。
基本的にはえりあゆの雪「フェルゼン編」を踏襲している感じでしたね。あゆっちアントワネットにもこれくらい出番を作ってあげてほしかったです…さらに上手く構成しなおして宙全ツ版に生かしてください、お願いしますよ!
プロローグは小公子小公女から。カノちゃんさすがに顔が小さくて可愛いな。
パペットで仮面舞踏会を再現するのは別にそんなにおもしろいアイデアではないと思います、もういいです。てかやるならちゃんとやってほしいよこの三人の出会いの場面は…蘭ちゃんは美しい。
そこからフェルゼン登場、みりおも美しい。でも貴族Aのだいもんばっかり見てましたすみません。
しかし何故みつるはルイ16世(高翔みずき)役ではダメだったのでしょうか。専科に組替えする餞としてド・ブロイ元帥(華形ひかる)という新しい役を作ってあげたつもりなのかもしれませんが、これが既存の貴族の台詞をちょっとずつ寄せ集めてしゃべらされるような役で立ち位置も意味不明なキャラクターで、軍服がやたら豪華なことがかえって悪目立ちする残念なことになっています。
冒頭のユリカーテン前場面は雪組版ではニワニワが絶品の台詞回しでなんとか成立させていただけに、今回はつらかった…らいらいもブイエ将軍(夕霧らい)のニンじゃないと思うんだよねー。
さおたさんの国王はよかったです。だからこそみつるにやらせてもよかったと思うし、なんなら農民の回想台詞で済ませている処刑の場面を新たにやらせてもよかったと思うのですよ…
さてベルサイユ宮殿、深夜の見回り場面。デカいデカいと聞いてはいましたがキキちゃんのオスカル(芹香斗亜)はホントにデカかった…やはりちょっといろいろ問題な配置だったのではあるまいか…
あとジェローデル(鳳真由)は何故リボンをつけることにしちゃったの? 旅装時はともかく、キャラクターに決められた髪形ってものがあるはずでは…貴族っぽくてよかったけれど、オスカルへの求婚とか「身を引きましょう」とかがない状態でのこの役は、なんだか意味不明で便利使いされて見えるところがありますね、不憫…宙全ツはあっきーかなあ…心配。
オスカルはフェルゼンが潜んでいることがわかったからこそアンドレ(望海風斗)を先に行かせたのかと思ったのですが、違うんですね。遠近法がおかしな背景から現われるみりおフェルゼン…ヘンすぎてつらい。
でもボート場面が復活したことは素晴らしい! 原作漫画にはない場面ですがフェルマリ編の華でありふたりの恋を描く貴重な場面です。雪組ではこれもやらずにすぐ別れ話にした老害演出家に呪いあれ。
しかしここの蘭ちゃんは私にはなんだか…でした。というか意外と植田歌舞伎が似合わないのか? もしかしたらもっとリアルなお芝居をさせた方がいいタイプなのでは…なので『エリザベート』には歌はともかく期待がちょっと高まりました。しかしここは二幕のことを考えてやや浮かれた作りにしているのだとしてもなんかハートが伝わってこない気がしてしまいました。残念。
続く国王のお散歩場面、コンパクトにやってもらえればあるべきいい場面だと思います。国王夫妻のねじれた関係と、王妃とフェルゼンの不倫の理由が語られる訳ですからね。
しかしオスカルがフェルゼンを事前に諌めているのだから、メルシー伯爵(英真なおき)の説教場面はカットしてもいいのではなかろうか…ジュンコさんとみりおの芝居のよさもあってだいぶストレスが軽減されていましたが、とはいえ台詞の非論理性ははなはだしく耐え難いです。でもどうやら老害演出家のお気に入りの場面っぽいですよね、少しも早くなくしてもらいたいよ…
ジャルジェ夫人(梅咲衣舞)のイブちゃんがが意外にもしっとりと上手い! オルタンス(花奈澪)のなみおが意外にもしっとりとしてイイ!
ベルナール(大河凛)はがりんちゃん、優しげでよかったかな。ロザリー(花乃まりあ)はしっかりしてそうでこれもいい感じ。しかし「マスコット」発言はまだ残っていました。少しも早く以下同文。
お別れ場面を挟んでまたカーテン前、貴族たちの中ではくみちゃん、ユキちゃんがさすがに美しくて声もよくて目立ちました。
一幕ラストは宮殿の大広間。うーん、えりたんの方が説得力あったかなあ…すみませんが私は実はみりおのことは好きでも嫌いでもなくて、実は今回あまり真ん中力とかスター性を感じなかったんですよね。まあちょっと『ベルばら』に疲れてしまっていたのかもしれませんが…心配していたほど悪くもなかったけど、可もなく不可もない印象しかなかったのでした、すみません。
二幕はマイナー曲調の小公子小公女からスウェーデン花祭りへ。だいキキにバイトさせなきゃいけないくらいなんだったらこの場面いらなくない? 下級生のためのダンス場面ってほどのものじゃないじゃん…というかバイトさせなきゃ出番がなくてマズい、みたいな構成になっていること事態がマズいんですよ…
期待していたソフィア(桜咲彩花)がまた普通だったな、残念。
パリ市街はまたバイト祭り。まあここは仕方ないかな…
でもそれでもうすぐ橋の場面ですよ、「今宵一夜」がナシですよ。雪組でも特出のときには毒殺場面がなくて、それでも話はまたつながらなくもないですが、今宵一夜がないとオスカルがフェルゼンからアンドレへいつ心を移したのかさっぱりわからないじゃないですか。せめてジェローデルの台詞に足したら?
