2015年1月25日(日)2:00-5:00pm オペラパレス、新国立劇場
新国立劇場 プレゼンツ
リヴァイヴァル プロダクション
ワーグナー作曲
マティアス・フォン・シュテークマン プロダクション
さまよえるオランダ人 in 3 Acts
(in order of appearance)
1 舵手、望月哲也
2 ダーラント、ラファウ・シヴェク
3 オランダ人、トーマス・ヨハネス・マイヤー
4 ゼンタ、リカルダ・メルベート
5 マリー、竹本節子
6 エリック、ダニエル・キルヒ
新国立劇場合唱団
飯守泰次郎 指揮 東京交響楽団
(duration)
Act1 overture 10′ act 43′
Int 25′
Act2+3 60′+28′ (連続演奏)
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3幕仕立ては観たことがあるが、このように3幕仕立てと言いつつ、第2第3幕は連続演奏で切れ目がわからない。演出もよくわからない。
新国立のこのプロダクションはリバイバルなので自分でも観ているはずで、都度うっすらとステージのことを思い出すようなところはある。この劇場の機能性を駆使したものですが、動き自体は必然がある動きと言ったら妙な言い方ですが、思った通りにし動かない的なところがあり、やはり陳腐になりつつあるのだろう。
また、歌い手はよく揃えているにもかかわらず、さっぱりで、こちらも燃えない。あまり集中できない午後のひとときでした。肩透かしですね。
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3幕仕立てかどうかにかかわらず、この日の様に序曲でいったん切って盛大な拍手がはいる舞台は他でも聴いたことがありますので、ここらへん目くじら立ててどうのこうの言うつもりは全く無し。
序曲、幕が下りたまま暗い中での演奏。前奏に演技の無いワーグナーはなんだか久しぶりに観る。遠い過去のデジャビュのような気さえする。
この序曲は指揮者独特のものですね。音価が普通の演奏とちょっと異なる。早い話、伸ばすところを伸ばさず、さっといってしまうようなところをこねる。ですので、このオペラの節(ふし)としては結構な違和感ありました。聴き慣れているものではない長さや抑揚で。これはオーケストラのせいもあるかもしれません。慣れてないような気がしました。
3階席から見るピットは完全な鮨詰め状態、ベース8本、チェロ10本は確認できましたので16型、ブラス、ウィンドも山盛り。あれで力任せに吹いたら壊れますよね。
音価レングスは相対的なものとはいえ、不正確な箇所が多く崩れ気味。練習不足と言うより、ワーグナー音楽の移植がいまだ済んでいないと思います、このオケに。
昨年のパルジファルでは見られなかった現象で、指揮者と言うよりやっぱりオーケストラの違いによるところが大きいかもしれません。
久しぶりに前奏に演技の無い演出、3幕仕立てながら2幕3幕連続演奏の意図は休憩優先か、16型(タブン)でオケピは立錐の余地無しの獅子粉塵気味、歌は当方うたた寝、オランダ人、新国立
肝心の歌ですが、これだけ揃っていながらさっぱり。ダーラント、オランダ人、声が小さくて鳴らない。二人とも二日酔いだったのかも。惰性でやっているような感じでしたよ。
ゼンタが出てきてようやく場が引き締まりました。圧倒的な声量は、男連中二人分ぐらい。これでハングオーバーから目が覚めたのか、少しずつ良くなってきましたけど、何事も最初が肝心と言いますから、オペラはよく、しり上がりと言われますけれど、だからと言って最初のポイントレベルを下げてしまっていいという話でもない。最初からきっちりお願いしますよ。
このオペラ独特の、ひゅードロン的なところがまるでない、おどろどろしさが感じられず残念。
ゼンタのメルベート、それにエリックのキルヒ、この二人の正確な歌はお見事でした。
コールでも聴衆はこの2人に盛大なブラボーと拍手でしたね。
おわり