「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

感染症動向2010~12年と今後のあるべき方向性

2012-12-22 23:34:33 | 小児医療

 川崎市衛生研究所長岡部信彦先生(国立感染症研究所感染症情報センターの充実にご貢献された先生)の恒例のご講演http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/b7f895ab6f887373b7ababc88e3382b8を聴講し、書きます。

 感染症は、小児科診療でも重要部分を占めます。
 さらなる体制の充実が望まれるところです。

 

<2013年の期待される動きなど 小坂の私見>

○7ワクチン(ヒブ、小児肺炎球菌、水ぼうそう、おたふくかぜ、B型肝炎、子宮頸がん、成人用肺炎球菌)の定期接種化(予防接種の自治体間格差を解消→地方分権といっても国が責任をもって財源措置をすること)

○ロタウイルスワクチンの評価

○予防接種後の有害事象の評価体制の充実
 (検案体制の充実、連携)

○予防接種に関する評価・検討組織の整備(日本版ACIP)

○麻疹撲滅

○風疹流行対応

○地方衛生研究所

 

 



<2012年の感染症の話題>

*インフルエンザ 新型インフルエンザ等特別措置法制定
http://law.e-gov.go.jp/announce/H24HO031.html

*ポリオ不活化ワクチン本格導入

*IPV接種後死亡例、日本脳炎ワクチン接種後死亡例→ワクチン接種との関連性なし

*腸管出血性大腸炎O157 浅漬けによる多発

*麻疹排除:特定予防指針改正
 「麻しんに関する特定感染症予防指針について」

*学校保健安全法実施例改定(登校基準変更等)
→学校保健安全法施行規則http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%8A%77%8D%5a%95%DB%8C%92&H_NAME_YOMI=%82%A0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S33F03501000018&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1
(出席停止の期間の基準)
第十九条  令第六条第二項 の出席停止の期間の基準は、前条の感染症の種類に従い、次のとおりとする。
一  第一種の感染症にかかつた者については、治癒するまで。
二  第二種の感染症(結核及び髄膜炎菌性髄膜炎を除く。)にかかつた者については、次の期間。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りでない。
イ インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H五N一)及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)にあつては、発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあつては、三日)を経過するまで。
ロ 百日咳にあつては、特有の咳が消失するまで又は五日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで。
ハ 麻しんにあつては、解熱した後三日を経過するまで。
ニ 流行性耳下腺炎にあつては、耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹 が発現した後五日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで。
ホ 風しんにあつては、発しんが消失するまで。
ヘ 水痘にあつては、すべての発しんが痂皮化するまで。
ト 咽頭結膜熱にあつては、主要症状が消退した後二日を経過するまで。
三  結核、髄膜炎菌性髄膜炎及び第三種の感染症にかかつた者については、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。
四  第一種若しくは第二種の感染症患者のある家に居住する者又はこれらの感染症にかかつている疑いがある者については、予防処置の施行の状況その他の事情により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。
五  第一種又は第二種の感染症が発生した地域から通学する者については、その発生状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。
六  第一種又は第二種の感染症の流行地を旅行した者については、その状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。

*RSウイルス、ノロウイルス流行

*予防接種法改正なるか
「予防接種制度の見直しにちて(第二次提言)」平成24年5月23日
厚生科学審議会 感染症分科会 予防接種部会

*インドでのポリオフリー

*新コロナウイルスの出現

*米国での変異型ブタインフルエンザH3N2のヒト感染例増加


<2011年の感染症の話題>
*新型インフルエンザ→季節性インフルエンザ
 行動計画改定、ガイドライン改定

*ヒブ、肺炎球菌接種後死亡例、接種見合わせ→関連性なしとして接種再開

*東日本大震災

*腸管出血性大腸炎O111→ユッケ消える

*ポリオ根絶10年(タジキスタンでの野生ポリオ発生)
 →中国での野生ポリオ発生
 →国内ではIPV切り替え前のポリオワクチン接種者低下

*麻疹排除:国内からこれまでの国内流行株D5の消失

*手足口病大流行(症状に変化)

*マイコプラズマ大流行(マクロライド耐性株の増加)

*髄膜炎菌性髄膜炎の集団流行

*予防接種法改正の動き


<2010年の感染症の話題>
*新型インフルエンザ
 流行から流行後(post-pandemic)
 鳥インフルエンザH5N1(島根県、鳥取県、宮崎県など)

*口蹄疫発生(ヒトでなく動物)

*ワクチンの流れの変化
 日本脳炎ワクチンの接種勧奨再開、
 ヒブ、肺炎球菌、子宮頸がんの公的補助(特別基金)
 定期対象疾患のみなおし、予防接種法改正、ACIP構想

*ポリオ根絶10年(タジキスタンでの野生ポリオ発生)

*麻疹排除はどこまで

*アシネトバクター、NDM1等多剤耐性菌感染

*A型肝炎多発

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