というか、不要な場面を削ったら今宵一夜の分の時間くらい作れるでしょう。主役ふたりに関係ない場面とはいえもはや宝塚の『ベルばら』と言ったらこれが白眉なのではないの?
というか、スターの配置がとか比重がどうのこうのとか言うならいっそ、アンドレをなくしたらよかったと思います。それなら今宵一夜がないのも仕方がないと納得できます。『ベルサイユのばら』ではマリー・アントワネット、フェルゼン、オスカル、アンドレの四人が主要キャラクターだと思いますが、百歩譲るならアンドレは一段落としてもいいと思うのです。これは同じ年に生まれ、仮面舞踏会で運命の出会いをした三人をめぐる物語なのですから。
だからアンドレをなくしてオスカルをだいもんにして仮面舞踏会での三人の出会いからきちんとやってなんならオスカルの女装場面もやって、アントワネットとの友情と別離も描いて、でもアンドレの存在は台詞で語りバスティーユで散り牢獄と断頭台で終わる…とつなげれば、かなり上手い原作のダイジェストになると思うのです。長い原作のどこをどう切るかには果断が必要でしょう。でも今宵一夜カットはナイ!
チュイルリー宮殿での場面が復活したのは嬉しいです。母性あふれるあゆっちアントワネットにこの場面をやらせなかった老害演出家に呪いあれ。
しかし子供を取り上げられるくだりは何故原作どおりにやってくれないの? 公安委員たちがよってたかってアントワネットを殴り足蹴にするのは観ていて不愉快ですし、高貴な身分の女性に彼らが手を上げるなんておかしいんじゃないかなあ。アントワネットがかわいそうなのは殴られるからじゃなくて子供を取り上げられたからでしょ、そしてそれは彼女が彼らの子供を失わせる原因になっていたからでしょ? No More原作改悪!
フェルゼンの歌を挟んで再びパリ、またまた意味不明場面が新登場。どうやらヴァレンヌ事件にあたるらしい脱出計画をド・ブロイとベルナールが計画していてロザリーが止めるやりとり、まったくもってなっていません。
まずこの時点で国王はすでに処刑されたことになっているのでしょうか? でもだとしたら脱出させるべきなのは王妃ではなく王太子です、王統を継ぐのは彼なのですから。王妃は外国人の嫁にすぎません。あとベルナールを「偉い人が頭下げて頼んできたから主旨を曲げて助けてあげよう」なんてことで行動するアタマ悪い男にしないでくださいお願いだから! 宙全ツにあったらマジ呪う!!
雪組で増えた国境警備隊との謎のやりとりがなくなったのはめでたいです。二度と復活させないでいただきたい。馬車のフェルゼンに短鞭ではなく追い鞭を持たせる日は決してこないのでしょうか…あれで馬の尻に届くと思っている労害演出家はマジで脳味噌が溶けているに違いありません。
牢獄場面はさすがによかったのだけれど、蘭ちゃんが気品と気迫あふれる芝居をしていただけに、立ったままスープをすするお行儀の悪さがことに気に障りました。このくだり、原作ままでいいんじゃないかなあ。
それとメルシー伯爵が来ると朝鳥が鳴くのはなんなの朝になったってことなの? さっき夕食のスープをすすったのに? あの効果音、必要??
フェルゼンを止めるロザリーが太ももに腕を回すのってなんかいやらしくないですかね? 腰のあたりをひっぱるんじゃダメなの??
でも断頭台はよかった! 階段数が少ないために壁に映った光がギロチンの刃のようで、泣けました! セリ下がるみりおも美しい、立ち去る蘭ちゃんの背中も美しい!
フィナーレの「愛の柩」のデュエダンはえりあゆとまったく同じ振りでも雰囲気がまったく違っていておもしろかったです。新トップコンビのプレお披露目、おめでとう! オマージュも素敵でした、だいもんしか見ていませんでしたが。
ユキちゃんのカゲソロとエトワールは絶品でした。新公エリザやらせてあげたいなあ。
というワケで宙全ツが『ベルばら』苦行のラストだと信じたい…客入りがよかろうがやはりこればっかりやってるのは問題ですよ、しかも改訂が全然なってないんだもん…
神様、もっとちゃんとした『ベルばら』が観たいです…(ToT)
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