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Uber (ウーバー)

2015-07-17 22:00:00 | 事務局からのメッセージ

こんにちは、事務局の佐野です。

先週、日経BPが主催するITセミナー「IT Japan 2015」に参加してきました。 このセミナーでは、国内外大手IT企業の会長・社長・副社長が登壇し、「デジタル経営革新の幕開け」という共通テーマによる講演が行われました。 事業モデルやビジネスプロセスをデジタル化し、新たなニーズに応えるビジネスモデルの構築や、業務を飛躍的に効率化する取り組み事例を紹介し、今後のトレンドを踏まえた革新的な提案が行われました。どの企業も特徴を活かした興味深いプレゼンテーションを行っていましたので、大いに刺激を受けることができました。

さて、講演中とても気になるキーワードがありました。登壇したIT企業トップがこぞって「ITによる革新的なモデル」として取り上げたビジネスモデルがあります。

それは、タクシー配車サービス「Uber(ウーバー)」です。

既にご存知の方も多いと思いますが、初耳という方に向けて説明させてください。UberはITを駆使してタクシー業界の持つ課題をクリアするサービスを提供し、飛躍的な成長を遂げている企業です。世界53カ国、250都市で展開。2009年に米国で起業、売上高は半年で倍増、企業価値は2014年12月現在で約4.8兆円という驚くべき状況になっています。

さてどんなサービスを提供しているのかというと、実に単純です。利用者はスマートフォンにUberのアプリをインストールします。そして、乗りたい場所と行きたい場所、そして車種を指定するだけ。数分待てば、希望する車種のタクシー(ハイヤーも可)がやってきます。 ここまでなら既存のタクシー配車サービスとあまり変わりありませんが、革新的なのはここからです。

・アプリにルートと料金見積もりが表示されます。そのルートと料金が合意されてからサービスが始まります。いわゆる、遠回りやぼったくりなどの被害に遭いません。
・アプリに配車中の運転手の顔写真や評価などが表示されます。利用にあたってあらかじめ安心感が得られます。
・支払はユーザ登録の際に登録したクレジットカードで行われますので、現金を用意しておく必要がありません。
・深夜割増しがありません。時間を気にせず利用できます。
・世界中、どこに行っても同じアプリで同じサービスが受けられます。

グローバルに活躍するビジネスマンが増えつつありますので、ニーズは増えて当然という印象です。また、女性にも非常に人気が高いそうです。

一方、運転手側にもこんなメリットがあります。
・Uberと契約すると、あらかじめアプリがインストールされたスマートフォンが貸与されます。配車の指示はすべてスマートフォン経由で行われます。無線などの特別な機材(設備投資)の必要はありません。
・利用者と現金のやり取りがありませんし、利用者もUberにユーザ登録されている人ですので、接客において安心感があります。
・運転手はあらかじめ合意されたルートで走るだけなので、余計な気遣いの必要はなく、運転に集中することができます。
・運転手の稼働状況はUberで管理されているので、空車になればすぐに配車の手配が付きます。客を探して無駄に走り回ることもなく、駅前の長蛇のタクシー列に並ぶ必要もありません。

ただし、利用者による評価が常につきますので、いい加減なサービスができません。対応は丁寧に、車両も綺麗にしておく必要があります。そうしないと、お客さんに指名されません。

国内では、業界団体など既得権益を守ろうという動きもあり、批判にさらされることも多いようです。でも、急速に拡大するスマホ市場に呼応するように、利用者は増え続けているようです。今年1月からはLINEが同様のサービスを立ち上げています。日本交通という大手のタクシー会社と提携して、より利便性を高めているようです。

Uberは、既成のものをITを利用して破壊して、新たなビジネスモデルを立ち上げた好例だといえます。 イノベーションとは、意外に難しいことを考えなくても、身近なところで出来ることなのかもしれません。誰でも利用できるサービスのようですので、私も機会を見つけて利用して、利便性を実感してみたいと思います。

追記:いまのところ国内でのサービス提供地域は、東京都23区内と福岡市内の一部に限られているようです。詳しくは、https://www.uber.com/ja/ でお確かめください。

コメント (3)
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