河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2113- レミ・ジュニエ、ピアノ・リサイタル、2016.5.5

2016-05-05 23:02:53 | リサイタル

2016年5月5日(木) 5:00pm ホールB7、東京国際フォーラム

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 月光 7′2′10′
   ピアノ、レミ・ジュニエ

ショパン  ピアノ・ソナタ第3番ロ短調  9′3′11′4′
   ピアノ、レミ・ジュニエ

バルトーク  ラプソディ第1番   10′
   チェロ、アンリ・ドマルケット
   ピアノ、レミ・ジュニエ


LFJ公演。
ベレゾフスキーがキャンセル。彼の分をほかの方が埋めました。この時間帯の公演はジュニエが代わりに弾くということで、これはこれで熱気を帯びたリサイタルとなりましね。

沈みこんでいく月光の素晴らしさ。肩から指先まで自然の重力のままに鍵盤を沈みこませる。ひとつひとつゆっくりと静かに進行。スローなテンポな中、心地よい緊張感が持続していく。思わず惹きつけられます。冷静過ぎる演奏なのかもしれない。魅力的な演奏です。
終楽章の副主題の味わいも深い。主題のコントラストが際立ち、それはこの楽章にとどまらず、第1楽章とのコントラストもお見事。全曲の曲想のバランスがとてもわかりやすい。何か大きな曲を聴いたような、それでいて見通しがいい、うれしい戸惑いを感じました。見事な演奏でした。

次のショパンは圧巻。このピアニストは技巧をこれみよがしに見せびらかすことがない人ですね。次の見せ場を盛り上がらせるためにその前の静けさを作るといった作為がまるで無いピアニスト。つまり表面的な効果を狙ったような演奏をしていない。そんなことは関心が無いのだろう。作品の中に入っていくそのコンセントレーションがすごい、ショパンのこの作品、彼によくあっていると思います。ピアノ作品のどこをどう聴けばいいのかこちらとしても随分と教えられました。
1992年生まれとのことですから二十四五、何を見据えて音楽をすればいいのか、そういたあたりのことを考えさせられました。ベレゾフスキーの代わりではありましたが、本来のご本人の公演は既に満席で聴くことが叶わなかった中、こうやって偶然聴くことができたのは良かったことでした。

最後のバルトークは、ヴァイオリンとオーケストラの曲をチェロとピアノに編曲したものと思いますが、チェロ主体の曲で、つややかで強靭なチェロのサウンドが魅力的。急遽のアンサンブルとなったのでしょうがアイ・コンタクトがしっかりしていて安心して音楽につかりました。ピアノパートはバルトークのリズムが難しそうでしたが、余裕の弾きっぷりで最後まで楽しめました。ありがとうございました。
おわり




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