河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2436- ノルマ、デヴィーア、沼尻、トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア、藤原歌劇、2017.10.22

2017-10-22 23:00:47 | オペラ

2017年10月22日(日) 2:00-5:00pm カルッツ川崎ホール

JOF プレゼンツ
ベッリーニ 作曲
粟国淳 ニュー・プロダクション
ノルマ  86-65

キャスト(in order of appearance, also voices’ appearance)
1.オロヴェーゾ、伊藤貴之(Bs)
2-1.ポッリオーネ、ステファン・ポップ(T)
2-2.フラーヴィオ、二塚直紀(T)
3.アダルジーザ、ラウラ・ポルヴェレッリ(Ms)
4.ノルマ、マリエッラ・デヴィーア(S)
5.クロディルデ、松浦麗(Ms)
6.子供(黙役)

合唱、藤原歌劇団合唱部、びわ湖ホール声楽アンサンブル

沼尻竜典 指揮 トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア


(duration)
序曲  5
第1幕  38-16-27
Int
第2幕  23-42

主役3人衆が抜群の切れ味でノルマの醍醐味を満喫。ソロ歌唱の見事さもさることながら、二重唱、三重唱のバランスの良さ、散りばめられた美ニュアンス、美しいベッリーニ。ノルマはベッリーニにしては流れないオペラと以前は感じていたのですが、全て払拭、偉大なベッリーニ節を堪能しました。

同企画は7月に日生劇場でもありましてデヴィーアの合い間の国内組を観ましたがあれはかなり厳しい問題公演でした。今回個人的にリヴェンジなりました。

それから、昨年はこのノルマも観ました。
2216- ノルマ、グルベローヴァ、プラハ国立歌劇場、2016.11.6

デヴィーアは1948年生まれ。女性のほうが歌に関しても男より強い印象をもっていて、年齢の事はあまり気にせず。
第1幕、カスタディーヴァの一連の歌、少しハスキーな味を魅せつつ節回しが良くてピッチも良く、こなれていて、これまで無数に歌ったであろうこのピース、さすがの安定感。強靭さは背面に奥ゆかしくなり、ドラマチック・ソプラノの核を厳かに味わう。この歌は難しいんだろうなというのは7月公演で実感していたので、そういったところを見せないで歌い切るデヴィーアはさすがですね。中低音のきまり具合も心地よい。

このあと、ポッリオーネとアダルジーザの掛け合いとなる。
アダルジーザのポルヴェレッリは声質がデヴィーアと似ているが弾力性があって張りが前面に出ている。手応え十分のメッゾで、ポップ扮するポッリオーネがこちらを向いてしまってもいたしかたが無いところもあるよね。

圧巻は同2場、ソプラノとメッゾの二重唱、そしてテノールを含めた三重唱への一連の流れ。ドラマの発端が出来上がるシーンですね。
デヴィーアとポルヴェレッリの掛け合いは聴きごたえあり。両者のバランスがパーフェクト。二人で歌っているのになにやら一本の輪ゴムの伸び縮みを見ているような絶妙なバランス。同じような声域の事もあるかもしれない。圧巻、堪能。
これにポップが加わりスリリングな三重唱。プリターニのようなハイ音はそんなになくて、自分の守備範囲で思いっきり開放して歌っている。気持ちよいテノール。ストーリーが過熱してするにつれて三人の歌唱にもさらに熱が入る。良かった。
このシーケンス、沼尻の棒とTMPの演奏がこれまた素晴らしい。特にウィンドの切れ味、メリハリの良さ、それと歌の入りの前のイントロ、この呼吸が歌と同じぐらい濃くて、あれだと歌い手たちもつい歌いたくなるに違いない。
ブラスはドラマチックなシーンでの活躍が目立つので、縦軸は次回の公演までにしっかりと合わせてくれるのだろうと。

2幕は最後の長丁場、ノルマとポッリオーネの掛け合い、そしてノルマの最後のシーン。ドラマの解をギリギリまで延ばし、ドラマ性を極限まで広げ緊張感をずっと保つ。デヴィーアの歌唱はそのドラマに沿ったもの。鬼気迫るものがあった。ソプラノ、テノール、両歌い手、張り合うことなく溶け込む重唱アンサンブルの妙を満喫しました。


演出は7月公演と同じ。
指揮者とオーケストラは7月とは違って、沼尻、TMP。7月公演より10分以上伸びた演奏で味付けも丁寧。美しいベッリーニ節を味わいました。

出来たばかりのカルッツ川崎ホール、初めて来ました。
2013席のシューボックス型と書いてあるがこれはシューボックスではないと思う。
全体のつくりは軽めのオフィスのような感じ、音響はやや明るめで明瞭、クリアで聴きやすいものでバランスも良好。この日はオペラのためピットありで、1階席1100が992席に。
座った席は3階の右左通路の後ろ1列目、最悪でまるでダメ。座席前の仕切りの立て板が高すぎて普通に椅子に座ると字幕はおろか、舞台の上方三分の一が見えるだけ。つまり何も見えない。これは大問題。これから、前かがみトラブルが多発しそう。
同じ3階の左右席は前方に向いているので一見良さそうだが、下方向に角度が少ししかついていないので舞台は見えにくいと思う。トラブルもあったようです。
1階席2階席に座る機会があればまたここに書きたいと思う。
交通の便は一見悪そうだが、バスが便利。凄い本数出てますから。

付記
藤原さんのプログラム、7月は千円でしたが。今回は無料でした。いつもこうであってほしい。
ありがとうございました。
おわり




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