もう9月も半ば、日暮れは少し早くなったかと思うものの、感覚的にはまだ真夏が続いていますね。
そのような中、書店ではもう来年の手帳を販売し始めていました。
この時期になると年明けの1月、2月の予定も入りはじめ、夏から一挙に年末気分になっていく予感がします。
ちなみに、私の使っている能率手帳は11月から始まるもので、そろそろ来年の手帳を買わなくては、と思っています。
今日の話は、少しさかのぼってこの夏のことですが、いつになくテレビでランドセルのCMが目につきました。
今頃ランドセル?と思うのですが、少子化の時代、シックスポケットといわれて、初めての孫にランドセルを買うおじいさん、おばあさん、金銭に余裕のある独身貴族のおじさん、おばさんが、帰省してきた孫に会う夏休みが、ランドセル商戦のピークになるのもうなずける話です。
ところが、この話、気になって少し調べてみるとさらに面白いことが分かりました。
真夏にランドセルのCMを行うのは今年に限ったことではなく、3年ほど前からこの時期に集中的にCMを行っていたようです。
仕掛けたのは、業界No.1「天使のはね」の商品名でお馴染みの株式会社セイバンという会社です。
この「天使のはね」は2003年に開発され、商品特長である軽さを商品名に冠して一躍知名度を上げました。
当初は入学準備時期の10月~3月にかけてCMを行っていたようですが、販売競争の常として、仕掛けがどんどん早まり、3年前から夏休み時期に集中してCMを行い、これに他社も追従したため今年は特に目についたようです。
一説によると児童手当の支給月が2月、6月、10月なので、シーズン的に一番早い6月支給の児童手当を狙ったという話もあります。
ちなみにセイバンという会社は、本社が兵庫県たつの市にあり、この地区は播磨の西で西播地区と呼ばれることから、会社設立時は株式会社西播鞄嚢製作所という社名だったようです。
同社のホームページによると、開発は常に「実際に背負う小学生」とコミュニケーションして進めてきた、とありますが業界No.1となったもう一つの要因は、「実際に買う人」は誰であるかもよく見ていたことが分かります。
更にいうと、工程を機械化しメイドインジャパンにこだわりながらも低コスト(といっても結構高い)を実現させているところも成功の要因だと思います。
望むか望まざるかを問わず、今や国が率先して製造業の海外進出の環境整備をしているかの印象がありますが、製造業が国内で成長するモデルの一つを見た思いがしました。
田中敏夫